daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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ジーン・リッチー/ノッタムン・タウン

2023-12-08 | 音楽つれづれ

ダルシマー(Dulcimer)と言う楽器を知ったのは、70年代初めの日本の女性歌手のアルバムから。A面のイントロに流れるのがダルシマーかな?その時はポロンポロンとした素朴な音の民族楽器普だな?位にしか思わなかったのですが。

それから時が経ち、耳にしたジーン・リッチーのマウンテン・ダルシマーの繊細な響き。 個人的にこれは、フィンランドのカンテレと並ぶ繊細な楽器ではないかと。

ダルシマーの伝統的奏法は、膝に乗せ尖らせた羽で弦を弾くという、ジャケットの写真にあるようなものだそうです。そこがチェンバロの繊細さにも通じる気がするのですが。 彼女がダルシマーを弾き語りするライヴ映像がありましたので興味ある方はどうぞ。曲は「Rainbow Quest

また小型のカンテレは膝に置き、マッチ棒などで弾く奏法もあるそうで、そのあたりダルシマーの演奏法に通じる気がします。

この二つは撥弦楽器。一方で、スプーンの背などで叩いて演奏するハンマー・ダルシマーという楽器もあり、なぜ両方とも「ダルシマー」と呼ぶのかは不明。いずれ解き明かさなくてはならない(?)謎なのですが。 閑話休題…

このマウンテン・ダルシマー(アパラチアン・ダルシマーとも)は、アパラチア山脈の麓に移住したアイルランド、スコットランド系の移民の間から生まれたと言われ、当初はご当地限定(?)だったこの楽器を全米に広げたのが、50年代に活躍し"フォークの母"と呼ばれたジーン・リッチーだそうです。

彼女が祖父から学んだと言う「ノッタムン・タウン」は、ダルシマーの弾き語りで歌われ、それまで苦手だったトラッド・シンギングを一気に引っくり返され、心惹かれるようになり変節(?)した思い出の曲。

また若き日のディランが好み、これを借りて「戦争の親玉」として発表したのも有名な話。

このCDの原盤はプレステッジ・レーベル。ジャズのレーベルとしか思っていなかったので驚きましたが、日本には紹介されていなかっただけでこのレーベルには数枚のアルバムが残されているそうで、その中でお気に入りをもう一曲「A Pretty Fair Miss」を。これは乙女の恋心を歌うアパラチアン・バラッドで、ジーン・リッチーの歌声がとっても可憐。

また右のアルバムは、彼女がアパラチア山脈周辺に残る歌とのつながりを辿り英国を訪れた時のもので、曲のタイトルがBarbara Allen(Scotland)だったりBarbara Allyn(Ireland)だったり、Barbar Ellen(Jean Ritchie)だったりと興味深くはありましたが、私にはもっと勉強なさいと言うレベルだったのでホンのご紹介まで。

 

今日12月8日はジーン・リッチーさんの生まれた日だったので、マウンテン・ミュージックの話などを絡めて書いてみました。

以上、【聞きたい365日 第364話】でした。