☆農カツ☆

IT業界から突然、生産者への仲間入りを目指した無鉄砲=カツヨシの農業カツ動覚え書き

☆2013/08/17どすごいブログへのコメントの回答☆

2013年08月19日 17時26分25秒 | 日々是思ふこと…
先日、いつも東京のレストランさんにてベジモの野菜を気に入っていただけている方から、
このブログにコメントを寄せていただきました。
ベジモのことを思ってのコメントありがたく思います^^
コメントでお返しするには少し長くなりそうだったし、
ちょうどどんな気持ちで農業に取り組んでいるかを少しでも知っていただくため、
記事投稿という形で回答させてもらおうと思いました☆

まず、そのお客様がお野菜を気に入っていただけてることに最大の感謝。
そして野菜を仕入れてくださってるレストランさんにも感謝です☆
しかし今回こういう記事を書こうと思ったのは、
僕の腕が未熟なことが原因です。
未熟ゆえに楽しんでもらえなかったこと、
とても歯がゆい思いです。

どんなことかといいますと、
まずは「大きなオクラが繊維が多かった」ということでした。
今回のオクラの中に、繊維が固く、食べられないものが入ってしまっていたようです。
太く大きな品種のオクラでも、繊維が気にならず、生でパクパク食べられるものがほとんどなので、
今回のオクラはこちらの確認ミスです。
申し訳ない気持ちです。

太く大きなものの中でも、大オクラと呼んでる品種があります。
こちらはベジモ小林のひぃおばあちゃんが、
戦時中に山口県に疎開した時に種を採ってきて、
この愛知県豊川の地で、70年あまり種を採り続けてきた品種です。
おばあちゃんが亡くなった今も、
その家で種を守り続けています。
このオクラ、大きくても繊維が固くならず、
15cmほどでも柔らかく食べられます。
周りのみんなも大好きです。

そして小玉のタマネギ。
サイズが小さめで、うずら大~ピンポン玉くらいの大きさで収穫しているものです。
種まきからあえて植え替えをせず、サイズを小さくすることで、
そのままシチューやスープ、素揚げしたりと、見た目にも面白く調理してもらえます。
その小玉タマネギのコクが少なく、味が薄いとのこと。
現在、僕は品種を選抜して、早生種は「ソニック」、中晩生は「アトン」としています。
そして今年初めて育てた晩生「もみじ」。
この小玉タマネギは「もみじ」でした。
今回の「もみじ」、種まきの時期が遅れてしまっていました。
それもあって、十分に苗の生育が見込まれず、
植え替えずに小玉にしようと思ったものでした。
コクが少なく感じられたのは、それも原因の一つと思います。
といいましてもベジモの普通玉タマネギ「アトン」とは味、コク、深みともに異なります。
今までのところ僕は個人的に「アトン」が多品種に比べ、一番、味、コク、深みがあると思います。
なのでその感覚で、小玉タマネギを召し上がっていただくと、
どうにも物足りなさを感じられるのかもしれません。
いかんせん、どちらも最高の状態で比較しなければ、一概に批評が出来ないので、
適期に種まきを行えなかった僕のミス。
今年は晩生「もみじ」も適期に播くように気を付けます。

そして「日本古来のもの」は美味しいと感じていただけていることが嬉しいです。
それら以外で感じられてる物足りなさ。
そこで一点、お伝えしたいことは、日本で原産の野菜はほとんどなく、
現在、日本国内で育てている野菜は地中海沿岸~エジプト、アフリカ諸国などで育てていたものが、
日本の歴史上、交流のあった国々から伝播しているというところです。
もちろん2000年以上前に伝播したものもありますし、
18世紀末に伝播したものまで野菜によって歴史はさまざまです。
なので、個人的には、どのような野菜でも、
元気に育てば、日本の気候、風土に合っていると考えてます。
現にオクラもアフリカ原産ですが、
山口県で70年以上前から栽培されているものがありますし、
何より、種を採り続けていけば、「"地"の野菜となっていく」と思います。
伝統野菜の中でも固定種は意外と多くなく、
途中から種を選抜して残してきたものがたくさんあります。
その地で育ったなので気に入った野菜を、その地で選抜して種を採り、
再び、その地で育てる。
この循環は素敵だと思っています。
少しずつですが、自家採種の野菜たちが提供できるようになってきました。
今作のオクラは全種類自家採種のものです。
そういったのも僕の楽しみの一つとなっています。

そしてこの気候の変化。
長年農業を営んでこられた方が、
こんな年は初めてだ、と口を揃えておっしゃいますし、
ニュースなどでも「観測史上初めて」、
「いままで経験したことのない」、
などのコトバを毎日のように耳にします。
そのことも含めて、出来る範囲ではありますが、
「元気に、自然の力で育った野菜の種を、
出来る限り採り続け、そして再び種を播く」ことで、
自家採種で提供出来る野菜を増やしていき、
さまざまな用途に使っていただけるように取り組んでいく、
ということを基本にし、これからも農業に携わっていきたいと思っています。


コメントに対する回答として十分ではないかもしれませんが、
ご一読いただけば幸いです。





種の話ではF1種などについての意見もありますが、
こちらは、また、別の機会で…☆

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