瞬刊★差楽部

ジャンルに特筆しない雑記です( ´,_ゝ`)

アルケミスト

2005-01-24 13:10:42 | 音楽

幕張のアウトレットモールに5歳になる息子とアディダスのシューズを買いに出かけた。
建物に入るとすぐに演奏が聞こえてきて、イベントでライブをやっているのがわかった。
音のするほうに向かったわけではないのだが、たまたまアディダス・ショップへ行くために階段を上がったところが丁度ステージになっており、隻腕のヴォーカリストがマイクを握っていた。

急いでいたのだが子供が立ち止まってしまったので、中頃に差し掛かっている1曲だけ聞いていくことにした。
しかし、普段はおしゃべりな子なんだが、もう言葉を発するのも忘れてしまうように聞き入ってしまったので、結局ベンチに座って結果最後の曲だったのだが、次の曲も拝聴することになった。


階段を上る前から伸びのあるヴォーカルとシンプルながらセンスよく、美しいメロディーが聞こえていたが、演奏するメンバーを見て驚いた。
地味な風采のメンバーで、アコースティックな印象ながらキラキラと輝くような華やかさを持つ楽曲とイメージがダブらなかったからだ。
アルケミスト(alchemist)というバンドだった。
影の薄いボイスパーカッションの男性もステージに立っていたが、ゲストかなにかだろう。

曲間に少し話を聞いた印象だが、音楽をやることが楽しくて仕方がないという感じだ。
音楽の可能性を信じているからこそ、シンプルな楽曲に関わらず、ああした華やかな演奏を聞かせることが出来るのだろう。
歌詞がユートピア主義的に過ぎて、普通なら青臭く聞こえるようなものだが、すんなりと聞かせてしまうところにヴォーカリストの非凡さがみえる。
遅延した能天気な言葉を羅列する才能のかけらもないアコースティック・デュオが多い中、彼のそれは発する言葉を信じていなければ出せない稀有な魅力だ。

勝手な推測だが、隻腕なために苦労したのだろう。
そのために音楽に出会って自分のヴォーカリスト、作詞家としての才能に目覚めた際の喜びを新鮮なまま保ち続けているのだろう。

また、キーボードが素晴らしい。
バンドの広報ではピアノなのだが、場所柄シンセサイザーを使用していた。
シンセサイザーだと無機質に聞こえがちだが、技術の高さもさることながら、素晴らしくエモーショナルな音を聞かせる。

楽曲は高音域を使ってリフレインを多用するヴォーカルに控えめでメロディアスなピアノが絡むもので、ソウルの影響を感じさせるのだが、ソウルのような絡みつくようなバタ臭さはなく、透明感のあるアコースティックなものだ。
あまり、例を出せないような音を聞かせてくれる。


MCによると、彼等のCDはネット販売、今回のようなイベント会場や駅にあるCDショップでしか買えないという。
大手のCDショップでは扱っていないそうだ。
手に入りづらいからと耳にしないのは勿体ないし、大手のCDショップが販売しないのも酷く勿体のない話だ。

演奏が終わったあとも息子は感動してしまって、話しかけるまで口を開かなかった。


アルケミスト・オフィシャル website

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2 コメント

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知ってました (イルカ)
2005-01-26 11:16:12
この人たちはJR上野駅にある無料でインターネットとかできるコーナーに大きなモニターがあって、そこでよく映像が流されています。

名前は初めて認識しましたが、確かに歌の上手いボーカリストですよね。CD買うか?って聞かれると困りますがね…。何となく流れているのを聞く分には非常に心地よい感じだと思います。
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知ってましたか! (dekayocchi)
2005-01-26 17:27:30
>JR上野駅にある無料でインターネットとかできるコーナーに大きなモニターがあって、そこでよく映像が流されています。



そうか!JR資本ののCDショップと独占的な契約をしているのかもしれませんね。



映像はプロモのもの???

多分、パッケージングされた音よりも、ライブのほうが数段魅力的なデュオだと思います。



僕はあまりアコースティックな音楽は好みではない(ソウル好きなんで)のですが、なかなか気に入りました。

2曲しか聴いていないので、平均的な楽曲の出来不出来はわからないんですけどね...。



タケノコのようにテレビに出没する(最近は馬鹿ちん、似非ヒップ・ホップ連中の方がブームのようですが)フォーク・デュオなんぞと違って実力はあるので、後は「売り方かなぁ」と思います。

売り出し方次第で、メジャーになれる器だと思いますよ。

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