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徒然なるままに

子供の頃から活字が好き。読んだ本のこととか日々の暮らしの中で感じたことを綴っていきます。

青い鳥楽団

2009年10月28日 | 今朝の新聞から
子供のころ、親の口から出る「ライ病」ということばはとても恐ろしい響きを感じさせた。
私が生まれるずっと前から、ライ病患者は親からも引き離され、戸籍さえ抹消され、断種、中絶、辛酸をなめるような隔離生活を送ってきた。
そんなことも、もう10年位前になるのか、当時の厚生大臣が患者に頭を下げたころから知り始めた。
知れば知るほど、どれだけひどいものかと心震える思いがした。

「深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何処にも先はない」と岡山の長島愛正園で生涯を閉じた歌人の明石海人は歌集「白梅」の序文にこう記したという。
今月16日に亡くなった近藤宏一さんは今から70年前にここに隔離された。
過酷な園内労働がたたり失明し、手足にも障害が残ったという。
隔離されて15年、父親が荷物に忍ばせてくれたハーモニカを手に、12人で「身体は不自由でも自分たちの生きがいを求めよう」と「青い鳥楽団」を結成し楽長をつとめた。
残された舌や唇の感覚を頼りに、点字の楽譜をなぞり、切れて楽譜が血で染まったという。

76年までその活動は続き、それから20年、「らい予防法」が廃止されたのを期に講演活動も増えて、ついに05年故郷の土を踏んだ。

「私たちは被害者だったが、敗北者ではなかった」というメッセージと「ふるさと」の合唱は忘れられないと、「悼む」欄のこの方の執筆者、斉藤貞三郎氏は言う。
そして、
「・・・思えば、出会った人にいつも感動と励ましを与えていた近藤さん自身が、青い鳥だったのだ」
と。

朝から感動をもらった。

怒りや愚痴、後悔、そんなことばがつい出てしまうけど、どんな立場に立っても高潔な心を持った人がいると思った。
政府の施策というものの重要性も合わせて思った。

合掌。
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