この項はチェルノブイリと福島のヨウ素の被曝量の比較です。
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- 今回も先にまとめ -
・今回のヨウ素由来での甲状腺がんの可能性は極めて小さい。
・多少の異常・疾患の可能性は否定できないので要観察。
・他の要因による甲状腺がんの可能性は当然一定レベルある。
以下その根拠となる調査結果です。
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まず、甲状腺の場合は基準数値が違うので要注意。
一般公衆1mSv/y、で比べないように。
健康影響の予防策をとる国際的な目安:50mSv
ジェラルドカーティス氏の研究では800mSv~1,000mSv辺りが発症ライン(参考)。
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'11 11/19 読売
札幌医大の高田純教授(放射線防護学)の調査。18日に神戸市内で開かれた日本放射線影響学会で発表(←学会で発表した調査、というのが重要)。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111119-OYT1T00053.htm
浪江町避難所にて '11 4/8、4/9
18歳~60歳代計40人 3.6~7.8 mSv 平均約 5 mSv
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朝日'12 3/9 甲状腺被曝、最高87ミリシーベルト 50ミリ超も5人
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201203090004.html
弘前大学被曝医療総合研究所の床次眞司教授らが分析。
'11 4/11~16、
福島県浜通り地区から福島市に避難してきた48人と、
浪江町津島地区に残っていた住民17人が対象
甲状腺内の放射性ヨウ素の濃度、8割近い50人からヨウ素が検出。
この実測値から、事故直後の3/12にヨウ素を吸い込み、被曝したという条件で甲状腺の内部被曝線量を計算。
34人 20 mSv 以下
子供の最高値 47 mSv
5人 50 mSv 超
最高 87 mSv 事故後浪江町に残っていた成人(実質は計算上)
77 mSv 避難前浪江町津島地区に2週間滞在
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'12 2/21 朝日 いわき市、川俣町、飯館村の子供1080人を測定
最高値 35 mSv
http://www.asahi.com/national/update/0221/TKY201202210684.html
'11 3月下旬 政府公表
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チェルノブイリ周辺 数千 mSv ~ 最大 50000 mSv
チェルノブイリの初期被曝による甲状腺等価線量
ベラルーシ 0.37~0.034 Gy。平均値 1,300 mSv
最高値はベラルーシで10.2Gy ロシアで5.2Gy。
整理しますね。
基準値50ミリ超えは計1170人中5名
現在の警戒区域に一定期間留まってた方にほぼ限られる。
子供で最高47ミリ。基準値超えはなし。
チェルノブイリ周辺は1000ミリ単位以上。
毎度ですが、基準値というのは相当に低い所に設定されているので、
少々超えたところで影響が出ることは考えにくい。
チェルノブイリ周辺のような甲状腺がんの多発は相当に可能性が低い。
ただし、後天的な影響(単純な体調やほかの要因、ストレスなど)が伴っての甲状腺の異常、疾患の表れは可能性としてあるので、要観察要フォロー。
数値の高い人は原発周辺地域に、一定期間とどまってたケースなので、
県外の人が影響を受けている可能性は相当に低い。
また、半減期8日なので既に被曝は終わっている話。
今後増える可能性はなし(当然他の事故等が今後あれば別です)。
- 今回の検証の条件 -
・チェルノブイリの事故による小児甲状腺癌の増加については、線量と癌死(あるいは癌化)リスクとの関連が十分に定量化ができていない状態。
・福島の事故後は周辺が混乱してきっちりとした検査ができていない。
ので、チェルノブイリと福島の量的な比較検証にとどまる、という話になります。
参考資料。
チェルノブイリの甲状腺等価線量と福島の比較
http://togetter.com/li/270492
'11 3/25 朝日
子供の甲状腺被曝「問題ないレベル」 福島・川俣で調査
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103250126.html
'11 4/2 朝日
甲状腺被曝検査、福島の子ども946人「問題なし」
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104020327.html
'11 8/17 朝日
福島の子ども、半数近くが甲状腺被曝 政府調査で判明
http://www.asahi.com/national/update/0817/TKY201108170394.html
'11 10/9 朝日
子どもの甲状腺検査始まる 36万人に生涯実施 福島県
http://www.asahi.com/national/update/1009/TKY201110090195.html
とりあえず乳児なので基本的には海藻を多く摂取はしてないでしょうね。これについては私はデータがないのでなんとも言えません。
どちらにしろあと二、三年である程度の結論は出るでしょう。
ちなみに、乳児も平均的日本人と同じで天然ヨウ素を十分摂取しているとお考えですか?
> ドイツ原発作業員は年間0.9msvですから
適正な数値だと思います。日本の原発作業員は年間0.6mSv程度ときいています。
ドイツ放射線防護協会は国際合意が取れていないし、日本では採用されていないので法的根拠にはなりません。付け加えるとドイツ政府にも採用されていません。
> 原発事故の場合には、同第49条によれば、甲状腺線量は150mSvまで許容されるが、これはいわゆる実効線量7.5mSvに相当する(*8)。
甲状腺線量150mSvで実効線量7.5mSvなら健康に影響は出ないので心配要りませんね。
いずれにしても発症ラインからは相当に低いところの話でしかないので、理論上健康に影響はない話に終始していますよ。
> 2001年のドイツ放射線防護令第47条によれば、原子力発電所通常稼働時の甲状腺器官線量の限界値は年間0.9mSVであるが、上に述べたような日本のほうれん草をわずか100g摂取するだけで、すでに何倍もこの限界値を超えることになる。原発事故の場合には、同第49条によれば、甲状腺線量は150mSvまで許容されるが、これはいわゆる実効線量7.5mSvに相当する(*8)。