戦前・戦中・戦後の日本の作家で自殺するのが最も集中しているのが35歳前後から40歳前後。
現在では違うのだろうが・・・
俺はこの一番やばい時期を何とか乗り越えて精神的に随分楽になった。
何故、この時期に自殺が多いのだろう?
日本の社会風土・社会構造に原因があるんだと思う。
他の国とは違う。
まずは日本の社会が画一的で異端の存在を認めないという点がある。
他にも若い頃は現実を知らないでイメージで文学をしていても、この時期になると現実社会の実態や自分自身についてわかる様になってくる。
そうすると、自分が今まで書いてきた文学がくだらなく思えてきてしまう。
そこで、あくまで文壇や文学という虚構の世界に閉じ篭もる事ができる人は書き続ける。
誠実な人は自分の文学に嘘を感じてしまい、読者をだましているという罪悪感に悩まされる。
そこで自殺してしまうのだと思う。