７０歳転倒死・細川俊之さん、一人娘に愛情注ぎ

　１４日午前に急性硬膜下血腫のため都内の病院で死去した俳優の細川俊之さん＝享年（７０）。晩年は、俳優としての活動に加え、芸術大学の客員教授をつとめるなど、多彩な分野で活躍した。前妻の女優、小川眞由美（７１）との間に生まれた一人娘（４０）に愛情を注ぐ、子煩悩な一面もあった。

　所属事務所の社長で、１９７４年に再婚した妻、典江さん（６７）によると、細川さんは今月１２日、品川区西五反田の自宅マンション居間で転倒し頭部を強打。救急搬送されたが、急性硬膜下血腫のため死去した。

　７４年から上演し、１５年にわたる異例のロングラン公演となったミュージカル「ショーガール」で共演した女優、木の実ナナ（６４）は「ショックで残念。最高のパートナー、細川さんがいてくれたから、この作品を１５年間続けることができた。大切な戦友でした」と肩を落とした。

　６７年に舞台公演をきっかけにゴールインし、７３年に離婚した女優、小川眞由美は「もう、あの声と甘いマスクは無なのですね。残念です。俳優として、渋い甘さはこれからでしたのにねぇ。ご冥福をお祈りします」とコメントを寄せた。

　細川さんは学習院大を中退後、俳優座養成所を経て６３年、文学座入団。二枚目からコミカルな役柄までこなす演技力で、９７年公開の映画「ラヂオの時間」など、数々のドラマ、映画に出演した。

　ダンディーな美声でも知られ、８０年にはアニメ映画「あしたのジョー」では敵役の力石徹の声優を演じて話題を集めた。

　０４年からは大阪芸術大学芸術学部舞台芸術学科演出コースの客員教授をつとめ、今月２０日にも講義が予定されていた。

　２００９年７月放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」で９５年に脳内出血で倒れていたことを告白。

　一人娘のミュージシャン、小川雅砂与（まさよ）とは離婚後も親交を重ねており、インタビューでは「最後は、娘に手を取ってもらいながら、さよならしたいですねえ」と語っていた。