プロレス玩具箱

プロレス&格闘技、本と映画を愛する、武闘派文系管理人・りらが、プロ格中心にあれこれ放り込む玩具箱です。同好の士、歓迎。

スカパー観戦記~K-1香港大会

2007-08-05 21:44:19 | 格闘技
 K-1 WORLD GP香港大会のLIVE放送(スカパーのフジ721)が少し前に終わりました。試合結果は既にFEGのサイトに出ているので、簡単な感想をここに載せてもOKかなと。
 …いやー、波乱というべきかどうか、色々とあった大会でした。そもそもはローブローが発端だったので不可抗力のアクシデントだったのに、そこから波及的にどんどんことが複雑になっていって。ここまでこじれるというか影響が出るのも珍しいですねw 最終的には決勝進出予定者が2名とも入れ替わることになっちゃったんだから。

 個人的に、引き込まれたという点でいい試合だと思ったのはアーツVSペタス。感心させられたのはバダ・ハリでした。バダ・ハリは本戦での活躍が本当に楽しみになってきたぞ。
 アジア大会ということで韓国や中国の選手も多かったけど、これはと思うほどの人は私にはいませんでしたな。

 では簡単に各試合の感想。(※オープニングファイトはLIVEでも中継がありませんでした)
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◆リザーブファイト◆
○エルハン・デニス VS キム・ドンウック×
(2R KO)
デニスがローキック中心に攻撃。ドンウックは全然カットができてなくてどんどん腰が引けていって、2Rで完全に嫌倒れという感じでした。

◆第1試合:アジアGP1回戦第1試合◆
○武蔵  VS  パク・ヨンス×
(2R KO)
※武蔵がヨンスの2度にわたるローブローで重いダメージを負ったため、試合をいったん中断して1回戦の最後に1R/ヨンスに減点1の状態から再開※
 
1度目の対戦で2度のローブローを受けてしまった武蔵。2回目は映像で見た感じでも本当にまともに入っちゃってましたね…痛がりよう、というよりもう苦悶、悶絶という様子で、女の私には想像もつかないながら見ていて気の毒としかいいようのない状況でした。与えられた3分間ではダメージが到底回復しないとのことで、間をおいての試合再開。この措置は昨年末のボンヤスキーVSレコのケースと同じですね。
 再開後の試合、2R目に武蔵が左ハイ→左右のパンチを連続して叩き込んで右のフックで見事なKO。ヨンスはまさに糸が切れたようにくたっと足が折れました。その、明らかに意識も失っているであろうヨンスに対し、さらに攻撃をしかける?ような激昂した様子をみせた武蔵。あれは怒りとかではなく、極限まで押さえ込んでいた興奮が一気に噴出してしまって状況がつかめてなかったような感じでした。セコンドが数人がかりで必死に押さえ、落ち着かせてやっと普通に戻ってた。
 これで武蔵は連敗から脱して準決勝進出。いいにつけ悪いにつけ、注目を浴びる星のもとに生まれてしまってるのかもね、彼は。


◆第2試合:アジアGP1回戦第2試合◆
○王強  VS  ランディ・キム×
(2R KO)

試合序盤から積極的にガンガンいく王。ローとインローがビシビシ入ってかなり効いてそうだったし、キムが蹴りを避けようと距離を詰めたり、姿勢が前かがみになるとすかさず膝を叩き込む。結局はその膝で王がKO勝利でした。散打チャンピオンだそうで18歳にしては試合度胸が異様に据わってる王。それと反比例して可愛さや初々しさもないけどねw

◆第3試合:アジアGP1回戦第3試合◆
○藤本祐介  VS  石洪堅×
(3R 判定)

藤本はブンブン丸パンチ、対する石はハイキックと前蹴りを多用するスタイル。1Rめはあまり噛み合わないかなー?という感じでしたが、2R目に藤本が右ストレートでダウンをとり、判定で勝利。

◆第4試合:アジアGP1回戦第4試合◆
○金泰泳  VS  戦闘竜×
(1R KO勝利)
HERO’Sで田村に勝ったからというわけでもないんでしょうが、金はまさに絶好調ですね。戦闘竜に殆ど何もさせないまま、鮮やかな右ハイキックを決めてのKO勝利。

◆第5試合:スーパーファイト
○ピーター・アーツ  VS  ニコラス・ペタス×
(2R KO)

