青い空が広がる草原を一人の旅人が歩いていた
年はまだ若く、10代後半といったところだろう
身長のわりに古い長めの紺色をしたコートに身を包み、
旅の道具を詰めるだけ詰め込んだ大きなリュックを背負っている
頭には黒いバンダナを巻いて帽子代わりに日射をしのいでいた
旅人は時に笑ったり怒ったりしながらゆっくりではあるが、
しかし確実に草原を進んで行く
彼は依然一人だ。周りには誰もいない
太陽はまだ南の真上に位置していて空の上から旅人を見守っていた
「蒼い空がなぜ青いかわかるかい?」
旅人が突然、まるで誰かに問いかけるように呟くと、
彼の頭の中で返事が返ってくる
「光の反射でそう見えているんだろ」
当たり前の回答、それこそが原理
「それだけ?」
旅人は他に何か期待するかのように聞き返す
「他に何がある?まあ、物理的には……」
「待って、そう言う事じゃなくってさ、もっとこう、何というか幻想的に」
相手はムッとしたのかもしれない
「……じゃあこんな感じか?空が蒼いのは空の上にある天井が蒼いからだ」
「うわっ、何かそれ凄く微妙。それにものすごく閉塞的な世界観だな」
旅人は歩きながら、クスクスと笑った
「わ、笑うな!そんな事ならお前はどう思うんだ。お前の意見も聞かせろや!」
声はイライラと怒鳴った
それは旅人の頭中だけに響く
「そうだなぁ僕は……何処かの知らない誰かが蒼い空を望んでいるからだと思う」
「何だそりゃ?」
声は今度は呆れかえっているみたいだ
「例えば僕とか……」
旅人は誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いた
旅人の前には草原の長い一本道が続いている
年はまだ若く、10代後半といったところだろう
身長のわりに古い長めの紺色をしたコートに身を包み、
旅の道具を詰めるだけ詰め込んだ大きなリュックを背負っている
頭には黒いバンダナを巻いて帽子代わりに日射をしのいでいた
旅人は時に笑ったり怒ったりしながらゆっくりではあるが、
しかし確実に草原を進んで行く
彼は依然一人だ。周りには誰もいない
太陽はまだ南の真上に位置していて空の上から旅人を見守っていた
「蒼い空がなぜ青いかわかるかい?」
旅人が突然、まるで誰かに問いかけるように呟くと、
彼の頭の中で返事が返ってくる
「光の反射でそう見えているんだろ」
当たり前の回答、それこそが原理
「それだけ?」
旅人は他に何か期待するかのように聞き返す
「他に何がある?まあ、物理的には……」
「待って、そう言う事じゃなくってさ、もっとこう、何というか幻想的に」
相手はムッとしたのかもしれない
「……じゃあこんな感じか?空が蒼いのは空の上にある天井が蒼いからだ」
「うわっ、何かそれ凄く微妙。それにものすごく閉塞的な世界観だな」
旅人は歩きながら、クスクスと笑った
「わ、笑うな!そんな事ならお前はどう思うんだ。お前の意見も聞かせろや!」
声はイライラと怒鳴った
それは旅人の頭中だけに響く
「そうだなぁ僕は……何処かの知らない誰かが蒼い空を望んでいるからだと思う」
「何だそりゃ?」
声は今度は呆れかえっているみたいだ
「例えば僕とか……」
旅人は誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いた
旅人の前には草原の長い一本道が続いている