おもちゃの海 洗濯ものの山

中学生から幼児まで、4人の子育て真っ最中のある母親の何気ないつぶやき(でも、誰かに聞いて欲しい)…。

たかが“たまごっち” されど“たまごっち”…。

2006年04月16日 01時22分49秒 | 子育て
10年前。ちょうど長男を出産した頃、日本中で大ブームを巻き起こした“たまごっち”。
宮沢喜一元首相も孫と一緒に発売日に並んだという品切れ続出の“たまごっち”。
当時、出産祝いの電話をくれた友人(独身)が
「彼氏(某一流企業)がぁ、プレゼントしてくれてぇ。あるところにはぁ、あるんよねぇ」
と甘ったるい声で“たまごっち”について自慢気に語ってくれた。
その頃、生まれたての小さな生命体の大地をハラハラドキドキ、ワーワー、キャーキャーと育てていた私は、育成ゲームごときのお世話を鼻高々に説明する彼女の言葉に、非常な苛立ちを感じた。
「私は、本物の赤ちゃんを育ててるんよね」と言って電話を切った。
育児ストレスが、ちょうどピークに達していた時期だった。

そんなこんなで、“たまごっち”のイメージは最初から悪くて、絶対買うもんかっと心に決めていた。
子どもとメディアの代表理事でもある山田真理子先生が子育て講演の中で“たまごっち”の危険性をバシバシ指摘される話を知人から聞き、「それ見たことか!やっぱり“たまごっち”は悪いヤツだ!」と確信し、いよいよ「たまごっちアレルギー」に拍車がかかった。
しかし、ここで自白しておかなくてはならない。実は、私はTVゲーム大好き人間。
いわゆるファミコン世代だったので、大学の時、「スーパーマリオ」「グラディウス」「ドラクエ」「倉庫番」などのゲームにハマって、3日間徹夜したこともある。久しぶりに講義に出かけたら、頭の中でマリオの曲が鳴り響き、マンホールのフタの上で足がピョーンと勝手にジャンプしたりして、さすがに「お、まずいな」と思ったこともあるくらいだ。

そんな私もだんだん、ゲームから離れていく。バーチャルな世界よりリアル・ワールドの方が楽しくなってきたからだ。(最近は、特に忙しすぎて、ゲームどころではないのも事実)

しかし、大地と空矢には“たまごっち”は最高級に憧れの的。いつも、何かにつけて手にしたこともない“たまごっち”の事を「こんなのらしいよ」とか「この前、○○ちゃんのやつ、横から見せて貰ったっちゃ」などとミジメったらしい会話で盛り上がっていた。

先月の大地の誕生日(3/11)の前に、白々しく大地がポツリという。
「どうせ、大地の欲しいものは貰えないんでしょ」と。
誕生日のプレゼントは、子どもたちが希望するものを一緒に買いに行くのが、ここ数年のやり方となっていた。
最初から「どうせ大地なんか…」とあきらめられるのは、さすがにつらかった。

そんなある日、やっぱり子どもとメディアの教えを忠実に守り、壊れたテレビの代わりを買わずにテレビ無しの生活している友人のKさんの家に遊びに行くと、そこの2人の娘たち用の“たまごっち”が壁に掛かっているではないかっ!!
「とうとう、買っちゃったぁ!」と豪快に笑うKさん。
彼女曰わく、いろいろと精神的な葛藤があったが、去年一年間ずーっと親子で話し合い、合意の上で買うことを決めたらしい。

「なんでやねんっ!」と、すっかり気がゆるんで、我が家でも購入することにした。(結構、他人に影響されやすい…)
いざ探してみると、ジャスコにもおもちゃ屋さんにも無い。そこで、トイザらスのインターネットを利用。無事に手元に届いたたまごっちに大地は大喜び。この春休みは“たまごっち”ガッツイエローを大いに満喫していたと思う。しかし、端から見ると相当イライラする。
「あ、クチパッチがウンチしている」と言って、熱心にボタンを押している側で、実際ウンチをしている海凪のオムツを替えている時など、ついつい文句を言いたくなる。
「いいねぇ。“たまごっち”のウンチは簡単に流せて」
「海凪ちゃん、育てる方が大変だよぉ」
「しょせん、ゲームはゲーム。“たまごっち”は海凪ちゃんのように、笑い返してくれないもんねぇ」
などなど。結構、意地悪で根暗な母である。

