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徒然なるままに

子供の頃から活字が好き。読んだ本のこととか日々の暮らしの中で感じたことを綴っていきます。

民営化

2006年04月17日 | Weblog

郵政民営化という言葉があけてもくれても毎日メディアから流れてきていたのはついこの前のこと。
予想通りの(反対派は手痛い報復を受けたが)結果となった。
さっそく、「休日の業務は廃止」となるらしい。配達だけかな?
これにより人件費の節約が何億とか。
今までが赤字なら致し方ないけれど、なんだかわからない。
今後はきっと効率を重視して切り捨てられていくことが増えるのでしょう。
ばかばかしいやり取りの氾濫する国会での政治家を見ていて思い出す詩がある

            街

                     与謝野晶子

 遠い遠い処へ来て、
わたしは今へんな夢を見て居る。
へんな街だ、
兵隊が居ない、
戦争をしようにも隣の国がない。
大学教授が消防夫を兼ねて居る。
医者が薬価を取らず、 あべこべに、
病気に応じて、保養中の入費にと 国立銀行の小切手を呉れる。
悪事を探訪する新聞記者が居ない。
てんで悪事がないからなんだ。
大臣は居ても官省がない、
大臣は畑に出て居る、
工場に勤めて居る、
牧場に働いて居る、
小説を作って居る、
絵を描いて居る。
中には掃除車(そうじぐるま)の御者をしている者もある。
女は余計なおめかしをしない、
瀟洒とした清い美を保って、
おしゃべりをしない、
愚痴と生意気を言わない、
そして男と同じ職を執って居る。
特に裁判官は女の名誉職である。
勿論裁判は所は民事も刑事もない。
専ら賞勲の公平を司って、
弁護士には臨時に批評家がなる。
併し長々と無用な弁を振いはしない、
大抵は黙って居る、
稀に口を出しても簡潔である。

それは裁決を受ける功労者の自白が率直だからだ、
同時に裁決する女が聡明だからだ。
また此街には高利貸しがない、
寺がない、
教会がない、
探偵がない、
十種類以上の雑誌がない、
書生芝居がない、
そのくせ、内閣会議も、
結婚披露も、
葬式も、
文学会も、
絵の会も、
教育会も、
国会も、
音楽界も、
踊も、
勿論名優の芝居も、
幾つかある大国立劇場で催して居る。
全くへんな街だ、
わたしの自慢の東京と、 大ちがいの街だ。
遠い遠い処へ来て、
わたしは今へんな街を見て居る。

この詩が明治の女性によってかかれたものだということに驚かされる。
そしてこの詩人の孫が今はこの国の役人である

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