ひたむきってどっち向き?

主に医療・教育など、興味のあることについて
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今から始める、多職種連携

2015-11-28 18:19:01 | 総合診療
11月21日に開催された総合診療★家庭医療 全国公開セミナー in Tsukuba。私は「今から始める、多職種連携」というセッションに参加。

多職種連携と言ってすぐに思いつくのが「在宅医療」。今回は地域の在宅医療を支える各専門職を講師に迎え、実は知らなかった多数の職種の役割を知り、連携の大切さ、難しさ、楽しさを実感するという至極の時間。

今回は「脳梗塞で半身麻痺が残る78歳男性。脳梗塞の再発で入院後、治療、リハビリにより回復したが認知症が進行。主治医は退院可能と判断し、病院と在宅のスタッフで退院前カンファが開かれる」という設定で、問題点や解決方法をグループに分かれディスカッション。


Aグループは医学生薬学生と私のスリーマンセル。私は医療者側の意見ではなく家族側の意見しか出てこなそうな存在なので、2人に大いに頑張ってもらった。

途中から数分毎に医師薬剤師訪問看護師作業療法士(OT)言語聴覚士(ST)ケアマネージャーという在宅医療で実際に活躍中のプロが各グループをローテーションしながら、それぞれの専門職の視点からのアドバイスをしてくれる。さすが薬学生は内服薬の量や種類を気にしていたが「増えることは拒まないが変更を嫌う患者もいる」とか「退院時など節目こそ内服薬を見直せるチャンス」など、医師や薬剤師から現場の実情も踏まえた助言をもらっていた。ケアマネージャーからは、自宅で過ごせるよう出費は少なく効率的に様々なサービスを使う工夫のたいへんさを教えていただいた。


最後に、スタッフの皆さんの事前打ち合わせなしの「模擬退院カンファ」を見学。情報を共有し連携することの大切さを感じた。また、患者の家族も参加し、なによりも患者や家族の意向も尊重させていたことが印象的だった。以前に紹介した「離島で研修医やってきました」というマンガでの「患者さんの生活の中に私たちがお邪魔するっていうことなのよね。よかれと思っても安易にその人の習慣を変えるのはとても失礼なのよ」という1コマを思い出した。患者に元気になってもらいたい。しかし本人の意向に反することだけでは良い医療とはならない。複雑なコミュニケーションのもとに在宅医療は行われているんだということを痛感した。

今回のスタッフはご近所の笠間市立病院勤務の方が多かった。こんな頼もしいスタッフが近所で我々の健康を支えてくれているのは頼もしい。今度是非とも院内&訪問診療などを見学させてもらいたい。


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