いと可愛らしきもの

ふと、和室（現在、私と海凪の寝室）を覗いてみると
羽毛布団に埋もれた我が子の手が、静かに動いている。
あぁ、起きているのか…と
思いながら、しばらく見え隠れする手を眺めてみる。

布団に隠れて、顔も頭も見えないのに
手だけが何かを表現するかのように
優雅に揺れ動いている。

産まれてから、一度も大泣きしたことがない我が子。
「生きてやるっ！」という気迫や根性に今ひとつ欠ける海凪。

そんな彼女の静かな自己主張。
「ちゃんと生きているからね」と言うサインみたい。

昨日は寒くてお布団を奪ってしまってごめんね。
コロンとお布団の外に投げ出され
静かに冷えきっていたあなたに気づいた時は
「ひぇーっっ！」 と腰が抜けかけたけれど
小さないびきをかきながら寝ていたと分かった時は
胸のドキドキが、しばらく止みませんでした。

本当に本当に、寝相の悪い母で、ごめんなさい。