櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

新作日記より

2007-11-01 | 公演写真&記録(国内) dance works in JP(photo etc)
新作「カラビンカ」(11/16~17公演)公演までのあいだ、創作日誌の一部をご紹介してゆきます。
___________________________
【森】
なかなかの難産。ちょうど一年、孕んできた。
良い子が生まれるといいのだけど。

音楽の鈴木さん。
美術の恵美子さん。
もうすぐ稽古場入りの照明、佐藤さん。
やはり、つわものども。
冴えたひとこと、視線、提案・・・。
息吹の中にいる感じ。

別々の場所で考える、実験する、迷う。
それを互いにさらけ出す時間を重ねながら、
「信頼」という、もうひとつの作品を創っている感がある。
これがナマの踊りを生むのだし、
これが出来て初めてタイトルの幕が上がる。
ソロダンスって、実は極限のアンサンブルかもしれない。
シンプルゆえ、みんながきつく担うものが、ある。
劇場では、ひとりひとりが、確かな「ひとり」として、譲れないものをたずさえて、組む。
そんな流儀が、さらに強くなりそう。

ところで・・・、

身体の奥に、森があって、たしかに僕は、そのなかに、いる。

迷路であり、それゆえまた踊る・歩む。
でもそのなかでアリアドネがささやきます。
内側を見よ、外側を見よ。
メフィストがささやきます。
道はない、しかし歩まねばならない。
近松がささやきます。
肉も心も虚実の皮膜。

そういえば、この作品は森の中で着想したのだった。
真夏の森の夜。
生き物や土や星の、たしかな息づかいをききながら、
とても深い闇に肌が触れている実感の中で、
踊ろうと決めたのだった・・・。

_____________________________
というわけで、練習はいよいよクライマックスへ差しかかりそうです。
クラスも何だか「基本!基礎!」を連呼しつつ、つい熱気が・・・。
クラスの方々の踊りには、体験・驚き・挑戦・くつろぎ、いろんなものが相見えて、やはり誠実さにあふれています。こちらもウソはつけませんから、作品を創りながら基本のことや人間のこと、やはりツキツメてしまう今日この頃です。
さて・・・・・。

【公演詳細&チケット】
観客と至近距離での上演意図ゆえ、お席が限られています。お早めにお申し込みください。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 瞬間の記憶 | トップ | 新作日記より2 »
最新の画像もっと見る

公演写真&記録(国内) dance works in JP(photo etc)」カテゴリの最新記事