友だち一万人!

福笑い、大感謝、大歓喜!友だち一万人を合言葉に
「平和で幸せな社会」になることを願っております。

スウィート スウィート バスルーム

2007-06-03 | 書籍のご案内
5月16日、友人から一枚のチラシをいただいた。
「実はさぁー、親バカと思われるが息子が企画に絡んでいるんだ」というチラシ。
チラシを読むと「スウィート スウィート バスルーム」のタイトルが印象に残る。
マガジンハウスから出版される本で、著者は「碧色ボタン」とあった。

5月17日全国書店で販売されるとのことで、友人とも会う機会が多くあることから、早速、購入する。

読み始めると第一の驚き。
この小説が携帯小説コミュニティ「フォレストノベル」というインターネット上で公開されたものであるということ。
無知である私は、「小説を書き、世に出すということは出版社が付くか、自費出版か」と単純に思っていましたが、このような方法もあるのかと時代の違いを感じました。

第二の驚き。
インターネット上で公開され、多くの方に読まれていれば、本にしなくてもと思うのですが、「否、まだまだ活字文化は健在なのだ」とひとり微笑むのでした。

そして、更にこの本が「純愛小説」であったことです。
年甲斐もなく小説の世界に入り込み、涙、涙から、我が事のようにホッとして、さわやかな気分になったというのが本音。
この小説が、女子中高生を中心に支持され、出版されたということは、「純愛」という意識やそれが求められているという事実に、単純すぎるかも知れないが安心をするのです。

ちょいと気分転換にお読みになったら。

マイウェイー認知症と明るく生きる「私の方法」

2007-05-25 | 書籍のご案内
突然、4月の始めに平野ゆりさんから電話がかかってきた。
「本が出来たから送る」と言うことであったが、待てど暮らせど本は届かない。
「忙しいのであろう」と思い、そのままになってしまった。

 5月の連休明けに一通の手紙が会社に届いていた。
本にしては薄すぎる。開封すると手紙とパンフレットが入っている。
「図書館で借りろ」とある。どうもこちらの聞き違いであったらしい。

本は「マイウェイー認知症と明るく生きる『私の方法』ー」 著者:大田正博&大田さんサポーターズ菅崎弘之・上村真紀 小学館)というものであった。

平野さんは、この本の取材・文を担当された。
者者の太田さんは、私と同年代であり、2002年に若年性アルツハイマー型認知症と診断されたのです。

最近、テレビ等で若年性認知症のことが放映されており、話題になっています。
そのようなときにパンフレットといえ、また老人性認知症が進んでいる親を持つ者として、手元に届くと胸が締め付けられる思いでもあります。

パンフレットには「若年性アルツハイマーの著者がおくる、感動のノンフィクション!」との見出しがついている。
多くの図書館や、書店では「福祉・介護コーナー」に置かれています。
太田さんは「認知症のエンターテイナー」。彼の前向きな活動は、新聞、テレビといったメディアにも大きく取り上げられています。
本書は、そんな大田さんのひたむきに生きる姿に焦点を当てたノンフィクションです。

是非、本書を読み、考えていただきたいものです。
久しぶりに平野と語り合おうか。



詩人たちの贈り物

2007-05-19 | 書籍のご案内
この数ヶ月間、カバンの中に一冊の本が常駐しています。
その本の名は「詩人たちの贈り物」(文:横川節子 絵:夜川けんたろう 発行販売よも出版)です。

ふとカバンの中から取り出し、ページをめくると懐かしさが込上げ、
失ってしまった子供のころの感性を取り戻そうとしている自分がいます。

著者の横川さんが
「あなたは詩がお好きですか。
 あなたの心の中に、子どもの頃に出会った小さな詩が残っていませんか。
 詩はどうも苦手、という方も、幼い頃歌った童謡をふと口ずさむことがありませんか。」(はじめにより)
と呼びかけてくれます。

横川さんとお話していますと、この本を出版した気持ちが伝わってきて、いつしか本で紹介されていますウィリアム・ワーズワーズの「虹」の世界を漂っていたのです。

      ウィリアム・ワーズワース

   心は躍る
   空に虹がかかるのを見ると
   幼いころもそうだった
   大人になったいまもそう
   年老いたときもそうありたい
   でなければ 死んだほうがましなのだ
   子どもは大人の親父である
   願わくはわたしのこれからの一日一日が
   自然への畏敬の念で貫かれんことを

「詩人たちからの贈り物」は、残念なことに書店には置かれていない。
直接、販売元よも出版への申し込みになりますので記しておきます。







「みんなの9条」(その3)

2007-02-01 | 書籍のご案内
最初に「マガジン9条」の編集部編の「みんなの9条」(集英社新書)に収録されている方々のインタビューのタイトルと見出しを羅列させていただいてから2週間以上も経ってしまった。
最初に8名、次に7名、そして今回は残りの7名について羅列することにします。

書店に立ち寄れば、「白洲次郎」、「栗原忠道」、「山本勘助」、「風林火山」、「華麗なる一族」ばかりが目にとまる。
読んでいただきたいと思う「憲法『押しつけ』論の幻」(小西豊治著、講談社現代新書)や「みんなの9条」は、探さないと見つからないかもしれない。残念なことだ!

