DARKSIDEKINGDOM 日誌

映画・ゲームレビュー その他日々萌え話等。女性向け表現・ネタバレ含みます。そして時々ニワトリ。

チャーリーとチョコレート工場を見てきましたよ

2005年10月25日 03時04分48秒 | 映画
以下ネタバレとなります。黒字にしておこうかな。

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一応原作は子供の頃に読んだことがあるんですが、
流石に昔のことで詳しい内容は覚えてません。
それでも映画をみているうちにああこの歌詞は見たことがあるぞ!とか
これぞあの透明エレベーターだ!とは思いました。

端々の小ネタは結構ツボにはまり、ウォンカの登場シーンでは
丸まって笑ってしまいました。溶けてるよ!てか隣にいるよ!!!!
チョコレート工場の内装もイメージ通り、役者の演義も文句なし、

しかし…
原作ではチョコレート工場探索の中、自然に子供がワガママのせいで
自滅リタイアしていくが、映画だとウォンカのあからさまな嫌悪、悪意が滲む。
これが家族へのトラウマという映画のオリジナル部分に関わってくるのかもしれないが、
本来は隠された目的である「後継者の選定」という目的が前面に出すぎていて、
脱落する子供がいかにワガママでダメであり、
それにどんなお仕置きをするかばかりがクローズアップされ、
チョコレート工場の不思議さがかすんでいる。
新たに進む部屋で必ず一人の子供が脱落する。全然ワクワクできない。

この物語では超科学的でありながらメルヘンチックなチョコレート工場こそが
主役だと思うのだが、どうも子供の尻を叩き親を糾弾するのに忙しいらしい。
チョコレートの川もウンパルンパも発明品の数々も、ただの障害物である。

まあ映画となる上でなにを主軸にするか、2時間という限られた時間で盛り上がりもオチもつけねばならない。ついでに予算も決まっている。
広大なチョコレート工場を見せるために新しい部屋をつくるよりは、子供達のレースをメインとしたほうがいいのかもしれない。

しかしどうしても我慢ならないのがウォンカ。
オーガスタスがチョコレートの川に落ちた時の反応だ。
「チョコレートに素手で触るな!」
原作ではもっと慌てて怒った気がするのだが、どうも反応が鈍い。
それどころかやや無関心のような、ニヤニヤしていたような…
原作でももちろん子供の心配なんかしていない。しているのはチョコレートの心配だ。
大切なチョコレートを汚されてはかなわない。
誰かが真剣に向き合っているものを土足で踏みにじるような子供はお仕置きが必要だ。
それはワンカの職人気質であり、チョコレートに対する愛であり、
オーガスタスが罰を受ける理由だったと思うのだが…見てるだけなの?

あげくの果てにはウンパルンパがチョコレートの川でシンクロナイズドスイミング。ウンパルンパならいいの?
お菓子に対してだけは熱意をもっているはずのウォンカに、菓子への愛情を感じないという矛盾。
むしろ
「あー、あのままだと川に落ちるなぁー、あ、落ちちゃったwwwテラワロスww」
である。いいのかそれで。

そもそもウォンカという人は人間離れしている。
浮世離れした感覚と姿、立ち振る舞い、
一般人が「そんなのできっこない!」という思いつきを「できるはずだ!」と
本当に完成させてしまう。
チョコレート工場という夢の国に住まう住人であり、
その舞台に観客を導く司会者であり道化である。

しかし、そのウォンカに映画のオリジナル要素である「父親(家族)」という
トラウマを与えたことで、一気にウォンカは普通の人になってしまった。
人間的な弱さがあったのか!と知ることで魅力的になるキャラクターは沢山いる。
現実的にも弱さを知った相手に親近感が沸くことはよくある。
しかしウォンカという人物に対してはそれは逆効果でしかなかったと思う。
ただでさえ神秘性を失ったチョコレート工場の中で、
唯一やっぱり人間離れしているウォンカからもそれを奪い去ってしまった。
ウォンカからチョコレートへの情熱を奪い、その神秘性を奪い、
なにが残るというのだろうか?

平日の昼間だったが映画館には子供連れが多かった。
子供達は流れるコメディの予告を見て、笑うべきところで笑い
やかましいまでの反応をみせていたのだが、
本編が始まるとその声は聞こえなくなった。
夢中で見ていたのか、笑うところがなかったのかは、わからないが。


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個人的評価・B
原作→映画・C
役者   ・A
小ネタ  ・B

見た目に反してあんまり子供向けではない
原作ファンには微妙だと思う
子供達にひきつるウォンカ、
ウォンカにひいてる子供達がダウンタウンのコントっぽい
これはブラックジョーク…?なのか?

光る部分はあるものの素材のよさを生かせず。
むしろスパイスをきかせすぎ、関係のない材料をぶちこみ、
カレーライスのなかでパイナップルが8割を閉めているような気持ち。

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