私の「独」学日記

ドイツ語と、その他、ドイツから学べることをいろいろと語りたいと思います。その他、ドイツと他国との関係から学べることも。

ドイツ人だって自虐史観は嫌なのである

2013-08-25 22:28:40 | 過去の克服
「ロンメル」という映画をDVDで観た。ナチスドイツ軍の国民的英雄であったロンメル将軍はヒットラー暗殺に関与したという疑いで処刑される。

ドイツ人が制作したドラマだった。過去にドイツ人がつくったドイツ人からの視点のナチス時代の映画を何本か観た。ナチスへ反旗を翻すビラを配り処刑された女子学生ゾフィー・ショルの記録「白バラの祈り」などがそうだ。

ドイツ人も被害者だったのだという視点が色濃い。これは日本の終戦記念ドラマに共通する。

ホロコーストなどのナチスの非業を激しく描いた映画は、知っている限りドイツ以外の国で制作されたものが多いと思う。「シンドラーのリスト」は全編英語で、スピルバーグ監督によって作られている。

ドイツ人自身は、実をいうと、そういうのは自虐的だと思っているのはなんとなく分かる。数年前ドイツを訪ねたとき、ベルリン近郊の収容所のあったザクセン・ハウゼンに行くことをドイツ人に告げると「なぜあんなところに行くのか」と怪訝な顔をされたことを覚えている。

ドイツが過去の克服に熱心だというのは交戦国と陸続きであったという地理的な要因が大きい。ドイツ人がオランダを訪ねると、子供でも石を投げられるということがあったという。周辺国との信用回復は、切実な問題だったのだ。

どこの国だって、自己弁護をしたがるものだ。それでも、自己反省をアピールしなければ生きていけないという切実な状況にさいなまれない限り人はそういうことに積極的に動かない。

それが人間というものなのだろう。


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