さて遅くなリましたが、「みんなの9条」に収録されている残りの方7名のタイトルと見出しを羅列してみます。

改憲を考えるなら、もっと歴史を見る必要がある(ジャン・ユンカーマンさんへのインタビューより)
・日本の憲法の成り立ちは複雑でドラマチック
・政府は、50年前から9条を変えたがっていた
・改憲問題は、世界という広い視点で見るべき
・来日したとき、仲間の国に来たんだと居心地がよかった
・受身ではなく自主的に活動することが大事

私たちは、もっと想像して疑ってみなければならない(石坂啓さんへのインタビューより)
・戦場に送られるかもしれない子どもの未来
・戦後でも戦前でもなく、戦時下にいる
・権力はたくみに世論を誘導する
・エスカレートするナショナリズムの高まり
・自主規制を始めたメディア
・戦争と歴史の美化が始まる

今、日本は<通り過ぎなあかん道>に来たんや(中川敬さんへのインタビューより)
・カリスマは必要ない。一人一人の集積がパワーになる
・草の根でパッシングがやってきた。これは闘いやで
・60年間、何かの犠牲の上にある平和でいいのか
・瓦礫の中で歌ったことから始まった
・改憲問題は、国内だけの問題ではない
・人との出会いで感じること、話すことが、いちばん面白い

平和憲法の持つ国、コスタリカのやり方(伊藤千尋さんへのインタビューより)
・本当に軍隊を持たない国、コスタリカ
・自分の国だけでなく、周りの国々の平和をまもる努力
・軍隊は自国民を弾圧する
・「戦争を起こさない」ための現実的な仕組み
・10万人のデモも、たった一人から始まった
・自分たちが誇りに思える国家ビジョンを

生を受けられず、言葉を持てなかった人に代わり、平和を語り続ける(渡辺えり子さんへのインタビューより)
・開戦前夜と今がだぶって見えてきた
・軍隊ができたらどうなるか、軍隊とはどういうものか
・父の戦争体験を聞いたのが、一つのきっかけとなった
・戦争で死んでいく子どもたちをまもれないなんて、大人じゃない
・平和憲法のもとで、平和活動や発言が制限される社会のおかしさ
・それでも声を上げ続けていこう

護憲派の立場から、改憲論を現実的な視点で見直す(松本侑子さんへのインタビューより)
・憲法は民主改革とセットで制定された
・9条は60年間機能してきた
・軍事力でテロは防げない
・憲法を守るべきなのは、国民ではなく支配層
・誰が軍隊に入るのか?
・表現の自由は、すでに抑圧されつつある
・自衛軍ができると変わってしまうこと
・<改憲=戦争>ではないが、生活への影響を現実的に想像しよう

9条の本領が発揮されるのはこれからです(辻信一さんへのインタビューより)
・海外に暮らし、海外の言葉で語ることで9条が見えてきた
・「どこかの国から攻められたらどうするか」を考える現実主義の非現実性
・経済成長の呪縛が、戦争をもたらす
・やらなければならないのは、9条をまもるなんていう、ケチなことではない
・もてる商品の多さが、豊かさや幸せの尺度だという幻想
・テレビを消して、自分の頭で考えよう
・「ズーニー運動」で広げる、豊かで平和な社会
・「私にできること」のすごさを再認識する


今日でこの羅列もおしまい。
22名のタイトルや見出しを羅列していると、本当に憲法が身近な生活に生かされているのであろうかという疑問にぶつかる。
私の知人も「解雇撤回」で闘っている。解雇無効という判決がでているにもかかわらず職場復帰が実現していない。団結権や生活権さえ脅かされているのだ!
国籍を理由に職業選択の権利さえない知人もいる。
守るべき憲法の推進者である人々が、改憲論を振りかざすだけではなく、違法ぎりぎりの言動をしている。

戦争が日常茶飯事になると、平和を観念的に捉えてしまう傾向にある。
様々な理由を付け戦争を容認し、私は平和主義者だという。
平和と戦争は相反することだと思わないのであろうか。

色々な思いを抱いている今日この頃です。
今日もあと数分で日付が変わります。身体も冷えてきましたのでお風呂に浸かって、一日の疲れを取ることにします。風邪をひかないように、おやすみなさい。

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「みんなの9条」(その2)

2007-01-21 | 書籍のご案内
前回、「マガジン9条」の編集部編の「みんなの9条」(集英社新書)に収録されている22名の方のうち8名の方のインタビューのタイトルと見出しを羅列させていただきました。
今回は、残りの方14名のうち7名について羅列してみます。

ところで、今日(21日)、新幹線の中で「白洲次郎の日本国憲法」(鶴見紘著、光文社)を読んでいますと、是非とも「憲法『押しつけ』論の幻」(小西豊治著、講談社現代新書)も併せて読んでいただきたいと思います。

さて、「みんなの9条」に収録されている方のタイトルと見出しを羅列します。

戦争が終わっていないのに、なぜ次の戦争の用意をするのか(大田昌秀さんへのインタビューより)
・沖縄戦は本土の盾。無謀な戦いだった
・法律もないままに徴兵された学生たち
・今も思い出す、振り下ろされた日本刀の残像
・生きる希望を与えてくれた新しい憲法
・今でも沖縄では、戦争が続いている

霊長類ヒト科の絶滅を回避するためにも、9条はあったほうがいい(きむらゆういちさんへのインタビューより)
・同じ種で殺し合うのは人間だけ
・国際間の対立は、子どものケンカと本質は変わらない

心の中に平和の種を育てよう(早苗NEMEさんへのインタビューより)
・憲法9条をメロディにのせて
・9条を捨てるのは精神の堕落である
・何かを始めるのに遅すぎることはない。平和へのアピールも

日本国憲法は国民の「努力目標」として与えられたものだ(姜尚中さんへのインタビューより)
・憲法問題は、歴史問題とセットで考えるべき
・真の「国柄」とは、平和憲法を持つ国であるということ
・祀る国家は戦争する国家だ
・9条の理念をベースにした、東アジアの集団安全保障機構を考える
・今こそ他国と協力し、北朝鮮を交渉の場に出す努力を

