会社員をはじめてから10年くらいたった頃、まわりからの指導を自分なりに咀嚼してビジネス哲学を5つにまとめた。
1.バランスのとれた正義感
2.正しいことを貫く勇気
3.感情を克服した理性
4.人間が感情で動くことを理解するあたたかい人間性
5.ほんの少しユーモアを加味した柔軟性
そしてビジネスの判断の基準を企業が「限りなく発展しつづける」ことができるかどうかに置いてきた。
これが、最近どうもしっくりこなくなった。普遍的な内容ではあるが窮屈になった。自分のあり方にしか考えが及んでいないからだと思う。次なる哲学の模索をしているうち、やはりトルストイの童話に戻るのかと思い始めた。戻るというのは、この5ヶ条をセットアップする前、トルストイの童話のひとつである「イワンのばか」を拠り所としていたからだ。長くなるので省略するが、「イワンのばか」の誤用により破綻をきたしそうになったため、ビジネスの基本を見直して先ほどの5つに集約したという経緯がある。その後この5ヶ条は長い間自分の指針となってきた。会社員として、ビジネスマンとして、道や判断を誤ることのないよい指針だったと思う。が、先にも述べたように、最近の自分の仕事には少し合わなくなってきた。そして最近の私のビジネス哲学は「全員の幸せは矛盾なく成立し得る」にシフトした。当面これで世界に挑戦しようと思っている。この根本がトルストイの童話にある。
トルストイの童話にはたいへん現実的なビジネスの具体例が含まれている。私がよく読むのは岩波文庫の童話集「イワンのばか」だが、収録されている話のうち、粉挽き屋の話や「人にはどれだけの土地がいるか」などは、ビジネスマンだけでなく、企業がどこまで触手を伸ばすか、どこまでを自分たちの守備範囲とするか、仕事を発展させるために信頼できるビジネスパートナーの存在がいかに重要か、の事例そのものだ。本家の「イワンのばか」はさすがに理想論に見えるが、それでも人間が人の間でどう存在するべきかを行動にした場合の事例を示しており、トルストイの見つけた究極の理想世界が今すぐにも実現できるのではないかと錯覚するほど具体的で説得力がある。「全員の幸せは矛盾なく成立し得る」という一見現実離れした哲学が「イワンのばか」を読むと本当に可能な気がしてくる。
1.バランスのとれた正義感
2.正しいことを貫く勇気
3.感情を克服した理性
4.人間が感情で動くことを理解するあたたかい人間性
5.ほんの少しユーモアを加味した柔軟性
そしてビジネスの判断の基準を企業が「限りなく発展しつづける」ことができるかどうかに置いてきた。
これが、最近どうもしっくりこなくなった。普遍的な内容ではあるが窮屈になった。自分のあり方にしか考えが及んでいないからだと思う。次なる哲学の模索をしているうち、やはりトルストイの童話に戻るのかと思い始めた。戻るというのは、この5ヶ条をセットアップする前、トルストイの童話のひとつである「イワンのばか」を拠り所としていたからだ。長くなるので省略するが、「イワンのばか」の誤用により破綻をきたしそうになったため、ビジネスの基本を見直して先ほどの5つに集約したという経緯がある。その後この5ヶ条は長い間自分の指針となってきた。会社員として、ビジネスマンとして、道や判断を誤ることのないよい指針だったと思う。が、先にも述べたように、最近の自分の仕事には少し合わなくなってきた。そして最近の私のビジネス哲学は「全員の幸せは矛盾なく成立し得る」にシフトした。当面これで世界に挑戦しようと思っている。この根本がトルストイの童話にある。
トルストイの童話にはたいへん現実的なビジネスの具体例が含まれている。私がよく読むのは岩波文庫の童話集「イワンのばか」だが、収録されている話のうち、粉挽き屋の話や「人にはどれだけの土地がいるか」などは、ビジネスマンだけでなく、企業がどこまで触手を伸ばすか、どこまでを自分たちの守備範囲とするか、仕事を発展させるために信頼できるビジネスパートナーの存在がいかに重要か、の事例そのものだ。本家の「イワンのばか」はさすがに理想論に見えるが、それでも人間が人の間でどう存在するべきかを行動にした場合の事例を示しており、トルストイの見つけた究極の理想世界が今すぐにも実現できるのではないかと錯覚するほど具体的で説得力がある。「全員の幸せは矛盾なく成立し得る」という一見現実離れした哲学が「イワンのばか」を読むと本当に可能な気がしてくる。