給食にセシウム汚染シイタケ 岡崎の幼稚園
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012040590223747.html
中日新聞4/5 「愛知県豊橋市保健所は5日、改定前の国の暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)の2・8倍に当たる1400ベクレルの放射性セシウムを検出した茨城県産干しシイタケが、愛知県岡崎市内の幼稚園の給食に使われたほか~ 」
の件。
「えー幼稚園児が1,400なんとかとか放射性物質食べちゃったの!」
って読んだ人、教室に残ってください。
はい。いまから補習します。
まず、ニュースによると、
「1,400bq/kgの干しシイタケ2kgを、職員・園児合わせて528人で食べました。」
という話です。
てことは単純計算で、2,800bq/2kgを、528人で割ってみます。
2,800bq÷528人=ひとりあたり5.3bq
5.3bq ≒ 0.0000015μg (=0.0000000000015g)
実際は調理の過程でも減るので2~5bqくらいちゃうかって話。
1400ベクレルって書くと多いんちゃうかと思う人
以下復習してください。
セシウム137 1bq ≒ 0.0000003μg = 0.0000000003mg = 0.0000000000003g
ヨウ素131 1g ≒ 4600Tbq (テラ=兆ベクレル)
セシウム137 1g ≒ 3.21Tbq
セシウム134 1g ≒ 47.6Tbq
[資料]セシウムの致死量についての考察。
セシウム0.1mgとして、
3.21億bq→実効線量は4Sv程度になる。
4Svを一度に浴びれば50%の人が死ぬと言われます。
しかし、一度に経口摂取した場合について↓
預託実効線量(実効線量)http://t.co/bN5Msxe
放射性物質を体内に取り込んでから50年間に受ける放射線の総量のこと。決して一度に浴びる放射線の量のことではない。
0.1mgのCs137を経口摂取
→ 最初の1ヶ月で 1Sv、
→ 次の1ヶ月で 0.8Sv、
とCs137の半減期と共に徐々に少なくなる。そしてほぼ0になるまでを全部足した数値が4Svということ。これが預託実効線量。
~とりあえず、セシウム137:0.1mgは危険だけど致死量とまでいかない。
以上目安として。
幼稚園児ひとりが食べた量は「多く見積もって」
0.0000015μg ( = 0.0000000015mg)ね。
ややこしい?
なら、例えばさ、しょうゆや塩1gで死ぬことはないけど
1リットル、1kgをイッキに摂取してみたらどう?
って話と考えてみましょう。
補足しとくと、セシウム137は100日ほどで体外に排出されます。
何年も体内にたまるわけじゃないので安心していいです。
3億bqとかイッキ摂取の場合は全部100日で出るかどうかわかんないけど。
現実的にはありえないのでまあいいや。
次。
干しシイタケ1,400bq/kgとして。
実際食べるときって水戻しするよね。
水戻ししたシイタケは実質250bq/kg程度になります。
「1kgあたり」ね。250bq。
シイタケって一回どのくらい食べる?
年間ではどのくらい食べる?
1kgあたり250bqのシイタケで3億bq摂取しようと思ったら、
12000t (=1200万kg) くらい食べる計算になる。
干しシイタケのままならもっと少なくて済むけど、
干しシイタケの状態を何キロもボリボリ食べる悪趣味な人いますか?
幼稚園児を放射能で殺すなら
このシイタケで12000t以上イッキに食べさせなければなりません。
↑ってなんでこんなバカな話いちいち書くかって、
そりゃ1bqでも食べさせるなんて子供を殺す気かって
本気で言う人が本当にいるからです。
そう。バカな話なのよ。わかるでしょ。
これとは違うニュースで、
食品新基準(100bq/kg)を超える141bq/kgが検出されて出荷停止になったニュースとかもあります。
この件の1/10ね。
てことは、致死量は12万トンを「一度に」摂取、以上ですね。
そら体重の何万倍以上食べたら放射能も食材も関係なく死ぬやん。
食品新基準100bq/kg、高すぎるっていう人いますか?
まあお米とか、毎日のように食べるものならこのくらい厳しくてもいいとしようよ。
年間何キロも食べるものってほかどれだけある?