自分に自信が持てなくて、国に誇りを求めてた(雨宮処凛さんへのインタビューより)
・破壊衝動を満たしてくれるのが、右翼の活動だった
・とにかく「自分の頭で考えよう」と思った
・シンプルに「戦争は嫌だ」というところに行き着いた
・若い世代の「生きづらさ」がどんどん強まっている
・10年前は、パンクとしてやっていた「愛国」が、今はポップになった
・カウンセリングとしての右翼思想

戦争はいちばん弱い者に、ダメージを与える(愛川欽也さんへのインタビューより)
・学童疎開は、寂しくて、ひもじかった

おかしいと思うことに、黙っていてはいけない(上原公子さんへのインタビューより)
・「全体主義」とは、気がついたら、そうなっているもの
・安心のための「強い」組織、街づくりが始まっている
・ウォッチして声を出し続けることが大事
・市民不在でルールが決まっていくことへの不安
・9条を、具体的に伝えていくことが大切

今回も、タイトルや見出しだけで理解できるものと、う~んと唸ってしまうものがあります。あなたは如何でしたか?残りの方のも、またまた近々、羅列します。

再び明日からも会社人間としての日々が始まります。
鋭気を養うには睡眠が一番。おやすみなさい。

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みんなの9条(その1)

2007-01-14 | 書籍のご案内
一週間ほど前、会社帰りにフラリと本屋に入った。
通勤電車で読む本を探していると、「みんなの9条」(「マガジン9条」編集部編 集英社新書)が目に飛び込んできた。

「マガジン9条」は、憲法9条のことをよく知らないという人、9条をかえてもいいんじゃないのという人に、9条のことを知り、考えてもらうためのウェブマガジンで、毎週水曜日更新されています。
「みんなの9条」という本は、ネット上で語られた22人の方の反戦や平和の思いが収録されたものです。

さて、この本に収録されている22人のインタビューのタイトルと見出しを羅列してみたくなりました。

必要なのは、軍隊でなく交渉能力(橋本治さんへのインタビューより)
・「不都合がないからそれでいい」は日本人の才能である
・「外交」がわからないニッポン
・国会は議論の場でなく承認の場である
・憲法は生きていくための基本だから、観念的でいい
・インターネットという不幸なメディアが引き越こすこと
・知識や思考のストックは、誰しも自分の中にある
・憲法なんて、空気や空みたいなもの

「ニッポン、大好き」を問い直そう(香山リカさんへのインタビューより)
・ポップで軽やかに「愛国心」を謳歌する若者たち
・「自分の国が強くなってどこが悪い?」という短絡
・ソフトでスマートな若手識者たちの「勝ち組改憲論」
・「9条を変えても、日本が戦争国家になるわけではない」という主張は現実的でない

戦争が終わったときから始まる「戦争」がある(黒田征太郎さんへのインタビューより)
・戦後なんて一度もない。そこをいちばんに考えたほうがいい
・兵士だけでなく、市井の人々をも巻き込むのが戦争
・大人の豹変が生んだアメリカ崇拝という皮肉
・戦争を避けて通れない日本人としての自分
・今なお広がり増え続ける世界中のグラウンド・ゼロ

ムードで高まるナショナリズムや改憲気運は、危険(広井王子さんへのインタビューより)
・15年前に感じていた<プチナショナリズム>の空気
・9条変える派から、変えない派に
・憲法を改めて読もう
・物の所有が幸せのはかりになっている
・9条で日本独自の価値観を創造し、アピールしていく

9条は壊れやすいものだから、みんなでまもっていいかなくては(いとうせいこうさんへのインタビューより)
・言葉の力がどんどんなくなっている
・「現実に合わせて憲法を変えろ」という考え方こそ、平和ボケからくる理論
・感情論だけで改憲を唱えるのは、ばかばかしい

戦争は「自衛」をキーワードに始まる(毛利子来さんへのインタビューより)
・予防接種をさせない親は「非国民」
・戦争は「自衛」をキーワードに始まるもの
・今だからこそ、軍隊よりギターで、免疫力をアップさせよう

9条は世界へ向けた日本の国際公約(辛淑玉さんへのインタビューより)
・殺す側に回る責任を負いたくないから、言い訳を探している
・日本社会は楽な方向、責任をとらないですむ方向へ向かっている
・9条は平和だけでなく、人権をまもるための有益な手立て

大阪流「お笑い」外交を教えたる!(木村政雄さんへのインタビューより)
・不安や閉塞感は、笑い飛ばせ
・ブッシュにはツッコミではなく、ボケで返せ
・勝ち負けを決めないか、自ら負けていくのが大阪のやり方
・幸せの価値観を、そろそろ変えたほうがいい

今日は8名の方のタイトルと見出しを羅列してみました。
見出しだけでもその内容が理解できるものもありますが、う~んと唸ってしまうものがあります。しかし、羅列してみますと、重要な点が見えてくるようでなりません。
では、近々、続きを羅列します。
明日の鋭気を養うために、おやすみなさい。

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「憲法『押しつけ』論の幻」と「いとし子よ」

2006-10-07 | 書籍のご案内
安倍新内閣が誕生してスタートをきった。
仕事に追われ、飛び回っていると、安倍首相の初演説をはじめ国会中継を見る暇がない。さらに、夜のニュースさえ見ることもなく、只管に会社人間と化している。

