distan日誌(旧)

2010/02/14 livedoorに引越しました。

血と骨

2005年01月06日 | 映画・た行


崔洋一監督の「血と骨」。
原作は、梁石白(ヤン・ソギル)の自伝的小説。

とにかく壮絶で、重く、暗い映画でした。

ビートたけしを始めとして、俳優陣の演技が良かったのは、もちろん、美術セットが、細かなところまで、よくできていたことに感心。戦中、戦後の大阪の在日朝鮮人集落が、完璧と思えるまで、見事に、再現されていました。

もう一つは、時間の経過が、説得力を持って描かれていたこと。鈴木京香の老けていく様子(メイクさん、good job!)。子供時代の田畑智子が、やがて母になり、自ら命を断つまで、微妙に年を重ねていく様子。そんなところが、一人一人の存在にリアリティを与えていました。

それにしても、崔監督は、この映画を通して、何を伝えたかったんでしょうか?誤解を恐れずに言えば、金俊平というとんでもない怪物の持つ「愛情」ではないかと、ふと思いました。
家族の前で、平気で愛人を抱く神経を持ちながらも、また金の亡者でありながらも、この男の心の片隅に宿る、人を思う気持ち……。

自殺した娘の通夜で、「俺の娘は、どこだ」とその夫に迫り殴りかかる場面。脳腫瘍の清子の身体を大きな金ダライで優しく洗う場面。死んだ妻の火葬場にそっと姿を現す場面。そこからは、いびつで、そして不器用な彼の愛情が、哀しく伝わってきます。

梁石白(金俊平の息子)は、高校卒業後、さまざまな仕事を転々とした後、50代半ばで、作家デビュー。原作は、上下巻で文庫になっているけれど、ボリュームがありすぎて、ちょっとすぐには読めないなぁ。

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとう~ (cyaz)
2005-01-06 08:46:21
TBありがとうございましたm(_ _)m



映画の出来はともかくとして、

役者としてのたけしはこの映画に合っていたと思います!

鈴木京香も女優として、いい演技だったと思います^^
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cyazさんへ (distan)
2005-01-06 20:22:13
キネ旬04年度、主演男優賞は、たけし。映画そのものも、ベスト二位に入ってましたね。一位の「誰も知らない」は、近々観に行くことにしています。
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TBありがとうございましたm(._.*)m ()
2005-01-07 02:06:34
こちらからもTBさせていただきます★



>自殺した娘の通夜で、「俺の娘は、どこだ」とその夫に迫り殴りかかる場面。

脳腫瘍の清子の身体を大きな金ダライで洗ってあげる場面。

死んだ妻の火葬場に姿を現す場面。



これが彼を憎みきれなくさせてたんですね☆

壮絶な映画でした!



井筒監督のパッチギが楽しみです!
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初めまして (ゆきち)
2005-01-08 11:10:11
〝雑板屋〟のゆきちと申します。先日はトラバをありがとうございました。

「血と骨」は原作をまず読了しての劇場鑑賞でしたが、どちらも素晴らしかったです。
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TBありがとうございました (lyca)
2005-01-08 22:40:14
TBありがとうございました。



人物もストーリーも、強烈な映画でしたね!
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Unknown (springer.exblog.jp)
2005-01-12 16:44:25
TBありがとうございました。

原作は文庫本のわりには、厚いですが、

一気に読めてしまいますよ!
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TBありがとうございました。 (efrinman)
2005-02-20 09:29:38
こちらもTBさせていただきました。

原作長いですが、是非読んでみてください。

読み応えあります。

梁石白の最近の作品では「裏と表」も面白いです。
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TBありがとうございました。 (ryojin)
2005-03-26 00:47:51
TBありがとうございました。

私のページはしばし放置状態になっており、

ご返事が送れましたことおわびいたします。



原作は映画よりずっとおもしろいです。

是非お読みになってみてください。
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◆みなさま◆ (distan)
2005-03-26 03:40:57
みなさま、口をそろえて、勧めて下さるので、よおし、読むぞぅ!
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同感です (ma)
2005-04-17 00:17:12
>金俊平というとんでもない怪物の持つ「愛情」



確かにところどころに感じられましたね。



TBさせていただきました。
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