もともと食品の基準値って、どのくらい食べられるものかで
食材毎に違った数値になってたもの。
しょっちゅう食べないものは世界でも数百~数千bqって設定になってます。
ちなみに世界一厳しいと言われるベラルーシで
乾燥きのこの基準は2,500bq/kgです。
乾燥きのこで141bq/kg、水戻しで食べるなら25bq/kg程度。
これで出荷規制されたら国内のシイタケ産業壊滅するね。
そうしたら日本には中国産のシイタケくらいしかなくなるね。
私は年に何キロも食べないシイタケが250bq/kg程度なら
普通に買って食べるよ。
どういう作業してるかわかんない中国産の方が不安なんですけど。
ちょびっとセシウム入ってる日本のシイタケと、
品質も安全性もほんまに大丈夫?っていう中国産。
どっちがいいですか。
現実的に放射能の向き合うってこういうことだと思うんです。
もひとつ。
簡単に紹介すると、この幼稚園は園児の安全を考えて
積極的に取り扱う食材の検査をしていたので、
発覚が早かったのです。
ずっと食べ続けていたのではなく、一食分食べた段階でストップできた。
問題ないところでちゃんとわかってよかったね、というだけの話です。
「1,400なんたらもの汚染食材を園児に食べさせるなんてサイアクの幼稚園だ」って思った人、要反省。
↑ネットで「幼稚園が」叩かれまくってましたから。呆れるわほんま。
最後に。
今の日本では現実的に放射能汚染と付き合っていかないといけません。
徹底したゼロリスクは現実的には不可能です。
ただし、ゼロは無理でも実際はほとんど無視していいレベルです。
しょうゆも塩も砂糖も
酸素も二酸化炭素も水も
量によっては猛毒です。人を殺せます。
なら今自分の行動範囲の放射能が
どのくらいの量で、どのくらいの影響なのか。
不安だというならそれをちゃんと知ることが大事です。
今朝みつけたツイートを紹介します。
「そういえば、これ思いっきり地元だったんだけれど、今朝の会話は(小僧)「で、危険なの?」(母)「問題ないよ。一人分何ベクレルか計算してみ?」「だよねえ。。」だった」
ホントのとこがどういう話かわかってもらえたかしら。
以上補習おわり。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012040590223747.html
中日新聞4/5 「愛知県豊橋市保健所は5日、改定前の国の暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)の2・8倍に当たる1400ベクレルの放射性セシウムを検出した茨城県産干しシイタケが、愛知県岡崎市内の幼稚園の給食に使われたほか~ 」
の件。
「えー幼稚園児が1,400なんとかとか放射性物質食べちゃったの!」
って読んだ人、教室に残ってください。
はい。いまから補習します。
まず、ニュースによると、
「1,400bq/kgの干しシイタケ2kgを、職員・園児合わせて528人で食べました。」
という話です。
てことは単純計算で、2,800bq/2kgを、528人で割ってみます。
2,800bq÷528人=ひとりあたり5.3bq
5.3bq ≒ 0.0000015μg (=0.0000000000015g)
実際は調理の過程でも減るので2~5bqくらいちゃうかって話。
1400ベクレルって書くと多いんちゃうかと思う人
以下復習してください。
セシウム137 1bq ≒ 0.0000003μg = 0.0000000003mg = 0.0000000000003g
ヨウ素131 1g ≒ 4600Tbq (テラ=兆ベクレル)
セシウム137 1g ≒ 3.21Tbq
セシウム134 1g ≒ 47.6Tbq
[資料]セシウムの致死量についての考察。
セシウム0.1mgとして、
3.21億bq→実効線量は4Sv程度になる。
4Svを一度に浴びれば50%の人が死ぬと言われます。
しかし、一度に経口摂取した場合について↓
預託実効線量(実効線量)http://t.co/bN5Msxe
放射性物質を体内に取り込んでから50年間に受ける放射線の総量のこと。決して一度に浴びる放射線の量のことではない。
0.1mgのCs137を経口摂取
→ 最初の1ヶ月で 1Sv、
→ 次の1ヶ月で 0.8Sv、
とCs137の半減期と共に徐々に少なくなる。そしてほぼ0になるまでを全部足した数値が4Svということ。これが預託実効線量。
~とりあえず、セシウム137:0.1mgは危険だけど致死量とまでいかない。
以上目安として。
幼稚園児ひとりが食べた量は「多く見積もって」
0.0000015μg ( = 0.0000000015mg)ね。
ややこしい?
なら、例えばさ、しょうゆや塩1gで死ぬことはないけど
1リットル、1kgをイッキに摂取してみたらどう?