このような時、このブログにトラックバックしてくれる方々の記事は大いに参考になっています。ありがとうございます。

TBの中で、憲法「押しつけ」論の幻(小西豊治著 講談社現代新書)という本を紹介しているブログを見て、早速、購入した。

その本の内容を上手に「ポラリスーある日本共産党支部のブログ」さんが要約されています。転用させていただきます。

<<<「主権在民」も「象徴天皇」も占領軍の最初の構想では明確ではなく、特に天皇の扱いには占領軍も苦慮していた。
 そこに、在野の「憲法研究会」(鈴木安蔵他7名)が早くも1945年12月に「憲法草案要綱」を首相官邸に提出し記者団に発表した。
 その中では、「主権在民」や「象徴天皇」が明確に位置づけられており、この内容は占領軍も度肝を抜く内容であった。政治顧問アチソンは、本国に緊急の書簡を送り、その衝撃を伝えているという。
 これが、その後マッカーサーが、「国体護持」で煮え切らぬ政府に、「推しつけた」とされる、憲法の骨子となっている。
 鈴木安蔵は明治・自由民権運動の論客・植木枝盛(土佐)を、家永三郎よりも早く研究していた第一人者であり、「主権在民」も「象徴天皇」も植木枝盛が著した「東洋大日本国憲按」や植木枝盛が原案を書いたと言われる土佐立志社の「国憲按」で打ち出されていたものである。
 著者・小西豊治氏は、「主権在民」 「象徴天皇」のルーツが植木枝盛の国憲按にあり、占領軍で憲法制定に深く関わった弁護士出身のラウエルやノーマンも、鈴木安蔵の論に影響されてか、あるいは独自の視点からか植木枝盛を研究していたことを解き明かしてゆく。
 そして、「主権在民」も「象徴天皇」も、日本人民の叡智であることを論証して行くのである。>>>

「憲法九条を世界遺産に」という本も素晴らしく、「憲法九条を世界資産に」を合言葉にしようと前回のブログに書かさせていただいた。
「憲法『押しつけ』論の幻」は、日本国憲法の成立を知る上で貴重な一冊と思っています。主権在民を宣言している平和憲法を、より密接に生活に生かすことが先決だ!と叫びたい。

平和憲法を守ることは大変だとの実感を強くしている。このブログに掲載した永井隆博士の「いとし子よ」の一節がグルグルと頭の中を駆け巡っている。重複しますが掲載します。

<<<永井隆博士は、原爆で奥さんを亡くし、自らも原爆に被爆していながら余生を被爆者の治療に捧げた方です。

いとし子よ。
あの日、イクリの実を皿に盛って、母の姿を待ちわびていた誠一よ、カヤノよ。
お母さんはロザリオの鎖ひとつをこの世に留めて、ついにこの世から姿を消してしまった。
そなたたちの寄りすがりたい母を奪い去ったものは何であるか?
――原子爆弾。・・・いいえ。それは原子の塊である。
そなたの母を殺すために原子が浦上へやって来たわけではない。
そなたたちの母を、あの優しかった母を殺したのは、戦争である。

戦争が長びくうちには、はじめ戦争をやり出したときの名分なんかどこかに消えてしまい、戦争がすんだころには、勝ったほうも負けたほうも、なんの目的でこんな大騒ぎをしたのかわからぬことさえある。
そうして、生き残った人びとはむごたらしい戦場の跡を眺め、口をそろえて、――戦争はもうこりごりだ。これっきり戦争を永久にやめることにしよう!
そう叫んでおきながら、何年かたつうちに、いつしか心が変わり、なんとなくもやもやと戦争がしたくなってくるのである。
どうして人間は、こうも愚かなものであろうか?

私たち日本国民は憲法において戦争をしないことに決めた。…

わが子よ!
憲法で決めるだけなら、どんなことでも決められる。
憲法はその条文どおり実行しなければならぬから、日本人としてなかなか難しいところがあるのだ。
どんなに難しくても、これは善い憲法だから、実行せねばならぬ。
自分が実行するだけでなく、これを破ろうとする力を防がねばならぬ。
これこそ、戦争の惨禍に目覚めたほんとうの日本人の声なのだよ。

しかし理屈はなんとでもつき、世論はどちらへでもなびくものである。
日本をめぐる国際情勢次第では、日本人の中から憲法を改めて、戦争放棄の条項を削れ、と叫ぶ声が出ないとも限らない。
そしてその叫びがいかにも、もっともらしい理屈をつけて、世論を日本再武装に引きつけるかもしれない。

もしも日本が再武装するような事態になったら、そのときこそ…誠一(まこと)よ、カヤノよ、たとい最後の二人となっても、どんな罵りや暴力を受けても、きっぱりと〝戦争絶対反対〟を叫び続け、叫び通しておくれ!
たとい卑怯者とさげすまされ、裏切り者とたたかれても〝戦争絶対反対〟の叫びを守っておくれ!

敵が攻め寄せたとき、武器がなかったら、みすみす皆殺しにされてしまうではないか?――という人が多いだろう。
しかし、武器を持っている方が果たして生き残るであろうか?
武器を持たぬ無抵抗の者の方が生き残るであろうか?・・・

狼は鋭い牙を持っている。それだから人間に滅ぼされてしまった。
ところがハトは、何ひとつ武器を持っていない。
そして今に至るまで人間に愛されて、たくさん残って空を飛んでいる。・・・
愛で身を固め、愛で国を固め、愛で人類が手を握ってこそ、平和で美しい世界が生まれてくるのだよ。

いとし子よ。
敵も愛しなさい。愛し愛し愛しぬいて、こちらを憎むすきがないほど愛しなさい。
愛すれば愛される。愛されたら、滅ぼされない。
愛の世界に敵はない。敵がなければ戦争も起らないのだよ。>>>

読み返すほど、このメッセージの重みを感じています。
安倍首相のスローガンは「開かれた保守主義」であるといわれ、タカの爪隠す改憲への「地ならし政権」とも言われている中で、「いとし子よ」の言葉が現実味を帯び、一段と重みを増していると思うのは、独り善がりな理解なのであろうか。