アーツが心身ともに好調だという話だったので、かなり一方的な試合になるかななんて思っていましたが、意外にといっては失礼ながら思っていたよりずっとペタスが良かったです。アーツのプレッシャーに負けずガンガン打ち合って的確なパンチを何度か顔面にヒットさせ、アーツがくらっときたような場面も。2R目からはさらにアーツの攻撃が重たくなって手数も増えたのに、押され気味ながら幾度となく反撃に出ていました。自分から前に出るってこういうことだよというような戦い方を見せてくれた。
しかしガードの上からそのまま吹っ飛ばさんばかりの勢いのあるアーツの右ストレートで、ペタス、まず1度目のダウン。2度目のダウンは右ハイでしたが、完全に振り切ったクリーンヒットで、再生VTR観て怖かったっす…アーツ、強すぎ。強いアーツは相変わらず怖い。
それでもアーツと握手するために、担架に乗せられる前に一度自力で立ち上がったペタス。立派です。ダメージが深刻でないといいのですが。

◆第6試合:アジアGP準決勝第1試合
×藤本祐介  VS  金泰泳○
(2R KO)

藤本は、正道会館の先輩である金とは「やりにくい」というようなことも言ってたらしいですが、それがそのまま試合内容に出てしまったような印象でした。あーもう藤本ダメじゃん、といいたくなるような負け。ここで終わったなと思われたんですが。

◆第7試合:アジアGP準決勝第2試合
○武蔵  VS  王強○
※王の試合放棄により武蔵の勝利※

1R目で武蔵がコーナーを背負った状況で王が入れた膝が、ローブローに。これでいったん、武蔵のセコンドがタオル投入してゴングが鳴らされ、王の勝利、となったかに思われたんですが。
谷川氏含め審判団が協議を始め、その間に武蔵も何とか立ち上がり、え、どうなるの?と思ったら、レフェリーから「タオル投入は王選手の反則行為(ローブロー)の後だったため、無効。従って、武蔵選手に3分間のダメージ回復の休憩を与えた後、王選手に反則による減点1の状態で試合再開します」旨のアナウンスが。
ところが今度は王側が、「あれはローブローではなく股関節への攻撃で急所にあてていないので、武蔵に3分の休憩を与えるのは不公平」と抗議してリングを降りて控え室に閉じこもっちゃったんですねー。で、説得に応じないので、王の試合放棄と見なされ勝利は武蔵のものに。王は中国の選手ですから、会場はブーイング(武蔵への応援もそこそこありましたが)で騒然。
…なんかもうわやくちゃでしたね。理由とタイミングはさておき、いったんセコンドの意志で投入されたタオルが「なかったこと」にされるのは、これが武蔵の試合だったからという配慮が働いてたような気はします。でも、試合放棄する王選手のやり方と理由もどうかと思うし、とにかく「ぐちゃぐちゃ」になっちゃったなという印象しか残りませんでした。武蔵には、ちょっと気の毒な気はしましたが。

◆第8試合:スーパーファイト
○バダ・ハリ  VS  ピーター・グラハム×
(3R 判定)
バダ・ハリはまた身体がでかくなったというか、よくなった気が。特に肩から腕、胸のあたりにいい感じに厚みが増して、ちょっと前の頃のひょろっと長い感じがしなくなったように思います。全体に線が太くなって男っぽくなってきたなぁ。
試合運びも冷静沈着で、自分の距離を崩さずにリーチの長さを活かした攻めを重ねていくやり方。3R目に決まった左のミドルは音も凄かったけど、グラハムのわき腹にはくっきりと足の跡が残りみるみる変色…あれホント、肋骨いっちゃってても不思議はない。
さらにその後ボディにパンチをいれられて足にきてしまったグラハム、しかしそこからローリングサンダーを出してみせたのは意地ですね^^ 外しちゃいましたけど…

第9試合:スーパーファイト
○チェ・ホンマン  VS  ゲーリー・グッドリッジ×
(1R KO)
ホンマンがマイティ・モーに負けて以来心を入れ替え、満を持して臨んだというこの試合。グッドリッジは何もできないままにロープ際で人間サンドバッグ状態。…ホンマンがそれなりに頑張ったというのもあるんだろうけど、グッドリッジの動きもちょっと鈍いように見えたなぁ。んー、もう40過ぎだもんね…自分にふりかかるから歳のことあまり言いたくないですが^^;、身体そのものより動きのスピードというか反応速度にね、出てるような気がします。

