今日は、つくば国際会議場で行われた「家庭看護力醸成セミナー」なるものに参加。家庭看護力という聞きなれないジャンルだったが、医療対策課の友人(後輩)がシンポジストだったので応援?激励?に。
ここでいう「家庭看護力」とは、家庭で子どもが急に病気になったとき,どのタイミングで病院へ行こうか,それまでの間に何をすればよいか,適切に判断できる力のこと(らしい)。
今回は,小児医療に携わる医師・看護師・行政・子育て世代など,様々な分野からシンポジストが出席し、家庭看護力について議論を行った。主催が日本小児科医会なだけあって、岡山県・新潟県・長崎県など各地から参加していたのもビックリ。
家庭看護力とはいわゆる「トリアージ(緊急度判断)」であり、子どもの様子がおかしいぞ?と思ったら、子どもの第一印象のABC(A:意識・活動性、B:呼吸状態、C:皮膚への循環)で緊急度を評価し、必要な処置に繋げる。
今日、病院内はもちろん救急隊など病院前でもトリアージは行われるようになってきている。セミナー中何十回と出てきた双方向での「共通言語化」というものを家庭にも浸透させ、親が緊急度を的確に判断できるようにすることで、子どもたちが安心して暮らせる社会を作っていこうとしている。
講師の市川光太郎先生のお話では、救急医療の本質は、軽症で受診し、軽症で終わらせることである。特に小児救急医療では「親はわが子の病気は早く治して楽にしてあげたい」という保護者の不安に配慮する必要があるとのこと。
【心に残ったシンポジストのことば】
子どもの急病は変化が速く、初期には予測できない変化が後で見られることもある。第一印象の評価は1回ではなく、反復して繰り返し行う必要がある。
電話相談を受けていると、親は病状についてなかなか説明できないことが多い。病院で「しばらく様子を見てください」と言われてもどの程度、どのように様子を見ればいいか分からない(寝ないでずっと見るの?)。医療側も分かりやすい説明が必要。
日々の子どもたちの様子を注視し、異常が見分けられるようにする。
子どもが発熱するとすぐに心配してしまうが、重要なのは発熱よりもそれによってどのような症状が発生しているか(熱の高さは状態の悪さとイコールじゃない)。
発達段階や個別性に合った健康教育を継続して行くことが家庭看護力の醸成へと繋がる。ただし、子育て中は、育児のための様々な情報にアクセスするだけの余裕がない。必要な親子に支援が受けれるように(届かない人たちへ届ける工夫)。
心配な時は迷わず受診を!けれど学ぶことでその心配は減らすことができる(受診行動が変わってくる)。
【まとめ】
子どもの同じ緊急度を見たとしても表現の仕方は親によって様々だが、共通言語化することが重要。そのため、県や関係団体では「子どもの救急ってどんなとき?」という冊子を作成。発熱・嘔吐時の観察のポイントや「しばらく様子を見ても大丈夫なとき」と「早めに救急外来を受診したほうが良いとき」に分けて様々な症状を掲載。
また「痙攣って言われても、経験がないからどんな状態か分からない」という要望から「けいれんとはこういう症状です」など特殊な症状の説明を記載するなど、一般人にも分かりやすい内容になっている。
今回、初めてじっくり読んでみたけど、子どもに起こり得る病気について、非常に分かりやすく&たくさん記載されている。最近改訂されたばかりらしい。
この冊子をいつどのように渡せば効果的なのか。3~4ヶ月の定期検診時がいいのではとの意見があったが、より効果的に活用してもらえるよう今後も検討していくとのこと。会場からは「看護師だったが、子どもの急変時は混乱し、結果として軽症だったが救急車を呼んだ。「子どもの救急ってどんなとき?」を持っていたら適切な対応が出来ていたかもしれない。より多くの子育て家庭に配布できるようにしてもらいたい」という意見もあった。
「日々の子どもたちの様子を注視し、異常が見分けられるようにする」とのことだったが、これは救命処置でも一緒で、「死戦期呼吸=正常ではない呼吸」を理解するため、まずは正常な呼吸がどんなものなのか家族や自分の呼吸を観察。正常な呼吸時に体がどのような動きをしているのか、ほんの些細な動きであるだろうが注意して観察してみるということを救命士から教わったが、子どもの急変も平常をよく把握した上でのことだと痛感。
同僚が発表するからと行ったセミナーだったが、非常に有意義な内容で大満足。市民も参加可能だったが「家庭看護力」と言われてしまうと多少敷居が高く感じてしまうかもしれない。しかし、一次救命処置と一緒で、これは医療従事者ではなく両親・家族など我々一般人が十分に理解しなければならないものだと思う。関係者の皆様の今後の活躍に期待したい。
【参考】茨城県の小児救急医療支援体制
http://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/iryo/iryo/isei/div/system/child/index.html