今日は、皆さんの転用を持って掲載させていただきました。ご了承ください。

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憲法九条を世界遺産に

2006-09-24 | 書籍のご案内
下馬評の通り、目標の7割の得票率には及ばなかったが、安倍晋三が自民党総裁になった。
これで「憲法改正」「教育基本法改正」等等が(拡大解釈としての国民から)支持されたとして、タカ派ぶりを全面に出されたら、国民はいたたまれないだろう。

お彼岸で84歳の伯父さんが訪ねてきた。
座るなり「俺たちは姥捨て山に送られるのかねぇ」と挨拶そこそこの第一声。
「安倍は、サラブレッドだねぇ」「二世三世しか総理になれないのかねぇ」「これじゃぁ、庶民の生活がわからないだろうねぇ」と矢継ぎ早に話し掛けてくる。
収入増加の当てのない老人に「介護保険の負担に、税金の負担と、これでは老人は生活苦で死んでしまう。それが嫌なら早く死んでしまえ、と言われているようだ」と嘆いている。
戦後生れの初の総裁とメディアは、新しい時代の幕開けのように報じているが、決して明るい希望を感じているものは少ないのだろう。

明るいニュースというか、一読していただきたい本があります。(もう読みましたよとの声が聞こえてきますが)

そうです。「憲法九条を世界遺産に」(太田光・中沢新一著 集英社新書)

表紙カバーには

「実に、日本国憲法とは、一瞬の奇蹟であった。それは無邪気なまでに理想社会の具現を目指したアメリカ人と、敗戦からようやく立ち上がり二度と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との、奇蹟の合作というべきものだった。しかし今、日本国憲法、特に九条は次第にその輝きを奪われつつあるように見える。この奇蹟をいかにして遺すべきか、いかにして次世代に伝えていくべきか。お笑い芸人の意地にかけて、芸の中でそれを表現しようとする太田と、その方法論を歴史から引き出そうとする中沢の、稀に見る熱い対論。宮沢賢治を手がかりに交わされた二人の議論の行き着く先は・・・」

と書かれています。

同感!同感! 「憲法九条を世界遺産に」 そうだ!そうだ! 「憲法九条を世界遺産に」 が合言葉だ!

もう一冊。「自由訳 イマジン ジョン・レノン&オノ・ヨーコ」(新井 満著 朝日新聞社)

本の帯には

「ジョンが生きていたら どんなに喜んだことでしょう・・・。オノ・ヨーコ
世界でもっとも愛されている“平和の歌”が美しくわかりやすい日本語になりました。
原作詩、公式邦訳、ダコダ・ハウス対談を収録。

イマジン さあ イメージしてごらん
心の中で 想い描いてみてごらん
今はまだばらばらだけど
いつかきっと 世界は ひとつになる --本文より」

と書かれています。

友人たちもイマジンを口ずさんでいたな。
みんなで口ずさんでみようか?

♪想像してごらん 天国なんてないんだと・・・♪


今日は二冊の本のご紹介でした。

このブログでご紹介(9月2・3日開催)しました「第12回新宿区民オペラ G.プッチーニ作曲 3幕 原語字幕上演 「TURANDOT/トゥーランドット」は、大盛況の中、無事に終了したとのご連絡をいただきました。ご報告申し上げます。
なお、プロディースされた園江治さんは、12月下旬、ベートーベンの「第九」のコンサート開催を予定しております。詳細がわかり次第、ご紹介したいと思っております。

さぁ!光が見えているよ!イマジンを口ずさみ、第九で世界の平和の輪を広げようよ。

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隠された真実?

2006-02-15 | 書籍のご案内
2月10日、毎日新聞ニュースは、「愛媛県宇和島市の県立宇和島水産高校の実習船『えひめ丸』が01年2月、米ハワイ沖で米国の原子力潜水艦に衝突されて沈没、実習生ら9人が犠牲となった事故から10日で5年。同校では追悼式典が営まれ、遺族や救出された元実習生、生徒ら約360人が出席した」と報じられました。

あれから5年の歳月が経った。このブログ(5日付)でも「『えひめ丸事件』知ってる?」と題して掲載し、「えひめ丸事件ー語られざる真実を追うー」(著者ピーター・アーリンダー、翻訳・共著者薄井雅子、新日本出版)を紹介しました。
そして、利益相反という著者の言葉に「ただならぬ事態」を感じ読むことにしました。

「ただならぬ事態」と感じるのは、今までの米軍関係の事故に際して、例えば米軍機墜落事故で犠牲になった遺族の思いを記した「あふれる愛を継いで」(土志田勇著)や、先日の海上に墜落したジェット機の事故、米兵による交通違反などに見られるように軍の機密事項とか、日米地位協定とかの下に被害者側からの原因究明がなされていないように思われるからです。

さて「えひめ丸事件ー語られざる真実を追うー」を読んで感じたことを記してみます。

著者は「首相は、審問委員会についても、アドミラルズ・マストについてもよく知らないようだ」という。
これは、2001年5月14日の予算委員会で「ファーゴ裁定」について小泉首相が「これは非常に不幸な事件でありまして、二度とこういうことのないようにしなきゃいかぬというのは当然でありまして、今アメリカ政府も日本の申し入れに対してきちんとした対応を行っている、なおかつ潜水艦の艦長は有罪と判断されましたものですから、私は、アメリカも誠意を持ってこの事件に対処しているなと思っております」と述べられたことをさしている。

私も勘違いをしていた。審問委員会は重大な事件に対して設置され、軍法会議内の特別機関と思っていたからだ!
審問委員会は裁判ではない。召喚権限者(ファーゴ提督)は委員の任命権、開催権を持ち、審理をコントロールできるのだ。しかも、告訴される側の弁護する十分な時間の保障はない。事実、3月5日に審問委員会が開催され12日間の聴聞を経て3月20日に終了し、4月13日に最終報告が提出された。