◆第10試合:アジアGP決勝戦
○藤本祐介  VS  王強×
(1R KO)
※決勝進出予定だった2名にドクターストップがかかったため(武蔵はローブローへのダメージ、
金は眼窩底骨折の疑い)、藤本と王強が繰り上がりで決勝進出となった※

武蔵と金、これはまた因縁あるいは宿命の対決になるなあと思っていたらびっくりな展開。金に対して、率直なところちょっとかっこ悪い負け方した印象のあった藤本が、急に気持ちを切り替えられるかなーと思ったのですが、最後の最後、意地を見せましたね。始めのうちは出すパンチすべてといっていいほどカウンター気味に王に合わせられてて危なっかしい感じがしたけど、顔面にヒットさせることができた時にチャンスを逃さずたたみかけて頑張り、KO勝利。あわや日本人全滅かと思われる状況にいったんは陥ったので、谷Pもさぞやほっとしたことでしょうw
試合後にリングに上がってきた金が満面の笑みで祝福、藤本も同じくらい大きな笑顔でこたえていたのが印象的でした。金や武蔵の分も、藤本はGP本戦で力を発揮しないといけないですな。
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さて来週のラスベガス大会で予選はすべて終了。GP本戦に進む顔ぶれが今月中にも決まるでしょう。個人的には今大会に出られなかった澤屋敷選手がすべりこめるかどうかが気にかかるところです。チャンスがあるといいな

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日本人エース? (いしかな)
2007-08-06 20:15:59
ボクが新日本の棚端・中邑を評価しない理由は武蔵を評価しない理由と同じです。
方やガチ、かたやプロレスですが、どちらも「贔屓されてる」というイメージを観客に持たれたらダメなんです。逆にこれでもかと逆境に追い込んで落とし込んでいってこそ「応援してやろうよ」というムードが生まれるんだと思います。そういう意味では昨日の大会では藤本のほうが掴んでいたように思いますし、澤屋敷がシンデレラボーイとして掴んだチャンスを大きく育てるためには武蔵的過保護をしてはいけないと思います。

さて、そんな新日的過保護の三銃士の片割れ試合ですが、これがやっぱりドローでいかにもプロレス的なジャッジになり、よくなってきたといわれる会場のムードはセミとメインで台無しだったそうです。
真壁がバーナードに勝ったり越中が勝ったり、やるべき布石は打っといて最後がこれでは、まだまだ再生の道は遠かったりするかもしれませんね。

両国以外はどうやら招待券が流れているようです。そういうのからまず正していかないとね。

返信する
スポイル (りら)
2007-08-06 22:00:36
>いしかなさん
武蔵が受けたローブロー、それはただそれだけ、と言っては悪いけど、アンラッキーなアクシデントに過ぎなかったはずなんですよねー。それが、「セコンドの投げ入れたタオルは反則行為の前だったため無効とみなします」という唐突な調停(?)が介入したことから、どんどんコトの運びが不自然になり、それがまたさらに複雑な事態を引き起こして訳わかんなくなっていって…
周りがガタガタすればするほど、武蔵が惨めに見えてくる気がしてなりません。引っ込みつかなくなっちゃうしさぁ。個人的には武蔵は全然好きな選手じゃないけど、今回のことはかえって気の毒になっちゃいましたよ。
ホント、澤屋敷が同じようなレールに乗せられないことを祈ります。

そうそう、G1始まってるんですよね。エッチューさんが中西に勝ったという記事だけ目にとまってましたが、「エース」のことは気づいてませんでしたw 両国まで、どんな絵を描いていくのでしょうか。
返信する
男にしかわからない痛み(アッー!) (ぶら)
2007-08-06 22:27:20
バダ・ハリが冷静な闘いをしていたこと、この試合は面白かったですね、グラハムも粘ったし。
ホンマンの圧倒的な強さ、これはマッチメークが間違っていたような・・・あれではグッドリッジは何も仕事ができないよね。
アーツは予想通りの完勝。

