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駄文迷宮

☆ 麻介の日常 ☆

コンビニ強盗 VS ヤングガン店員 1

2006年09月28日 16時19分32秒 | 小説作製
現在の時刻、17時ジャスト

僕は普通の一般学生の物よりも二倍以上に重たい通学用鞄を手に店の中に駆け込む

「おはようございますッ!」

昼間のシフトに入っているオバチャンに軽く挨拶した後に足を止めずそのまま店の裏にある事務所に飛び込んだ

僕はタイムカードを引っ付かんで機械に投入、通勤時間が小気味良い音で印刷されほっと一息
その瞬間、デジタル時計は分の位を00から01へとカウントアップした
「うっしゃ!今日もなんとかセーフ!」

駅前の通りにある信号が赤に変わった時は言うまでもなく強い絶望感を感じた

間に合ったから良いのだけれど


「せーふ!」


叫びながら事務所に飛び込んで来たのは、現在大学二年の羽汰鷺啓護(わたさぎ けいご)
この店の勤務状況で言えば僕の先輩になる

「おはよーございまーす」

羽汰鷺さんは僕のやる気ない挨拶をスルーしてタイムカードを素早く機械へ

(17:02)

僕は彼のタイムカードを覗き込む

「あー、アウトっすね」
羽汰鷺はタイムカードに印字された文字に驚愕している模様
「あぁぁ……」

何気なく僕は自分のタイムカードを見せびらかすように収納した

「くそっ、いいなぁ」



その後はいつもの通り仕事の制服に着替えて、コンビニ「セブンハーツ」は無事人員交代を果たした

まるでいつものように……



今日は水曜日、ただでさえ田舎町の端にあるこのコンビニには夜間の客は見込めない

無論、そんな店に勤める店員も暇を持て余していた

「学生は大変だねぇ」

「羽汰鷺さんも大生ですよね」

「あぁ、現在一浪中のバリバリ大学生だぜ」
本人はカッコ良く言ったつもりなんだろう

「それ、前に聞きました」

「あ、そう」

……あまりに日常すぎて話が続かない

会話終了

「……」

「しっかし、暇だなぁ」
羽汰鷺さんはあくびをしながら商品に毛叩きをかけていく
フェイスアップをしないのはただ単に面倒だかららしい
きっと、都会のコンビニ店員が聞いたらあきれかえるだろう

時刻は20時を回る

羽汰鷺さんは僕との世間話に飽きたらしい
雑誌を整理するふりをしながら雑誌を読んで大爆笑中だった
彼にとって今はジャンプの漫画がいろんな意味でアツいらしい、僕にはよく分からないけれど

扉の開くチャイムが鳴り一人の客が入ってきた

「いらっしゃいませ~」
とりあえず、気のない挨拶のデュエットで迎え入れる

全身黒でライダースーツにフルフェイス。

その時には何かのコスプレのように見えた

客は店内をダラダラと一周した後にまるで地蔵のようにレジに立つ僕の方へと歩いてきた
無論、商品らしいものは持ってない

代わりと言ってはなんだが、当店には置いていないような小型のハンドガンを僕の眉間に合わせている

「金、出せ」

何の冗談だろう?僕はどうしようもないくらいの笑いがこみ上げてくる

羽汰鷺さんはこの軽く緊迫した空気も読めずにジャンプを熱読している模様


さて、どうしようかな?
この状況はアレに似ている気がする

ドキドキする妙なこの感覚

それはいつもの出撃のような……








つづく

騒音列車

2006年05月23日 08時23分06秒 | 小説作製
鳴り響く騒音にハッと目が醒める

ラッパ音の様なこの音は一体何なんだ
何かの警報なのか、それとも不備による故障なのか

いずれにしろ、既に電車が止まってから五分が経過している


やっと走り出したが、音は止まない
正しく騒音列車だ
イヤホンから流れる音楽が殆ど聞き取れない
線路沿いの家はかなり迷惑だろう

これでは車内放送も聞こえない

学校に微妙に遅れそうだ

結局電車を乗り換えて騒音の原因は分からずじまいだ

乗り換え駅に着いて電車から降り際はあまりの騒音に皆顔をしかめていた


以上報告終わり
(今朝の実話ですよ)