審問委員会の報告を受けた司令官(ファーゴ司令官)は、この事件を軍法会議にかけるか、それとも司令官の判断で処分(アドミラルズ・マスト)をするかを決定する。ファーゴ司令官はアドミラルズ・マストを選択し、4月23日、海軍の処分はすべてが決着した。事件後73日という考えられない速さで終わったのだ!
ワルド艦長は、20年の海軍キャリアを捨てる見返りに「名誉除隊」を得た。

愛媛県や遺族らは「事故原因の徹底究明」を求めたのではないか。
軍上層部の問題は無いのか?民間人の招待により乗組員の体制が整っていないのに急遽、航行したのではないのか?
自ら発し障害物や海洋生物などの状況を把握・確認する「アクティブ・ソナー」を使用せず、他から発する音をキャッチする「パッシブ・ソナー」のみの航行の軍政策に問題は無いのか?等々は解明・改善されたのだろうか。
ワルド元艦長の責任と除隊のみの解決であれば、トカゲの尻尾きりではないか。

愛媛県は、なぜ利益相反という弁護士倫理を犯してまで県側の弁護士に被害者の弁護士として相乗りさせ、和解を急いだのだろうか?
従前から教師側から改善の要望があったにもかかわらず、船の安全性については「貨物船」と位置づけている。実習船とは名ばかりのマグロ漁獲を目的にしている感がある。

旅客船の安全基準なら、生徒食堂が船底でなかったら、被害を最小限に収めることができたのではないだろうか?
軍法会議や訴訟になれば、県の管理責任を米軍からも追及されるであろう。仮にそうなれば、県としても米軍の安全基準を追及することになり、軍の問題が浮き彫りになったはずである。まさに双方の再発防止対策を講じることになったであろう。

長くなりましたが、「事故が発生し、その原因を究明し、再発を防止する」といういたって当たり前なことが「日米の良好な関係」を損なうことになるのだろうか。敢えて言うならば、「日米軍備の再編成に支障をきたすから早期に解決し、国民の意識から早く消してしまえ」としか聞こえてこない。

仕事の合間、合間に読んだ本ですが、空も、海も、陸も、危険が一杯という現状が横たわっている。今日、私の家を、旅行中の知人を襲うかもしれないと思うと、なぜなぜ日本政府は国民を守ってくれないのだろうと憤りだけが込み上げてくる。
多くの方にこの書を読んでいただくことで、追悼の意を表すことにします。

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「えひめ丸事件」知ってる?

2006-02-05 | 書籍のご案内
「えひめ丸」といえば、5年前(2001年)の2月10日(日本時間)、ハワイ・ホノルル沖で米海軍の原子力潜水艦グリーンビルが下から愛媛県立宇和島水産高校の実習船に衝突し、実習船が沈没して9名の犠牲者をだした事故のことですね。なぜ!「えひめ丸事件」というのですか?

今年の1月20日に「えひめ丸事件ー語られざる真実を追うー」(著者ピーター・アーリンダー、翻訳・共著者薄井雅子、新日本出版)という本が出版されていることを、昨日、知人から教えていただいた。

当時、海底に沈んでいる「えひめ丸」を引き上げる、深すぎて引き上げられない、ということが問題となっていた記憶が甦ってきた。それとすぐに原潜の艦長が謝罪したという記憶があるが、その真相については、甚だ曖昧であったようにも思っている。

知人からの知らせによると、著者のアーリンダー氏はアメリカの弁護士で、この事故について日本人弁護士から被害家族にアメリカの法制度を説明してほしいという依頼があったことから関心を寄せたという。

さらに、著者は「米海軍が被害家族に補償交渉の説明をする」(加害者が被害者に交渉手続きを説明することってありえない)ということや、「愛媛県が選任(委任)した弁護団が、被害家族の委任を受ける」という利益相反(船体は県の所有で管理上・安全上の責任があり、被害家族は県の責任を追及できる立場にあり、利害は反する)の可能性があり、弁護士の倫理からしても疑問を持ち、真相を究明することにしたという。

私の知る限り、弁護士は利益相反の可能性があるときには、一方の弁護を引き受けないといいます。当然ですね。折角の裁判の判決が無効になることもありうるのですから。
これには、興味が惹かれました。

著者は、事故時の原潜招待プログラム、軍の責任の問題、アメリカの軍事政策と日本政府の関係などこの事故の全体像を描きたかったといいます。

一読しよう。知らなかった世界が出てきそうな予感を感じます。
今、この本が手元にあります。夕方に早速購入しました。また、読んだことを書こうと思っていますが、仕事の合間に読みますので何日かかることやら。
先ずは、この本のご紹介としました。

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嬉しい知らせ

2006-01-29 | 書籍のご案内
 「ナガサキの郵便配達」を復刊する会の方から「ご協力下さったみなさまへ」と題して「5月にみなさまのご協力を得てスタート致しました『ナガサキの郵便配達』を復刊する運動も、8ヶ月を経て、やっとご報告できる段階となりました」というお知らせをいただきました。

 このブログ開設と同時に、語り継ぎたい一冊として「ナガサキの郵便配達」を紹介しましており、関係者のみなさまのご活動に心から敬意を称しますと共に、共に喜びたいと存じます。

 2000冊という数字は多いのかといえば、決して多い数ではないと思いますが、種々の制約がある中での復刊を果たし、ご報告にある朝日新聞、長崎新聞、毎日新聞、東京新聞などで掲載されたこと、主人公の谷口氏に密着取材されできたNHKスペシャル「赤い背中」が放映されたことなどは皆様のご尽力の賜物と存じます。

