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OYAMA CROSSROAD BLUES

mimi-tab.社長の妄想迷走奔走日記

Merrill と Martin OM45 Deluxe

2014-10-18 09:09:57 | ギター
先日MartinとMerrillのOM-45デラックスモデルを同時に弾くという幸運に恵まれた。Martinはカスタムオーダーされたもので木目がワイドなアディロンダック・スプルーストップ、ダイナミックな杢目のマダカスカル・ローズウッドのサイドバック。にかわ接着で、ブレイシングはGEモデルと同じということだった。一方のメリルはとても目の詰まったアディロンダックスプルーストップ、今どきこんな物があるのかというくらい柾目のハカランダ(ブラジリアンローズウッド)サイドバック。にかわ接着。いつものようにブレーシングは30年のOMを元に製作しているようだ。オリジナルはBanjoペグが付いているのだけれど二台とも彫金が施されたゴールドのウェバリーが付いていた。

この二台は同じモデルなのだけれどもサウンドは違うし実はルックスも相当違っている。サウンドはMartinは”濡れて”いてエロい。しっとりとした大人の音。レンジが広くあくまで美しい。とても高級な音だ。それに対するMerrillは乾いた音。そしてパワフル。レンジは勿論広いけれど余分な音が削ぎ落とされたいわゆるビンテージサウンド。反応が早いのはハカランダ故か。高級というよりはかっちょいい音だ。またメリルは抱えるととにかく重量が軽い。以前読んだインタビューだと他のルシアーよりシーズニングで乾燥させているという感じではなかったので全体が薄く軽く作られているのであろう。反応の早さや鳴りの良さ(完成後日本に着いたその日に弾いたのだがすごく鳴っていた)はその辺にも理由があるのだろう。

ルックスも違う。まず形が簿妙に違う。Merrillの方がボディのくびれの角度が鋭角だ。ヘッドの大きさも違っている。そしてペグの位置が違う。どうやらメリルはオリジナルが付けていたBanjoペグの位置を意識しているようだ。ヘッドのフラワーポットインレイも細部が違っている。ポジションマークやサドルの両端のインレイも微妙だが雰囲気が異なる。そしてブリッジの穴の位置も違うのだ。Merrillは(これはMerrill全般なのだが)穴とサドルの距離がとても短い。なので弦はサドルで90度に近い角度で当たることになる。Martinは距離が取ってあるのでそこまで角度はつかない。ブリッジピンもメリルは太くて溝の切っていないビンテージタイプ、Martinは細身で溝が切ってあるタイプだ。バインディングはMartinが木を入れているのに対してメリルはセルロイドのみ。ピックガードの大きさも中のインレイも違う。Martinは色が濃く小さめのピックガード、メリルは通常モデルに使われている薄いベーコン色で少し大きめ。ピックガードのインレイはメリルはオリジナルを忠実に再現。Martinは何故か全く違うものを採用している。

と言った具合で色々と違う両者。双方ともとても素敵なギターでした。Martinは目の前で弾いてもらうとそのルックスとサウンドの美しさにうっとり。メリルは弾いているそばから”鳴り”がどんどん良くなってきて手放せない、帰りたくないヤバイ状態。勿論おいそれと手を出せる値段ではないけれど聞いたところによると1930年代にわずか14本(!)しか作られなかった本物の1/10のお値段ということ。手に入れられる人が羨ましい。美しいけれどガンガン弾いて欲しいギターでした。至福!



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