4月16日のマニラ新聞から
比の狂犬病対策
路上うろつく危険な犬。死者は減少、島で集中対策
日本人男性2人が2006年、フィリピン滞在中に犬にかまれ、帰国後、狂犬病を発症して死亡した。
これを機に、比国内の狂犬病問題への不安と懸念が、日本にとどまらず世界各国に広がった。
それを受けて、比政府は07年、飼い犬の狂犬病予防接種や屋外での放し飼いの禁止を義務付けた
共和国法「狂犬病対策法2007」を成立させ、狂犬病撲滅に乗り出した。
比の狂犬病の現状と問題点を検証してみた。
厚生省によると、11年の狂犬病死者数は05年比38%減の219人、10年比でも15%減と
対策の成果が出た。しかし、狂犬病と分からず死亡した事例が相当数あり、実際の犠牲者は
さらに多いとみられる。依然、全土で数多くの犬が路上をうろつき、11年は約32万人が
動物(90%以上が犬)にかまれた。
11年の死者数の上位地域は、1位ルソン地方ビコール地域で26人、2位同地方カラバルソン地域と
ミンダナオ地方ソックサルジェン地域でそれぞれ22人、3位ミンダナオ地方北ミンダナオ地域で20人。
首都圏は7人で、危険な状況に変わりはない。
厚生省は、動物にかまれた患者を適切に治療する動物咬(こう)傷センターが不足する状況を
改善するため、05年の227カ所から、10年には365カ所まで増やした。さらに、各地方自治体に
狂犬病に関する条例の制定を呼び掛け、国民への啓発活動も実施した。
狂犬病を撲滅できない理由として、同省は①対策に消極的な自治体がある②自治体の予算不足で
犬の予防接種ができない③農村部では地元に伝わる民間療法を信じて、
適切な治療を受けたがらない住民が多い④治療費を払えない患者が多い││を挙げている。
厚生省と共同で問題解決に取り組む農務省畜産局によると、比国内の犬は約920万匹で、
予防接種率は約30%と低く、世界保健機関(WHO)が狂犬病の流行しない国・地域とする70%に
遠く及ばない。ビクター・アティエンサ副局長は「国主導で全国的に予防接種を実施したいが、
予算が足らない」といら立ちを隠さない。ワクチンはWHOから1匹分当たり14ペソ(30円足らず)で
購入している、という。
限られた予算内で効率的な成果を上げるため、畜産局は08年から、比較的小さな島を重点に、
予防接種を実施してきた。その結果、ビサヤ地方シキホール、東ネグロス州アポ、
セブ州マラパスクア、同州カモテス、ルソン地方バタネス各島の計5カ所で、狂犬病を根絶できた。
09年からは、国際協力機構(JICA)と協力して、ルソン地方マリンドゥケ、同地方カタンドゥアネス、
ビサヤ地方セブ、ミンダナオ地方カミギン各州で予防接種や住民の啓発活動も展開している。
アティエンサ副局長は「カガヤンバレー地域などルソン地方の農村部には手が回わらない。
路上をうろつく犬が多くて危険だ」と指摘した。
JICAの狂犬病予防計画(供与額約4970万円)の参加者で獣医師の小森邦男氏は
「政府の対策予算は専門病院拡大を急ぐ厚生省に手厚く、農務省に薄い。農務省は
欧米の財団や製薬会社からの支援で、かろうじて予防接種ができている。JICAの狂犬病対策の
支援事業も今年10月で終わるため、その後が心配だ」と話している。
畜産局の調べでは、11年の狂犬病死者数は世界6位で、中国やインド、バングラデシュなどが
比より多い。中国やベトナムなど計5カ国で狂犬病対策の支援事業に携わる小森氏は
「比の犬は放し飼いが多い。発生率の番付では、より高い順位になるのではないか」と述べた。
比政府は、この3月を狂犬病対策強化月間に指定し、各自治体もさまざまな対応策を実施した。
首都圏マカティ市では、獣医課の職員が計10バランガイを回り、飼い犬や飼い猫など
動物1841匹に無料で予防接種した。
マカティ市は、厳しい狂犬病対策の条例を定め、予防接種はもちろん、犬の登録制度や
屋外の放し飼い禁止も定めている。さらに、路上をうろつく犬を、週末を除き毎日、
平均5~10匹捕獲し、3日以内に飼い主が名乗り出ない場合、殺処分する。
その結果、マカティ市では過去5年間、狂犬病による死者の報告がない。
アティエンサ副局長も「最も安全な都市の一つだ。予防接種率も50%を
超えているのではないか」と話した。それでも、11年だけで2668人の市民が
動物(90%以上が犬)にかまれた。
狂犬病ウイルスは、犬に限らず感染したほ乳類の唾液中に存在する。ウイルスは、
傷口から血液に入ることで感染し、潜伏期間は1~3カ月間。小森医師によると、人間も動物も、
発症すれば100パーセントの確率で死亡する。症状は発熱、おう吐、頭痛などに始まり、
筋肉の緊張、けいれん、恐水・風症、昏睡、呼吸まひが起き、死に至る。
WHOによると、狂犬病は世界150カ国・地域以上で発症の報告があり、毎年5万5千人が
死亡している。その95%以上がアジアとアフリカ諸国で、犬にかまれた犠牲者たちだ。(松浦健司)
[2012年4月16日のマニラ新聞から]
本日の日記
2012年 4月16日(月) 午前5時 晴れ 気温26℃ 湿度72%
我が家の前は、サンタロサ~タガイタイハイウェイで有る、ハイウェイと聞けば、広い道路を、
想像するであろうが、見てビツクリ片側一車線の、狭い田舎道なのです、以前から道路の
拡張計画が有るのですが、計画は未定一向に、進む様子も見えない。此の道を右に下ると、
右側には、3人のマリアと云う、精霊の住む山、マリア.マキリン1.130(ラグナ州)が、
やがてサウスハイウェイ有料高速道路の、入口ですが、更に下ると、フィリピン一広い湖の街、
ラグナ州サンタロサです。我が家の前の道を、反対に登ると、左側はパイナップル畑、
その先にはパラスの山が見えるのです。更に進むと右側にはパレンケ、やがて道路はタール火山の、
外輪山道路に突き当たるのです。我が家から此処まで8百m、眼下には世界一低い295mの
タール火山が、フィリピン一深い湖最深部172mのタール湖に、横たわっているのです。
火山島の先の対岸には、Mt.マクロット957m(バタンガス州)が、此のタール湖に
浮かんで見える、タール火山は、お天気が良すぎても、靄や霧が立ち易く、くっきりと見えないのです。
火山島の緑の色まで、綺麗に見えるのは年間、2.3度しか無いと思います。
色々な条件が合致した時だけ何ですね、
我が家から毎日眺める、パラスの山も、タール湖と、ラグナ湖に挟まれているせいか、霧や靄が
立ち易くまた、気流の流れにより、雲も流れて来るのです。いつも雲が邪魔に思えて居るのですが、
朝陽が昇る前、その雲に映され、綺麗に焼ける事も、有るのですね、【笑】
本日も好い一日で有りますように、
デジブック 『我が家の近隣』