治験というのを初めてやってみた。
「治験ってなに?」って人のために簡単に説明すると、製薬会社等が新しい薬剤を開発した際に臨床データーを集めるために、実験台になる人を雇い試験をすることである。
協力費が欲しいわけ。
会社の仮払いの清算が滞っているのと、テニスラケット欲しさに色々と探してみたが、大概がデブか高血圧向けの薬の治験ばかり。
花粉症のもあったけれど、その他のアレルギー持ちでもあるので資格がなかった。
で、結局資格があったのは何の治験かというと、スキン、つまりコンドームだ。
もちろん、「スキンを渡されて自由に使って感想を教えてね♪」などというわけもなく、パートナーがいなければならない。
特定のパートナーとともに登録して、数回足を運んで検査やリサーチを行うのだ。
それで最後に二人合わせてウン万円也!
期間中は別な異性(同姓)と性交渉を持つことは許されない。
都合4回の性交渉を持って、結果を報告せねばならない。
会社の仲のいいOLをパートナーとして共に登録した。
と、書きたいところだが、大嘘でパートナーはカミサン。
嫌がるのを説き伏せた。
「大丈夫だって。別に変な薬を飲まされるわけじゃないしさ、何回か行って***振りをして適当に答えりゃいいんだよ」って。
何故か協力費の取り分は1/3になってしまったが、まあいいだろう。
郵送されてきた書類に目を通し、記載事項を書き込んで指定の日に指定のとある病院に赴く。
そこで何がしかの選定方法を持って振り分けられ、後日合格通知が送られてくる寸法だ。
どのくらいの時間が掛かるかわからず、しかも平日なので会社はサボり。
(数日に分け実施したらしい)
いるわ、いるわ...。
ヘンなカップルばっかり!
どう見ても旦那が無職でカミサンがパートタイマーのの夫婦。
バンドマン崩れが嵩じて人生崩れになってしまったような風貌。
外国人はダメだってのに、東南アジア人の女性を同伴するヒモ風の男。
最初の申し込み時の名前はどうしたんだろうかと今でも不思議...。
男女ともに作業着を着た、ずっと口論している厳ついカップル。
水商売風の男性と職業当てクイズなら鉄板でキャバ嬢間違い無しの女性とのカップル。
どれもこれも社会不適合者としか見えない連中ばかり。
付き合いだしたばかりらしき、学生風のカップルと自分等が妙に浮いている。
もしかしたら、自分達も周りから見たらヘンに見えたかもしれないが。
「妊娠しても構わないか?」等の質問と試験の目的を教えてもらう。
簡単な説明を受け、心電図、血圧、血液採取の後には交通費を貰って開放された。
治験の内容は他言無用につき、ここで目的を書いてしまうとバレバレなのであえて伏せておく。
翌日連絡が来て、結果は合格だった。
二回目からは3日に渡って分けた上に人数も減っていたので時間も掛からなかった。
そこで、スキンを渡される。
2回分+予備だ。
当たり前だが使用後の現物は返却しなくてもよい。
但し、箱や(トラブルが発生せずに使用しなかった限り)予備は返却しなくてはならない。
自宅に持ち帰り、調査書類を開くと色々と使用状況と結果を記載するようにはなっているが、なにか問題が無ければ選択式に丸をつけるだけ。
性交渉の方法蘭に膣内の他に『肛門、オーラル、手』等があり、笑いを誘う。
試験の内容から察するに、膣内以外でも試験になるのかが不思議でならない。
また他に“パートナー以外と期間中に性交渉をしてしましたか?”、“それは異性ですか同性ですか?”などという教会の懺悔のような質問があって笑わせてくれる。
まぁ、なんにせよ***振りをして簡単に書ける内容だ。
次回から数回足を運び、その度に血液採取を行った。
人が減ってくると、他のカップルの顔も覚えてきて面白い。
時間も平日ではあるが、すぐ終わるので男性の服装でちゃんと仕事してるんだなとか判ったり。
子供を連れてきてたり。
ちょろくお金をもらえるのは良かったけれど。
なんか、血を売って金を貰ったような感じ...。
それにしてもうちのカミさんじゃどんなに説得してもOKくれないな。ほかに誰かいるわけもなし…あ、隣の奥さん!(笑
それにしても取り分が半分じゃなくて1/3になったのは何でだ?
それは相手がタフ・ネゴシエイターだったからです...。