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堂頭内寮@Net

―「叢林@Net」堂頭和尚の雑記帳 ―
行雲流水の如くの日常を書き綴るぷらいべーとな内寮日誌♪

儀  式 【つぶやき@内寮】

2007-06-28 10:18:29 | つぶやき@内寮
私はどうも「儀式」を重宝するタイプの人間らしいです

「儀式」というと何か仰々しい感じがしますが、今回取り上げる儀式とは決してそれを意味する言葉ではありません。

「じゃぁ、何を意味する言葉なのか」という話になりますが、ここで意味する儀式とは、実は日々の「日課」の様な類のもので、決して重い意味ではないのです。

但し「日課」と言えども、自らに課している以上、それは私にとっては「儀式」なのであります(まぁ、深く突っ込まないで下さい)。

ここでいう私の「儀式」とは、案外バカにできないもので「これをしないと何だか一日気持ち悪い」というところまで高まればしめたものです。

既述もした通り、今春から新しい生活パターンとなり、そのペースにいまいち乗り切れてないことは先日述べた通りです。。。

そこで、新しい生活を早く軌道に乗せようと、自らに儀式(日課)を課した訳であります。まず、これをしないと1日が始まらないという意味で、朝の「儀式」というものを自分の中で取り決めました。

叢林の差定で言うならば、朝起きたらまずは暁天・朝課の厳修と流れが決まっています。365日、定められた振鈴時間に起床をし、各自洗面を済ませて僧堂に坐すのであります。

その後、朝課・行鉢・普請作務と行持が如常に続く訳ですが、慣れてくると何だかそれらを経ないと一日が始まった様な気がしなくなります。

叢林まで厳密にいかなくても、そんな生活を今の自分にも課してみようと思ったのです。

叢林では「大衆の威神力」という言葉をよく耳にしますが、師寮寺に戻った後、叢林と同じ様な生活を持とうとすると意外に根気が要るものです。

準備等も含め、何もかも自分でこなすところから始めなければならない故、予想以上の労力が要るのです。

叢林であれば、挫けそうな時でも法友に励まされる時がありますが、送行してからは自分で自分自身を奮い立たせるしか術がありません。これは意外に大変なことです。

そこで私の場合、自分への「儀式」を、まずは暁天・朝課以外のところに設ける事にしてみました。

寺を任される身となる以上、暁天・朝課は如常であっても、自らへの「儀式」はそれ以外のところに設けてみたくなったからです。

例えば、朝の洗面 ―。

洗面手巾を纏って偈文を唱えながら......とまでいかなくとも、自分の中である種のルールを設ける事にしました。

それと、朝課以外でのお仏壇前での礼拝(らいはい)―。

本堂でのお勤め以外に、仏壇前での礼拝行を自らに課す事にしました。

確かに前日に会合等があり、就寝が遅くなった時など早起きするのは正直辛い時があります

少し前なら「今日は放参、略朝課でいいな」とか、「今日の朝課は長作務で勘弁してもらおう」という気持ちが湧きましたが、自らに儀式を課す事により自然に暁天・朝課に入れる時が多くなりました。

もちろん気の持ち様なのでしょうが、その気持ちを保つ秘訣は個々それぞれで良い様な気がします。

不思議なもので、洗面・礼拝というのは、ややもすると軽く考えがちですが、これを儀式として自らに課してみると意外と軽視できないものです。

道元禅師が『正法眼蔵』「洗面」巻・「陀羅尼」巻にて、その重要性について詳説なされる意味が理解できる気がします。

儀式(日課)というのは、それを自らに課す事により、一つの「けじめ」や「区切り」になる様な気がするのです。

人間この「けじめ」や「区切り」が意外と大事で、それが有る無いでは日々の生活が一変する時があります。

前回、他寮の日誌に記した「自由」という概念についても、同じ様な事が言えると思います。「けじめ」や「区切り」があるからこそ、真の意味での「自由」のありがたさがあるのではないでしょうか。

「けじめ」や「区切り」といった線引きがなかったら、どこまでが「自由」でどこからが「不自由」なのかが分からなくなってしまいますからね

やはり僧の身なれば、法の中でその「自由」というものを体感すべきでありましょう。

助化師さまから頂いた口宣(コメント)の中に「本当の自由とは、同じように行っていく規則の中でいかに遊びを見付けるかにかかっている」とありましたが、その意味も何だか分かる様な気がします(あの寮監先生は、本当に遊びごごろ満載の方でした)。

まさに、その「遊び」という感覚が、僧の身なれば「自由」すなわち「遊戯三昧」に相当するのでありましょう。

寺に住む者は、「仏法」という宝の山に埋もれている事実にいち早く気付くべきだと感じました。

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