 さて、戦争を知らない世代の一人として、この本から戦争の悲惨さと平和の尊さ、二たび戦争を起こさないという決意を肌で感じさせていただき、口では平和、現実では戦争容認という愚かさを反省しております。
 戦争を起こさないということは平和の原点と言っても過言ではないと存じます。従って平和を語りながら戦争容認なんてことはないのです。(本の内容についてはブログ掲載を参照してください。)

 現在、憲法改正論議が盛んに行われておりが、改憲に積極的な方々がこの本を読み、その感想を聞いたら何と言うのでしょうかね。「大変ご苦労されましたね」「今後も頑張ってください」とか言うのでしょうね。
 「『二たび戦争を起こさない』という決意を新たにしました」とは、決して言わないでしょうね。

 ご報告の中に「長崎の高校生一万人署名運動の若者たちへ寄贈その他」とありました。そして、長崎新聞では昨年「未来を託して」と題した連載で「一万人署名」を取り上げていることを知り、その運動が広まっていることをも知りました。

 この本が多くの方々に普及されることを願うと共に、世代や思想信条を超えて「平和への糸」が繋がることを念じています。

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嘆かわしい現実

2006-01-18 | 書籍のご案内
17日午前10時頃、うるま市・伊計島東の太平洋上に米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が墜落する事故があったことを大田昌秀秘書ブログを見て知った。

このブログの「あふれる愛を継いで」でも米軍機の墜落への日本政府の対応のまずさを指摘しているのですが、惨事にならなければいいという問題ではないのですね。
日米地位協定の問題や、基地や軍機などへの調査立ち入りができないということが問題なのです。しかも、軍の行為は「住民・国民の犠牲は当然」との認識になってしまうのでしょうか?

未だに多くの問題が解決されないままにいることに、嘆かわしい現実を突きつけられているようだ!
もう一度「あふれる愛を継いで」を読み返し、決意でも新たにすることにしましょう。

***大田昌秀秘書ブログより***

報道格差はなぜ起きるのでしょうか?

本日午前10時頃、うるま市・伊計島東の太平洋上に米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が墜落する事故がありました。防衛施設庁からいただいた事故の概要を示す報告文によれば「現在、被害情報なし」で、「再発防止、事故原因の究明等について申し入れ済」とのことですが、謎だらけです。米軍はイラクでも今日ヘリが墜落したようですが、そもそも米軍の機体整備はどうなっているのか?パイロットの訓練はどうなっているのか?など疑問が絶えないからです。

想像してみてください。戦闘機が墜落したのです。これが地上だったら一昨年の沖縄国際大学へのヘリ墜落より大惨事になりかねません!一歩間違えば多数の死傷者を出しかねなかっただけに地元紙では夕刊の一面トップで大きくとりあげていますが、朝日、毎日、読売、産経、日経、東京など本土紙の多くは社会面で小さく報じるだけで、またしても報道における「温度差」を痛感します。確かに、本日は、ライブドア問題や阪神大震災11年、宮崎被告最高裁判決・・・など重要な記事が目白押しで新聞の編集担当者の苦悩もうかがわれます。しかし、米軍再編協議の行方を左右し日米同盟の根幹にもかかわりかねないこの戦闘機墜落をこれだけの扱いでしか報じられない今のマスコミはいったいどうなっているのでしょうか?あるいは、日米同盟の根幹が揺らぐことを恐れ本土マスコミは報道の「自主規制」をしているのでしょうか?もしマスコミに良心があるのならば、そしてわが国の国防を真剣に考えるのならば、こうした報道の「温度差解消」をすべく明日以降の紙面作成に頑張っていただきたいと思います。地元紙が報じる事故の詳細はこちらをご覧ください。→沖縄タイムス琉球新報

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地位協定の不思議

2005-12-29 | 書籍のご案内
 10月の始めにこのブログを立ち上げた。それから3ヶ月近くになる。
 
 「ナガサキの郵便配達」という復刻版も完売したという。
 「想い出のサダコ」(大倉記代著)も広島はもちろんのこと長崎や静岡などでも新聞に取り上げられて全国に浸透してきているという。
 「あふれる愛を継いで」という本を読み、一度は横浜の「母子像」を訪ねたいと思いつつ実現していない。

 「あふれる愛を継いで」という本は「1977年9月27日の午後一時過ぎ、横須賀の米軍基地から出航する空母ミッドウェーを追って、厚木基地から飛び立ったファントム・戦術偵察機が横浜市緑区荏田町(現在の青葉区荏田北)に墜落し、五棟の家屋が全半焼するなど、9人の死傷者が出た」事故により、土志田勇さんのお嬢様と3歳と1歳のお孫さんが亡くなられました。その思いを綴られたものです。

 土志田和枝さんの手記に「地上に降り立った(ファントム機のパイロット)2人は、ほとんどケガらしいケガもなく、約20分後に海上自衛隊のヘリコプターに収容され、厚木基地に運ばれた。5人の重傷者を出すという大惨事のさなか、自衛隊が活動したのは、実にこの2人のパイロットの救助にだけだったのである。米軍関係者が現場に到着したのは、事故から一時間もたった(午後)2時20分ころであった。その後マイクロバスやヘリコプターが到着したが、米兵たちがまず行なったことは、被害者の救出や被害状況の調査、ではなく周辺の人たちを事故現場から閉め出すことだった。怒りにふるえる人たちに、彼らはニヤニヤしながらVサインを出してみせたりした」とあります。

 28年前の事件ですね。もちろん米兵は日本で裁かれることなく、米国に帰されたと記憶しています。これも地位協定があるからなのです。

 沖縄でも様々な事件を米兵が起こし、この地位協定への抗議の運動が盛り上がりましたね。
 規模の違いがあるにしても今日のニュースは見逃すことができませんよ!
 規模の大小に係わらず主権を持った国なのですから当然、日本の法律が優先しなければならないのです。
 記事を紹介しておきます。