旅行日誌 初日1

2006年05月22日 18時34分11秒 | 小説作製
駅を出るとそこはアンデルセン童話から抜け出てきたような可愛らしい街並みがあった。

僕は空っぽのトランクを引きずりながら街を歩く。
西藤さんの日記によれば、ここは時計職人の町らしい。
日記には丁寧に町の人々の暮らし振りや生活週間などが詳しく書き込まれていた。
以前は新聞記者として働いていた名残だと言われていたが
かなり優秀な記者だったことが日記からも伺える。
僕はこんなにも素晴らしい日記を書く自信がない。

「あなた自身が正直に書けば良いのですよ」
西藤さんはそう言っていたがまずは日記帳を買わないといけないな。

僕はとりあえず軒並みの文具の看板が下がる店に入ることにした。
「いらっしゃいませ」
ゴチャゴチャと文具の並べられた店の奥から小学生位の幼い男の子が僕を出迎えた。
僕は少年の幼さに半ば驚いた。
「お兄さん、何かお求めですか?」
きっと商品案内をする人は奥に居るんだろう。
「日記帳、ありますか?」
「はい!ありますよ」
少年は爽やかに営業スマイルで質問に答えて、
そう広くない店のノート類が置いてある棚から三冊の手帳を取り出した。
どうやら店には彼しか居ないみたいだ。

「どれになさいますか?」

それは、しっかりとした皮の手帳、ハードカバーの本のような物、
大学ノートの三点だ。
その中から僕は西藤さんが書いていた手帳によく似た皮の手帳を手に取ってみる。
パラパラとめくってみるとそれはやはり西藤さんの手帳と同じ物だった。
僕は数秒考えた後に皮の手帳を静かに置いて本の様な手帳を手にした。
それはいかにもファンタジー小説に出てきそうな伝説の書物みたいだ。
多分、日記を書くには向かないだろうと思う。
そして、最終的に僕が選んだのは何の変哲もない大学ノートだった。
「このノートにするよ」
昨日まで学生をやっていた僕にはこの書きなれているノートの方が良い。
店の男の子は肯いて、サービスですと言いながら一本のボールペンを付けてくれた。
「ありがとう。店主に宜しく言っておいてな」
帰り際に少年にそう言って店を出た





水曜日には雨が降る

2006年05月17日 13時44分45秒 | 小説作製
傘が防ぎきれなかった雨粒が春先の薄着を濡らしていく
今日は朝から雨が降り、地面のアスファルトが大量の
水分を受け止めて水たまりができていて、ブーツの底が水を跳ねた
たしか、先週の水曜日も雨じゃなかっただろうか
あの日は確か、帰りまでには止んでしまったから
電車内に雨の日の相棒を忘れてしまいそうになったんだった

南の方の地方は一部が梅雨入りしたという話を聞いた
まもなく此処も雨の季節になるんだろう
水曜日だけではなく毎日雨

「大活躍だな、相棒」
そう言って、ステッキ状に畳まれた傘を見た


おわり


悪い奴には制裁を

2006年05月16日 15時44分25秒 | 小説作製
EP1-1.

1月20日、俺に身に覚えのない宛先から手紙が届く。

「馬場暁倖
昨日、委員会の判決ニヨリ2006年2月3日付デアナタノ悪ヲ裁キマス。
   by制裁委員会」

「…何だこれ?軽い嫌がらせか何かか」
新聞や雑誌などの切り抜きで作られたそれは
一昔前のサスペンスドラマに出てくる脅迫状のようだった。
俺の、つまり馬場暁倖の罪。
そんなものがあるとすれば、それはまず間違いなく日夜繰り返している殺人行為の事だろう。
巷で話題の奇怪連続殺人魔とは何を隠そう俺のことなのだ。
罪を罪と自覚していながらの非常識な行為。
 多分俺はすでに壊れているんではないだろうか。
きっと、友人が死んだあの時に。
今ではまるで薬物中毒患者のように殺人を楽しんでいる。
ナイフで頸動脈を切りつけ殺した後、血の気が引き蒼くなった
肢体を電動ノコギリでなお血をばらまくようにバラバラにしてやる快感といったら、
たまらなく気持ちが良い。
今更、誰に止められようが俺自身、この行為を止めるつもりは
全くない事は神に誓える。
さあ、今日も狩りに行こう。
一時の興奮とスリルを味わう為に。
俺は、社会と言う安全な小屋に閉じこめられたブタ共を狩る狼になるのだ。

 そして、人喰い狼は豚小屋への扉を開く。



※読み難いだろうから夜に改行予定