グランドゴルフ大会

朝方未明まで、ジャーナル用のイラストを描いていたので、今日は目覚まし時計を切って爆睡していたら、９時過ぎに電話が鳴る。
夫がとったらしく、しきりに謝る声が聞こえてきた。

イヤな予感がして飛び起きる。
案の定、地元老人会主催の小学生グランドゴルフ大会に、大地達が参加申込みしていたのに９時になっても来ないと、担当者からの電話だったのだ。
ちなみに申込みは先月で、すっかり開催日を忘れていた。

母が起こさないので、彼らも当然のごとく寝坊していた。
母の罵声・怒声で、はね起きて、急いで準備。
その間も、もう参加できないのではと言う不安から、大地は涙顔。
午前中、仕事で出勤する夫に頼んで、小学校のグランドまで車で送ってもらう。
母は、寝起きのすっぴん姿で家を出るほど、度胸は無いのだ。

間に合わなくて試合が始まっていたら、一言謝って帰っておいで！と言って送り出したものの、一向に帰ってこない大地と空矢。
間に合ったんだなぁと呑気に安心する。

「ただいまぁ！」と、昼過ぎ、大地と空矢が元気に帰ってくる。
大地が「クウちゃん、優勝したよっ！」と嬉しそうに部屋に入ってきた。
見れば、空矢がドラえもんの絵のついた大きな箱とトロフィーの入っている箱を自慢気に抱えている。 （※写真参照のこと）

「うっそーっ!!」
「見てみて。これトロフィー！それから、ドラえもんのラジコン。本当に空を飛ぶらしいんよっ」とこれまた、横で嬉しそうに大地が報告。

「なんなん！参加者は５人くらいね!?」
と、つい意地悪を言ってみる。
「ううん、大体３０人以上…。ちなみに大地は16位やった。」

あんまり、大地の手前、空矢を絶賛するのも申し訳ないと思いつつも、ナゼ優勝できたのか、しつこく尋ねる。
小２だから、特にハンデがついたわけではなく、いきなりホールインワンを取ったり、その後も相当調子が良かったらしい。
それにしても、優勝するとは…。
毎年参加してきた小５の大地には、少し口惜しい結果となったと思う。（毎回15～20位）

と、心配するのも馬鹿らしいくらい弟のことを無邪気に誉める大地。
「このトロフィーはどこに飾ろうか？」と辛気くさいトロフィーを持って家中をウロウロする。結局、玄関の靴箱の上になる。邪魔にならないし、家を出入りする時に必ず目につくからというのが理由らしい。
心の広い子だなぁと感心していたら、いつの間にか、箱を勝手に開けて、説明書を熟読していた。
（さすが、説明書オタクのパパの子…）
リモコンを手にとって、おもむろにスイッチを入れる空矢。
（この辺りの無謀さが私の子…）
キュイーーーーンっと芝刈り機のようなもの凄い音を立ててプロペラが回り出す。

「狭い家の中で飛ばすなっ！」と母から怒鳴られ、慌てて外に持ち出していく。
今日一日、我が家の屋外から芝刈り機のような音が鳴り続いたことは、言うまでもない。（近所迷惑？）

それにしても、100円のゲーム機で“たまごっち”をゲットしてまった空矢。
たった２回目の出場で、グランドゴルフ大会で優勝してしまった空矢。
本当に悪運が強い。

彼のように、本来なまけ者でお手伝いをまじめにしないヤツには、天罰が下って良いはずなのに、いつもマジメで働き者の気の良い大地の方が損をしているような気がするのは、私だけ？

しかし、今年の夏は、サマージャンボを空矢に買わせようと秘かに決意する母なのでした。