・・・さてさて、これだけだったらばK-1GP香港大会は無事終了だったのですが、後味の悪い試合がいくつかあったようで残念ですね、私は地上波でまったり見ていただけですから、こんなもんかなという感じで見てましたが、現地のチケットを買って観戦された方々にはストレスが溜まったことでしょう。
これは早急なルール作りが必要ですね、世界のあちこちで大会を開いてるのですからあからさまな日本人贔屓のような判定が出てしまえば当然ブーイングも起こるでしょ。
武蔵に期待しただけに最後は何だかガッカリですね。

昨日からG1が始まりましたが、実況ブログによるとメインの天山vs蝶野の試合内容はあまり好評価じゃないようですね。ただ、中邑vs棚橋に関しては好評価する声があるのも事実です。
自分は以前から露骨な新闘魂三銃士プッシュが大嫌いで、柴田、棚橋、中邑が素直に応援できなかったし棚橋や中邑には常に注文をつけてきました。
幾度か中邑vs棚橋の直接対決はありました、しかしそれは自分的には納得できる内容では無かったです。新日本が押し付けがましく、これを看板カードのようにするのもうざかったですし。
ただ、最近は中邑も適当に負けてますし、棚橋もピン取られてますし、永田に負けたタイトルマッチの試合内容は自分なりに評価してました。
まだ、試合そのものは見ていませんが一部好評価されてるような内容であれば二人を素直に見直したいですね。

プロレスの一つの見方として、どん底まで堕ちた選手がどのように這い上がってくるか、そして頂点まで辿り付けるか、その過程を感情移入して応援する、という楽しみ方があります。一人の選手のその過程を見つめるのもそうですし(だから最近の真壁の活躍は大変嬉しいです)、新日本というのは団体としてどん底を見ていますからね。
自分が新日本に惹かれるのはこういう事情もあります。一時はドームツアーを行っていた団体が最悪の時は、後楽園ホールでさえも苦戦してました、空席が目立つ会場で選手がリングの上で何を仕掛けても観客は無反応というか冷めている。これでは選手もファンもますます離れていく。
それが徐々に修正し、可能な限り純血でやっと後楽園ホールではありますがぎっしり埋まった大熱気の会場で興行が行えるようになりました。
その流れの中での今年のG1、いきなり全会場が超満員とはいかないでしょうが、大会場なりに埋まってるようで、会場は熱気があるようです。大事なのは会場に来た観客を満足させて帰らせる、これを忘れないで欲しいですね。
今は大会場を実券で全て埋めるというのはどの団体も至難の業でしょう、そこを何らかの形で埋めるのは仕方ないのかな、空席が目立ち過ぎると会場に熱気が生まれにくい。もちろん理想は実券で超満員なんでしょうけど。
新日本が潰れた時、自分にはNOAHや全日本、その他の団体で気持ちの穴埋めはできない、だからこそ自分のようなプロレスファンにとっては、新日本のみならずどの団体にも潰れて欲しくは無いですね。NOAHなどはファンはそんな心配はないのでしょうけどね(笑)

残りの日程が無事に終了し、両国最終日まで会場がそれなりに埋まり、熱気があることを祈ります。自分は去年に続き両国のどちらかを観戦可能なら観たいとは考えてます
返信する
私も前科ありです… (りら)
2007-08-08 22:46:14
>ぶらさん
私もキックのスパーの最中に、ローブローを入れてしまったことがあります…(汗) 相手との身長差がかなりあるので、前蹴りが入っちゃったんですよね~。

あのアクシデントは武蔵に気の毒としか言いようがないですが、周りの対処がねぇ…それで結局、金にまともに勝てなかった藤本が滑り込み。あまり期待できる流れではないですね。
あとは、今回怪我で出場できなかった澤屋敷を、リザーブファイトででも出してくれれば少し興味が繋がりますけど。まぁ、今週末のラスベガス大会は、セフォーの試合だけを楽しみにすることにします^^

G1はミラノや越中、真壁が気を吐いているようですね。この中の誰かが決勝Tに上がるとしたら人気では越中、勢いなら真壁というところですか。他のメンバーにもよりますが、両国を盛り上げたいなら真壁なのかなぁ。
棚橋ももう三十路だし、「筋肉王子」とか言ってる場合じゃないでしょって(笑) 真壁や越中に話題を攫われているようでは頼りない。意地を見せて夏男にならないとね。

今年のG1両国二連戦、もしぶらさんが現地に行かれるのなら、レポート期待しております。楽しんできてくださいね。
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