狐・狸・祭

フラメンコの故郷よりマイペースに発信、カンタオーラ小里彩のブログです

新春歌い初め!

2015年01月10日 01時22分56秒 | 日記
ようやく長いスペインのクリスマスが終わった!ヘレスではサンボンバというクリスマスのお祭りが11月末に始まり、街中飲めや歌えやの大騒ぎになる。クリスマスをピークに、年末年始を挟み、子供たちがプレゼントをもらうのを楽しみにしているReyes Magosの日(1月6日)でひと段落。ここでようやくクリスマスの飾りをしまい、日常生活に戻ります。

レストランで働いているので繁忙期は目が回る忙しさでした。日本も忘年会シーズンは同じ状況ですね!

1月6日は息子の誕生日でもあり、大親友のソリさんと家族でケーキを食べてお祝いした。ソリさんが「これはアニーと私から」と言って素敵な本をプレゼントしてくれた。

アニーとは7年前にヘレスに留学中弟子入りして以来のお付き合いだが、今でも歌いたい時に歌いに来て良いよと言っていただき感謝の気持ちでいっぱいだ。
以前はカチコチになって必死で歌ってはうまくいかず落ち込んでいたが、今はクラスで歌わせていただくのが楽しくて仕方ない。変な気負いがなくなったのか、自分が下手だという現実に慣れてしまったのか。うまくいかないのは相変わらずなのだが、とにかく自分はフラメンコに関しては断然以前より自由になったと感じる。誰にも期待されないけど勉強したいから歌いたいから歌うだけ!そして「来たければ来ていいよ」と心から言ってくださる修行場所があることのありがたさよ!

仕事が休みのとある午前中、本のお礼と新年の挨拶を兼ねて、クラスに歌いに行った。

数人の生徒さんの踊りを伴唱させていただいたあと、ソリさんが踊ってくれた。その時「あ!?」と思った感覚があった。すいすいと歌が出てくるのだ。ソリさんの動きに乗せられて私の口からコンパスがよちよちとグイグイと出てくるこの不思議な感覚よ。

ああ、素晴らしいな・・・・踊るとはこういうことなのだ。

いつもソリの踊りは見てきたが、改めてガツンと驚きがあった。コンパスの知識、フラメンコの知識。それだけではなく、もっと深い人間としてのあり方や生命力。相手とのコミュニケーション能力、そしてカポーテ!
たくさんの要素が折り重なって踊りがあるのだ。踊らずにいられない、体から湧き出る動き!

フラメンコを追いかけてソリさんと同じように80歳になったとき彼の踊りのような歌が歌える日が来るといいな、踊っている人がグイグイと一緒にひとつになれるような・・・。