そして、先週の午後。トライアルに行くと、大地と空矢が出かけていった。(半日授業の日)
何となく、気になって「ゲームコーナーには行きなさんなよ。お金持っていたら怖い人たちに取り上げられるよ」と釘を刺しておいた。(どういう親やっ!!)
常々、ゲームコーナーは立ち入り禁止にしているのだが、この日は子どもたちだけで行くと云うので少し心配になる。

30分もしないうちに、「ただいまぁ!」と大地と空矢が戻ってきた。
例のごとくパソコンで作業をしていたら、空矢がタッタッタと横に来て
「ママ、見て見て。ゲームで当たったんちゃっ!」と真っ白い“たまごっち”を差し出す。
一瞬、意味がわからず、この坊主は何を言ってるんだと、まじまじと見つめる。
後ろで大地が興奮気味に、ルーレットの数を「5」に合わせるゲームがあって、空矢が1回で景品の白い“たまごっち”が当てたことを教えてくれた。

「良くできたキーホルダーやろ」とか「本当に動くん?」と半信半疑でパッケージをハズしてみると、本当に動く“たまごっち”はくぎんだった。
もうビックリである。

約束をやぶって、ゲームコーナーに行った空矢は悪い。
しかし、たった一発で“たまごっち”を、百円で当ててしまった空矢はすごい。
こいつに、サマージャンボを買わせてみようか…と頭の中で、グルグルと真剣に考えていたら、怒るタイミングを逸してしまった。

今、大地も空矢もマイ“たまごっち”を手にして、それぞれのクチパッチを大事に育て、日に何度も通信しあっている。
何回も通信しあっているから、お互いに「だいしんゆう」なんだそうだ。
しかし、ゲームというツールを通して親友ごっこするのもなぁ…と腑に落ちない自分だったりする。



最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
懐かしいっ!! (ちょも)
2006-04-17 23:22:00
懐かしいです、たまごっち!実は私持ってました。(笑)当時はたまごっちとともに出勤し、上司の目を盗みせっせと世話をしてました。けれども、いつの間にかその存在すら忘れてしまって・・・・どこにいったんだろうか?今のたまごっちはすごいですよね。子供が生まれたり、学校行ったり、仕事したり、物売りが来たり。あげくに通信機能\ですものね。時代の流れを感じます。
私はファミコン世代 (タイガーリリー81)
2006-04-30 21:38:02
福さんもファミコン世代なんですねー!!私も超ファミコン世代です。ファミコンの登場はたしか1983年頃だったと思います。隣りの家の子(←金持ち)が「F-1」と「マリオ」を持っていてその子でなくファミコンのためだけに家に通っていた私。昭和枯れススキな私の家はファミコンなんて当然買ってもらえず(1000円のボードゲームは買ってくれた)結局私の家にファミコンが来たのは同級生の子のお下がりをもらった92年でした(笑)。しかも私はゲームがすごく下手くそです。いまだクリアしたゲームがなく、マリオがジャンプすると体も一緒に動くタイプです。しかもスーパーマリオで8-4(最終ステージ)に初めてファイアーマリオで行けたとき興奮して鼻血が出てしまった…。もちろんクリアできず。テトリスもレベル7までいったときも鼻血が出てしまいました。まさに「萌え~」です。
たまごっち…その後 (管理人・福)
2006-05-02 23:13:24
>>ちょもさん

そうなんですよ。未だにハマッていますよ。子どもたち。なんと、今はPCのHPにキーワード?数字?をインプットすると、星に帰ったママやパパに会えたり、旅行をしたり、そのページでしか買えない商品が買えたりするみたいですよ。恐るべし、たまごっち。私がこそこそPCに電源を入れると、めざとく「ママはお仕事なんだよね」と近寄ってきます。シッシッと追い払いながら、こうしてマンガを描いたりしています。うーん、自分も自分か…。

>>タイガーリリー81さま

すごいね。「萌え~」ですか!? 自分の場合、テトリスとかドクターマリオ、ぷよぷよ系は大好きなんですよ。次から次に降ってくる困難に立ち向かっていくのが、性格上合っているようです。(奥歯を噛みしめてやるのがストイックで好い感じ)マリオも、今は野球をしたりレースしたりするんだっけ?あぁ、もう既に話題について行けない。

夫は、先日、川島隆太さんの「脳を鍛える大人のDSトレーニング」を購入しました。購入して安心したようで、やっている姿を見たことはありません。