【天声人語】
2005年09月25日(日曜日)付
8年ほど前、ある運送会社で社員に髪を黒く染め直させようとしてもめたことがあった。髪を黄色く染めた若手を、上司が「取引先に印象が悪い」と説得した。社員は「好みの問題」と譲らず、3週間やり取りした末に解雇される。
社員が訴え、争いは裁判の場に持ち込まれた。「染髪で社内秩序が乱されたというのは大げさ。解雇権の乱用だ」と会社側が敗れている(「労働判例」732号)。
今日が千秋楽の大相撲秋場所でも、関取の髪を黒く染めさせるかどうかが話題になった。バルト海に面した東欧の小国エストニア出身の把瑠都(バルト)である。生まれつきの金髪だが、入門からわずか8場所で関取に昇進し、その鮮やかな髪に改めて角界の目が集まった。
関取になれば大銀杏(おおいちょう)を結うのが決まりだが、これまで金髪の大銀杏など見たことがない。今場所をわかせた琴欧州は、 ブルガリアの生まれだが、髪は黒に近い。朝青龍らモンゴル勢や、曙らハワイ出身者にも金髪の関取はいなかった。
「大銀杏は目立つからやはり黒く染めた方が」という声が一部で伝えられた。だが日本相撲協会では「自然な色のままでよい」という意見が優勢のようだ。「生まれつきの髪がいい」と本人にも染める考えはないらしい。
番付にはロシア、チェコ、ブラジルと外国勢が並ぶ。多くは10代で来日し、日本語を覚え、伝統的な日本文化になじもうと努力してきた。昇進すると髪の色まで変えられるのではやはり気の毒だろう。そういえば、秋を彩るイチョウの大葉はもともと輝くような黄金色である。
日本の国技である相撲において外国人力士の活躍は
素晴らしいものがあります。日本人力士とくに大関、関脇陣
が束になってもかなわないくらいの勢いには驚かされます。
その髪が金髪であろうがなんであろうがそんなことは
問題ないと思います。髪の毛が問題になるのであれば
目が青いのは問題ではないのですか?
カラーコンタクトさせます?把瑠都(振り仮名ないと読めん)
にはがんばって欲しいです。
親戚のところの犬と同じ名前ですけど。
けどそれと髪の毛を染めた社員とはまったく関係ないと
思うのだが・・・把瑠都の金髪は地毛だし。
この事件のことは私はまったく知らないのでどういう経緯
でそうなったのかはわからないが、
会社に入ってきたときから染めていたのであれば
そういう人物と知りながら採用した会社側に問題があると
いえると思う。
だが就職活動のときには髪を黒くしていたのであれば
その人物が髪を染めていることで社会的な信用が損なわれる
→就職活動に不利。ということを理解していたことになる。
ならば就職してしまったからといって「好みの問題」として
好きなことをして良いわけではないだろう。これから社会人
として生活していくのだから。
上司がわざわざ説得して3週間もやり取りしたのであれば
他の社員は普通に黒髪でいたのだろう。それは仕事をする
上でそうする必要があったからだ。どういったことが自分の
仕事をする上で求められるのか、自分の周りを見ずに
「好みの問題」で好き勝手を社員がしていたらその会社は
つぶれる。たとえば工場などで作業服や安全靴を着用する
のは汚れても大丈夫なようにとか、危険から身を守るため
である。営業職がくそ暑い真夏の日中でもスーツにネクタイ
を締めているのは相手に信用してもらうためである。
真夏だからといってアロハ着てくるような営業では追い返さ
れても文句は言えないだろう。だれが「好みの問題」で
暑苦しいスーツを着るものか。
服装や格好で人を判断すべきではない?
もちろんその通り。
だが初対面の人間には外見しか判断材料がないのである。
そこで突飛な格好をしていては常識がないか協調性のない
人間であると判断されてもしかたないのだ。
本人だけならまだしもその人物を雇っている側にも
疑念を持たれる可能性は十分ある。
休みの日は髪の毛が黄色でも仕事中はスプレーで黒く
しておくとか色々と方法はあるだろう。
それが嫌でずっと黄色でいたいというのであれば
それが認められる職場に行くか、誰にも文句の言われない
力をつけるかだろう。
義務を果たすものに権利は与えられる。
自らを正していけるものに自由はある。
地毛が金髪なら染める必要はないと思いますが、やはり周りの人たちの抵抗が大きいんでしょうね。
例の裁判の件は・・・難しいですね。
やはり上の世代の人たちは、髪の色を変えることに抵抗があるんでしょうから。
会社でいろんな世代の人と交わりながら働くというのは結構自分の好き勝手にはなかなかできないことだと思います。
TPOに合わせることも社会人には求められますから。
ある程度のファッションを認めるのも上の度量とも思いますけどね。(うちの親父は全く認めてくれませんが・・・)