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梅若善久「翁」を披く 「オーラにじめば」

2011-01-08 20:08:30 | 日記
 大阪を本拠に活動する観世流シテ方の中堅、梅若善久が、16日午前11時から大阪・北区の大阪能楽会館で開かれる梅猶会の大阪定期能楽公演で、「翁」の翁を披(ひら)く。

 “能にして能にあらず”といわれるように、能の中でもっとも神聖視される「翁」。劇場の開場式や正月などによく上演され、天下泰平・五穀豊穣(ほうじょう)を願う儀式性の高い曲で、演者は全員、烏帽子(えぼし)と素袍の正装がしきたりとされる。

 「多くの先輩方が翁を勤められるのを拝見していて、その厳かで清々しく静粛な舞台に憧れていた」と善久。これまで地謡や千歳は勤めたことがあるが、翁は今回が初めて。「ストーリー性がなく、演者が神というところが大変難しい。オーラのようなものがにじみ出ればいいのですが」

 三番三(さんばそう)は善竹隆平、千歳に井戸良祐ほか。

 善久は6歳で初舞台を踏んだが、子供のころは漫画家に憧れ、能にはそれほど強い思い入れはなかった。それが17歳のとき、名人、初世梅若万三郎の「鉢木」の録音テープを聴いた。「すごいと思いました。墨絵のように映像が浮かんでくる。これが能というものかと、正座をし直してテープを聴きました」

 以来、能の修業に打ち込み勉強を重ねている。「能はやってもやってもやり尽くせないすごい芸能。なんとか人に感動を与えられるような能楽師に」

 当日はほかに能「雲林院」(池内光之助)、能「鞍馬天狗・白頭」(井戸和男)など。問い合わせは大阪能楽会館(電)06・6373・1726。(亀岡典子)

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