瞬刊★差楽部

ジャンルに特筆しない雑記です( ´,_ゝ`)

衝突を恐れるな

2006-06-09 11:21:01 | 社会

出張先のホテルでビールを片手にテレビを観ていたらNHKでプロフェッショナルという番組が始まった。
どうやらプロジェクトXの後釜番組らしい。

今回取り上げる“プロフェショナル”は当たり前だがアマチュアである清水商業高校サッカー部、そこの大瀧雅良監督という人物。
スポーツに限らず、演劇からなにからアマチュアが成すものを観るのが大嫌いだ。
そのアマチュアがその分野の最高峰であるなら話は別だが。
高校野球など下手糞すぎて観る気も起きない。
人それぞれだが、最高峰のプロ野球があるんだからそっちを見たほうが何億倍もマシだと思う。

して、大瀧という監督。
いままでに日本代表選手を13人も育てたと紹介されていた。
13人だよ!13人!
言い方は悪いけど、たかだかサッカー部顧問の教師がさ!?
今回のワールドカップのメンバーにも教え子が3人いる。
川口、小野、田中。

うがった見方をすると、代表クラスのサッカー選手なんて高校に入ってくるときには既に大輪の花が咲いた状態でつぼみで入ってきたのを花開かせたなんてことがあろうはずもない。
しかし、番組で13人を育てたと紹介されることに意を唱えなかったわけだから、監督本人にも育てたという自負があるのだろう。
番組に集中する。

何度も言うが、大滝監督はいち高校教師である。
みているとちゃんとコーチがいたりする。
では監督はなにをするかというと、ただ観ているのだ。
グラウンドの隅に置いた椅子に腰をかけ、ずっと練習を見続ける。
気になる選手がいれば呼びつけて質問をぶつける。
とにかく相手に考えさせるのだという。
教えたことは忘れるが、自分で導き出した答えは忘れない。

カメラが練習中のいざこざを映した。
一人の選手が、他の選手に決まりごとを無視した動きをしたからという理由で食って掛かり、“NHKで放送していいものか?”と視聴者が心配してしまうぐらいの剣幕で蹴り飛ばし、突き飛ばす。
やられた方もすぐに掴みかかる。
周りの選手が止めて事なきを得たが、手を出して問題を起した生徒が雰囲気を壊してしまったと悔やんでいるところを呼びつけた。
理由を問いただす。
掛けた声は「衝突を恐れるな」
驚いた...こんな指導者、しかも教師がいるのかと。
川口と小野が恩師について思い出を語ったが、何故こうも慕われるのかがわかった。

こちらの浅はかな考えを諭すがごとく、大滝監督自身が日本を代表するような選手になるものは高校に入ってくる時点で技術的には完成されていると言った。
監督は花を開かせたのではなく、大輪の花がより美しい姿を成すように肥料を投じているわけだ。

大滝監督は「教師の仕事は教えることではなく考えさせること」と述べた。
衝突を起そうが、それは生徒が自分で考えて導き出した答え。
正しければ貫けというわけだ。

--- 衝突を恐れるな ---
--- 教えることではなく考えさせる ---

高校生を対象とした野球の統轄組織であるにもかかわらず、高校野球連盟といういち財団法人が牛耳る高校野球。
高校野球は、通称インターハイ、全国高等学校体育連盟に属さないのだ。
つまり、体育の授業の延長である部活動からは逸脱しているわけである。
野球はプロになってまでも管理野球などと言う言葉があるように管理され、衝突を許さない。
ただ、野球の醍醐味のひとつが不自由が生み成す潔癖なまでの規律性であることは明白なので否定はしない。
そして、サッカーの自由性は衝突を許すところにあるのかもしれない。
しかし、自由であることが如何に不自由なのかは計り知れない。

--- 衝突を恐れるな ---
--- 教えることではなく考えさせる ---

サッカーが世界中のファンを魅了してやまないのは、個が衝突を繰り返し、ひとつの大きな塊と成した姿が神々しいまでに美しいからに他ならない。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
urlを開け! (uzi)
2006-06-14 23:32:29
http://www.youtube.com/watch?v=SbY0Jh9_RJ8&feature=Favorites&page=2&t=t&f=b



タイトルを読んでこういうことかと思った....

返信する
uziさんならできる!! (馬之助)
2006-06-15 09:14:35
 ↑ ↑ ↑

これすげぇーよ!!

ヤラセでもできねぇーよ!!



今度是非挑戦してみてください。

ただし、あたしが乗ってない時にね。
返信する