ここでいう「家庭看護力」とは、家庭で子どもが急に病気になったとき,どのタイミングで病院へ行こうか,それまでの間に何をすればよいか,適切に判断できる力のこと(らしい)。
今回は,小児医療に携わる医師・看護師・行政・子育て世代など,様々な分野からシンポジストが出席し、家庭看護力について議論を行った。主催が日本小児科医会なだけあって、岡山県・新潟県・長崎県など各地から参加していたのもビックリ。
家庭看護力とはいわゆる「トリアージ(緊急度判断)」であり、子どもの様子がおかしいぞ?と思ったら、子どもの第一印象のABC(A:意識・活動性、B:呼吸状態、C:皮膚への循環)で緊急度を評価し、必要な処置に繋げる。
今日、病院内はもちろん救急隊など病院前でもトリアージは行われるようになってきている。セミナー中何十回と出てきた双方向での「共通言語化」というものを家庭にも浸透させ、親が緊急度を的確に判断できるようにすることで、子どもたちが安心して暮らせる社会を作っていこうとしている。
講師の市川光太郎先生のお話では、救急医療の本質は、軽症で受診し、軽症で終わらせることである。特に小児救急医療では「親はわが子の病気は早く治して楽にしてあげたい」という保護者の不安に配慮する必要があるとのこと。
【心に残ったシンポジストのことば】
子どもの急病は変化が速く、初期には予測できない変化が後で見られることもある。第一印象の評価は1回ではなく、反復して繰り返し行う必要がある。
電話相談を受けていると、親は病状についてなかなか説明できないことが多い。病院で「しばらく様子を見てください」と言われてもどの程度、どのように様子を見ればいいか分からない(寝ないでずっと見るの?)。医療側も分かりやすい説明が必要。
日々の子どもたちの様子を注視し、異常が見分けられるようにする。
子どもが発熱するとすぐに心配してしまうが、重要なのは発熱よりもそれによってどのような症状が発生しているか(熱の高さは状態の悪さとイコールじゃない)。
発達段階や個別性に合った健康教育を継続して行くことが家庭看護力の醸成へと繋がる。ただし、子育て中は、育児のための様々な情報にアクセスするだけの余裕がない。必要な親子に支援が受けれるように(届かない人たちへ届ける工夫)。
心配な時は迷わず受診を!けれど学ぶことでその心配は減らすことができる(受診行動が変わってくる)。
【まとめ】
子どもの同じ緊急度を見たとしても表現の仕方は親によって様々だが、共通言語化することが重要。そのため、県や関係団体では「子どもの救急ってどんなとき?」という冊子を作成。発熱・嘔吐時の観察のポイントや「しばらく様子を見ても大丈夫なとき」と「早めに救急外来を受診したほうが良いとき」に分けて様々な症状を掲載。
また「痙攣って言われても、経験がないからどんな状態か分からない」という要望から「けいれんとはこういう症状です」など特殊な症状の説明を記載するなど、一般人にも分かりやすい内容になっている。
今回、初めてじっくり読んでみたけど、子どもに起こり得る病気について、非常に分かりやすく&たくさん記載されている。最近改訂されたばかりらしい。
この冊子をいつどのように渡せば効果的なのか。3~4ヶ月の定期検診時がいいのではとの意見があったが、より効果的に活用してもらえるよう今後も検討していくとのこと。会場からは「看護師だったが、子どもの急変時は混乱し、結果として軽症だったが救急車を呼んだ。「子どもの救急ってどんなとき?」を持っていたら適切な対応が出来ていたかもしれない。より多くの子育て家庭に配布できるようにしてもらいたい」という意見もあった。
「日々の子どもたちの様子を注視し、異常が見分けられるようにする」とのことだったが、これは救命処置でも一緒で、「死戦期呼吸=正常ではない呼吸」を理解するため、まずは正常な呼吸がどんなものなのか家族や自分の呼吸を観察。正常な呼吸時に体がどのような動きをしているのか、ほんの些細な動きであるだろうが注意して観察してみるということを救命士から教わったが、子どもの急変も平常をよく把握した上でのことだと痛感。
同僚が発表するからと行ったセミナーだったが、非常に有意義な内容で大満足。市民も参加可能だったが「家庭看護力」と言われてしまうと多少敷居が高く感じてしまうかもしれない。しかし、一次救命処置と一緒で、これは医療従事者ではなく両親・家族など我々一般人が十分に理解しなければならないものだと思う。関係者の皆様の今後の活躍に期待したい。
【参考】茨城県の小児救急医療支援体制
http://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/iryo/iryo/isei/div/system/child/index.html