** 在日米海軍兵、ひき逃げ容疑で逮捕 地位協定で即日釈放 **

 在日米海軍所属の女性兵が、東京都内で小学生3人をひき逃げしたとして、警視庁が道路交通法違反(ひき逃げ)と業務上過失致傷の疑いで、緊急逮捕していたことがわかった。女性兵は日米地位協定に基づいて即日釈放され、米軍側に引き渡された。米軍側には逃げたことは否定しているという。警視庁は、米軍を通じて女性兵に出頭を要請するなど任意で捜査を続けている。

 八王子署や在日米海軍司令部によると、女性兵は20歳代で、空母「キティホーク」の乗組員。事故当時は、米軍厚木基地(神奈川県)から同横田基地(東京都)に航空機の部品を車で運ぶ公務中だった。

 日米地位協定の関連法では、公務中の米軍人が事故や事件を起こし、日本の捜査当局に逮捕された場合、身柄を米軍に引き渡すと定めている。

 調べでは、女性兵は運転していた車で22日午後1時ごろ、東京都八王子市大谷町の国道16号の交差点付近で、横断歩道を渡っていた小学3年の児童(9)ら3人をはねて逃げた疑い。現場から1キロほどの路上で車を止めており、署員が現場に着いたときにも車の中にいたという。署に任意同行され、約1時間半後に緊急逮捕された。小学生は骨が折れるなど重軽傷を負った。

アニメ「つるにのって」を見て

2005-11-03 | 書籍のご案内
 フランスで原爆の実相を紹介する運動をしている美帆シボさんの原案でアニメ「つるにのってーとも子の冒険ー」が完成したのは、1993年6月。今から12年前の話ですね。
 そして、各地で上映会が開催されたのは、まだまだ記憶に残るところです。もちろん世界65カ国以上で上映されたといいますから、反核平和運動は世界が求めていたのです。

 さて、このアニメ物語のあらすじは、「小学6年生の元気な少女とも子が、夏休みのある日、広島の原爆資料館を訪れました。とも子は、平和公園で不思議な少女と出会いました。彼女の名前はサダコ。そして、サダコの案内で、とも子の不思議な不思議な冒険がはじまります。」

 サダコが言います。「ピカドンや戦争の犠牲になる子どもたちが世界中からなくなるように祈って、私はここに立っているの」
 その言葉にとも子は「お願い!みんなのためにサダコを世界中につれてって!」と言い、サダコととも子はつるにのって世界中を回るのです。

 このアニメは、未来の大人たちに、核兵器や放射能の恐ろしさと、平和づくりへ自ら参加することの大切さを訴えたものです。

 時が過ぎ、今、国会では、憲法改正論議が行われています。それに伴うように、日本の米軍基地の再編強化がいとも簡単にできるような法案が提出され、成立する動きになっています。

 戦後60年の節目のもとに、平和とは無縁の社会が築かれるとしたら、あなたは自分の子や孫に「私は平和で幸せな社会にいたよ」と胸を張るのでしょうか?

 文化の日にあたり、アニメ「つるにのって」を見てみました。
 アニメの主人公サダコは、10月25日、50回目の命日を迎えました。12歳という思春期を迎えるとともに、将来を語ることなく他界したのです。
 その愛しさを、病室を共にした大倉記代さんが「想い出のサダコ」に綴り、今年10月25日に出版されました。

 アニメ「つるにのって」を見て、「想い出のサダコ」を読んで、今一度、足元を見直してください。

 参考リンク 「想い出のサダコ」に寄せて

フランスからも応援

2005-10-14 | 書籍のご案内
 美帆シボです。お元気でいらっしゃいますか。パリの原爆展は9月30日までの予定でしたが、教育委員会などの要請もあり、10月4日まで延期されました。二回ほどストのために、閉館になりましたが、それでも二万人を越す入場者がありました。

 さて、たまっていた「お知らせ」をお伝えします。転送歓迎です。

* ラジオ・ドラマ「つるにのって」の感想文をサイトで紹介しました。
 下記をクリックするとごらんになれます。
 http://www.izu.co.jp/~jintoku/framepage7.htm

* 「イラク戦争帰還兵士の講演会」が11月3日午後5時に
広島平和祈念資料館で行われます。劣化ウラン弾の被害を証言します。
全国での講演を計画していますので、上記のサイトをごらんください。

* 10月22日土曜日の朝四時台にラジオ深夜便に
ナントの原爆展で被爆証言をなさった松本都美子が出演します。
松本さんの証言は仏訳してフランス広島・長崎研究所のサイトに掲載
してありますが、この証言をフランスの若者がさまざまな機会に朗読しています。

* 貴重な本「想い出のサダコ」が出版されます。どうぞ普及にご協力ください。

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 こんばんは。
 フランスに在住して、世界に平和運動を発信しておられます美帆シボさんのメールメッセージを転載いたしました。昨日(13日)、朝起きると、知人からメールされてきたものですが、まだ出版されていない「想い出のサダコ」が紹介されているのです。

 世界の垣根を越えて、注目されている書籍であることがご理解していただけることと存じます。

 被爆ーそれはヒロシマ・ナガサキだけの問題ではないのです。
 それは、今でも世界では劣化ウラン弾により被爆しているからです。

追伸:「想い出のサダコ」の出版は、10月25日のサダコさんの命日に間に合うよう関係者が一生懸命、頑張られているとのお知らせを受けました。
 また、美帆シボさんのホームページへのリンクは「福笑い、大感謝、大歓喜!友だち一万人!」のトップページからできるようにしています。