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徒然なるままに

子供の頃から活字が好き。読んだ本のこととか日々の暮らしの中で感じたことを綴っていきます。

「一年一組先生あのね」

2006年11月24日 | 今朝の新聞から
このところ毎朝、新聞の訃報欄にわたしの好きな人たちの名前が載ります。
今朝は灰谷さんが・・・
灰谷さんも小学校教師でした。

鹿島先生が受け持った鹿島学級の子供たちの中にも貧しい暮らしの子供たちがたくさんいました。
また朝鮮人の子供もいました。
彼は子供たちに作文を書かせました。
作文のなかから子供たちの表現の素晴らしさや感性のすごさを関西弁の面白みとともに灰谷さんが編集して本にしたのが「一年一組先生あのね」です。
この本を読んだのは子供たちが低学年のころ。
やはり作文授業に力を入れていた先生がいて娘も息子も書いたものが地元新聞に「せんせいあのね」(だったか?)に載せていただきました。
この本を読んで今も忘れられない一遍があります。

母親が父親違いの弟を連れて黙って出て行ってしまったことを書いた詩です。
胸がキリキリ痛みました。涙があふれました

灰谷さんは管理教育の現場では思うようにやれなくて自分の無力感にも襲われたのでしょう。
教師を辞めて島で自作の農耕生活を送りながら自分のあらん限りの命を振り絞ってペンで闘いました。
「兎の眼」(国際アンデルセン賞特別優良作品受賞)が有名ですが、私はこの「一年一組せんせいあのね」が一番すごいと思います。

その国の子供たちは社会背景によって育てられます。
彼の弱者に注ぐ目、大きな力に立ち向かう気力。
闘い続けた彼の早すぎた死を悼んでここに弔意を表します。

癌との闘いに敗れたけれどあなたのいき方は書物に厳然と残っていきます。
どうか安らかにお休みください・・・
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