眼を開けば僕がいる。 **BNCTに夢を託して**

悪性脳腫瘍の妻との闘病生活を最新の治験療法(BNCT)や免疫療法の体験を交えて・・・。

砂時計

2009-02-21 10:00:22 | 不安と絶望
2009/2/21
昨年末に退院して早2ヶ月が過ぎようとしています。
入院中は失われた機能を回復していく喜びがありました。
出来ないことよりも出来るようになることに目が向いていたようです。

自宅で療養する今は毎日の生活の中で出来ないことに対する苛立ちを感じることが
多くなったような気がします。
やはり看護師さんに介護されるのと家族に介護されることの精神的な負担が
違うのでしょうね。


以前にどこかで妻のために時の商人から時間を買うようなCMを見たことがあります。
私はどれだけの時間を妻のために得ることが出来たのでしょう。
器にどれほどの砂が残っているのでしょう。
焦りと苛立ちと今ある喜びが入り交じった複雑な時間が過ぎていきます。


先日のMRIの画像に新たな腫瘍らしきものなのかノイズなのか判然としないものが映し出されていました。
しかし主治医は再度の検査の指示は出しませんでした。
仮に再発を見つけたとしてももう治療の術はなかったんですね。
どれほどの時間が残されているのかわかりませんが私たちの生活はそこにしかないのを再認識させられました。

いつまで二人で見つめ合っていけるのでしょうか。
ゆっくりとですが確実に砂は落ちていきます。

前を向いて

2009-02-13 16:24:12 | 希望
2009/2/13
2月から通院リハビリを始めました。
1年前に比べると左半身の動きは悪く自立歩行までの道は遠いように思えます。
しかし、リハビリが出来るようになっただけでもありがたいことです。
少しずつ前を向いて進んでいきます。

先週撮ったMRIの結果を今日聞きました。
腫瘍は大きくこそなっていないものの、やはり存在していました。
焦らずに一生付き合っていくしかないのでしょうね。
まさにラストチャンスに賭けたのですから再発したとしてももう治療の術はありません。
ただただ大人しくしていてくれるのを祈るばかりです。

以前に比べると横になって眠っている時間が長くなったような気がします。
湧き上がる不安や恐怖を振り払って
もっと元気になろうよ!
いろんな事をして楽しもうよ!


晴れたり曇ったり

2009-02-04 08:51:59 | 希望
2009/1/11
何年ぶりのことでしょうか、家族7人で温泉へ旅行に出かけました。
元気な頃には何の変哲もない近場の温泉でしたが、こうして家族そろって
行くことができたことに感謝です。

頭から足先まで日によって痛みの出る場所はまちまちです。
そのたびに再発や転移の恐怖にさらされながら一日一日を過ごしてきました。
そうして4ヶ月が過ぎ何の治療もしない毎日を今過ごしています。

二月に入るとMRI検査があり、またリハビリも始まります。
検査結果を不安に思わなくなる日は来るのでしょうか。
それでも今日のあることに感謝しながら、一日一日を前向きに過ごしていこうと思います。
不安ばかりの毎日ですが、春が来たらもっと色々なことを二人で楽しめるよねと
そのときを心待ちにしています。

今は雨が降っていてもきっと明日は晴れるよ。