空矢の悪運どこまでも…

昨日、町内老人会主催の小学生グランドゴルフ大会が開催された。
この春、初参加ながら、いきなりホールインワンを２回も決めて優勝してしまった空矢が、今回もホールインワンは１回だけだったものの、またまた優勝してしまった。

こいつの悪運はどこまで強いのか…と口惜しくなる。
毎年、こつこつと頑張っている大地は、ようやく７位。それでも、前回の16位からは、ものすごい飛躍。すごい。すごい。

一昨日の夜も、会場の小学校のグラウンドまで自転車で行くと話ながら、強欲な空矢が「優勝商品が大きすぎたら、自転車のカゴに入らんよ。どうする？大ちゃん」と真剣に悩んでいた。（前回の優勝商品は、ドラえもんのラジコン。タケコプターが回って本当にドラえもんが飛んでいく）　しかし、今朝の天気予報で朝から雨が降るというので、休日出勤する夫が、学校まで車で送っていった。

11時前に、大地から老人会の方から借りた携帯で「迎えに来て」と電話が入り、急いで迎えに行く。校門近くで、空矢と大地と友だちのＫ君が待っていた。満面の笑みの空矢が「またクウちゃん優勝したっちゃ!!」と嬉しそうにトロフィーの箱と商品の箱をかざして見せる。大地も「大地もね、７位になったよ♪」と嬉しそう。
一方、Ｋ君はだんまり。あぁ、あんまり良くなかったのかなぁと思って、声をかけるが、やはりだんまり。大地と空矢が、ペラペラとＫ君の結果が悪かったことと商品がリラクマのシャワーボトルなのが、口惜しいらしいと解説してくれる。空矢が偉そうに「リラクマは、（妹の）Ｗちゃんやお母さんが喜ぶよ」などと言う。確かに、男らしいＫ君にリラクマのシャワーボトルは、がっかりだったに違いない。（でも、初参加で21人中14位はスゴイよ!）

車の中で、大地が自分の商品を箱から取り出す。小さな箱だったが、出してみると電波時計の目覚まし時計。
「おぉ、やったーーっ!!」　
とみんなで叫ぶ。実は、このタイプの目覚まし時計が欲しかったのだ。良かったねぇと（私が一番）喜びつつ、助手席に座った空矢の商品が気になる。HOTMANの高級そうな包装紙で包んだ大きな箱。なんだろう？高級バスタオルかなぁ…などと、横目で見ながら１人想像してニヤニヤ。
Ｋ君の家の前で車を止める。下りるときに「ありがとうございました…」と小さく呟いたひと言だけが、彼が今日かわした言葉だった。相当、ショックだったに違いない。

さて、家について、急いで空矢が商品の箱を開ける。出てきたのは…。
古そうなタコ焼き器　がーーん　
家には、昨年年末に購入した18個用のタコ焼き器がすでにある。しかも、一度雨に濡れたらしく、箱の端っこがヨレヨレ。恐る恐る開けてみると、な、なんと、何度か使った形跡があり、小さなカスがついている。
し、し、信じられーーんっ！　
きっと、少ない経費の中で老人会の方々が、家にある不要品を持ち寄って商品にしたのだろう。迎えに行った時、雨が降りそうな寒い天気の中、グラウンドで使用した長机やパイプ椅子を下の公民館まで運んで戻しに行く老人会の方々の姿を見た。子どもたちの為に、がんばってくれた彼らを責めることはできない。しかし、これが優勝商品と言うのは、腑に落ちんぞ。きっと、値段的に一番高価だと思って選ばれたのだろうが、よれた箱の中に、２００３年の保証証がピラッと入っていたのが、余計に侘びしさを、かもし出していた。

空矢は、前回がドラえもんのラジコンだっただけに、ショックだったようだが、「見て見て、これは20個焼けるんやんっ!!」と気を取り直す。確かに、型は古いが、うちにあるタイプと違って横長で焼きやすそうだ。

「今夜は、たこ焼きが良い！」と言う愛花の意見から、タコ焼きの材料を買い出しに行く。確かに、今までのたこ焼き器と違って、焼きムラがなくて、イイ感じ。災い転じて福となす？かどうかは、解らないけれど、昨夜は、みんな幸せで美味しいタコ焼き大会になった。

幸せなご飯の後、片づけながら、収納戸棚を開けて、ふとタコ焼き粉の買い置きに目がとまる。新品と既に開封して輪ゴムでとめている使いかけの奴も…。天かすの買い置きまで出てきたぞ。

うーん、軽いアルツハイマーが始まったのかも知れない…。