って話と考えてみましょう。
補足しとくと、セシウム137は100日ほどで体外に排出されます。
何年も体内にたまるわけじゃないので安心していいです。
3億bqとかイッキ摂取の場合は全部100日で出るかどうかわかんないけど。
現実的にはありえないのでまあいいや。
次。
干しシイタケ1,400bq/kgとして。
実際食べるときって水戻しするよね。
水戻ししたシイタケは実質250bq/kg程度になります。
「1kgあたり」ね。250bq。
シイタケって一回どのくらい食べる?
年間ではどのくらい食べる?
1kgあたり250bqのシイタケで3億bq摂取しようと思ったら、
12000t (=1200万kg) くらい食べる計算になる。
干しシイタケのままならもっと少なくて済むけど、
干しシイタケの状態を何キロもボリボリ食べる悪趣味な人いますか?
幼稚園児を放射能で殺すなら
このシイタケで12000t以上イッキに食べさせなければなりません。
↑ってなんでこんなバカな話いちいち書くかって、
そりゃ1bqでも食べさせるなんて子供を殺す気かって
本気で言う人が本当にいるからです。
そう。バカな話なのよ。わかるでしょ。
これとは違うニュースで、
食品新基準(100bq/kg)を超える141bq/kgが検出されて出荷停止になったニュースとかもあります。
この件の1/10ね。
てことは、致死量は12万トンを「一度に」摂取、以上ですね。
そら体重の何万倍以上食べたら放射能も食材も関係なく死ぬやん。
食品新基準100bq/kg、高すぎるっていう人いますか?
まあお米とか、毎日のように食べるものならこのくらい厳しくてもいいとしようよ。
年間何キロも食べるものってほかどれだけある?
もともと食品の基準値って、どのくらい食べられるものかで
食材毎に違った数値になってたもの。
しょっちゅう食べないものは世界でも数百~数千bqって設定になってます。
ちなみに世界一厳しいと言われるベラルーシで
乾燥きのこの基準は2,500bq/kgです。
乾燥きのこで141bq/kg、水戻しで食べるなら25bq/kg程度。
これで出荷規制されたら国内のシイタケ産業壊滅するね。
そうしたら日本には中国産のシイタケくらいしかなくなるね。
私は年に何キロも食べないシイタケが250bq/kg程度なら
普通に買って食べるよ。
どういう作業してるかわかんない中国産の方が不安なんですけど。
ちょびっとセシウム入ってる日本のシイタケと、
品質も安全性もほんまに大丈夫?っていう中国産。
どっちがいいですか。
現実的に放射能の向き合うってこういうことだと思うんです。
もひとつ。
簡単に紹介すると、この幼稚園は園児の安全を考えて
積極的に取り扱う食材の検査をしていたので、
発覚が早かったのです。
ずっと食べ続けていたのではなく、一食分食べた段階でストップできた。
問題ないところでちゃんとわかってよかったね、というだけの話です。
「1,400なんたらもの汚染食材を園児に食べさせるなんてサイアクの幼稚園だ」って思った人、要反省。
↑ネットで「幼稚園が」叩かれまくってましたから。呆れるわほんま。
最後に。
今の日本では現実的に放射能汚染と付き合っていかないといけません。
徹底したゼロリスクは現実的には不可能です。
ただし、ゼロは無理でも実際はほとんど無視していいレベルです。
しょうゆも塩も砂糖も
酸素も二酸化炭素も水も
量によっては猛毒です。人を殺せます。
なら今自分の行動範囲の放射能が
どのくらいの量で、どのくらいの影響なのか。
不安だというならそれをちゃんと知ることが大事です。
今朝みつけたツイートを紹介します。
「そういえば、これ思いっきり地元だったんだけれど、今朝の会話は(小僧)「で、危険なの?」(母)「問題ないよ。一人分何ベクレルか計算してみ?」「だよねえ。。」だった」
ホントのとこがどういう話かわかってもらえたかしら。
以上補習おわり。
※事実誤認等の指摘は受けますが、
議論やトピック外のコメントは基本受け付けません。
予告なく削除する場合があります。ご了承ください。
仰る通りですね。報道の仕方はかなり問題ありかと思います。報道も政府も、基準値というものがどういうレベルで設定されてるかをちゃんとアナウンスできないといけない。ただでさえ政府もメディアも不信な今、ただ「安全」とか「影響ない」と言うだけじゃだめだと思います。
まあ騒いでるのは少数派ですし、そんなことで世界に誇る東北の名産品が壊滅したりしないと思います。あとは良識ある消費者が支えていくことですね。