某ギターメーカー社長室

ギターメーカー社長の色々な出来事

ギター&ベースグレードアップ

2006-02-22 18:38:43 | 楽器
お手持ちのギターやベースをより良くしたい!と思われる方は当然多い事でしょうね、その為に色々な改造用パーツが有るのですからそう考えるのは当然です!

グレードアップの方法には大きく分けますと2通りの方法があります。
楽器本体をアップグレードする方法とハードウェア(電装パーツ含む)を交換する方法です。

普通は雑誌広告や店頭等で見かけるハードウェアに目がいってしまい、交換をご希望なさる方々が多いのですが、果たしてそれが一番効果的なのでしょうか?

折角改造なさるならより”効率良く効果的”に改造した方がお得です。
それには改造をする”順序”が大切となります。

この順序を間違えてしまいますと、折角大枚を払って改造しても思った程の効果が得られないケースや、ハードウェア本来の持つ性能をフルに発揮できない事が殆どとなります。

まず伝送系のパーツを考えましょう。
一番ご依頼が多いのはピックアップ交換です。

そもそもピックアップと言う物は一般的な音を拾うマイクとは異なり音を拾うと言うよりは”振動”を拾う物となります。
現にアンプにつないでピックアップの前で歌を歌ってもアンプからは音が出ませんよね?

この”振動”とは当然”生鳴り”の事です。
この話は一度ここで終わります、後でまた持ち出しますが一旦終わりです!

仕切りなおして今度はブリッジやナット他のハードウェアを考えましょう。
まず、何の為にハードウェアを交換するのか?
例えば人気のチタンサドル等はその硬質な材質ゆえ音質の変化はもちろん、振動の伝わり方等が変わってまいります。

では、音質が変わるのはなぜか?
”材料が硬いから”と言う答えでは三角なんです。
その硬い音質はどう言う順番でピックアップが拾って音になっているかを考えなければなりません。

上でも述べたようにピックアップは振動を拾います。
つまりサドルで音が変わります、音は”波(振動)”ですから、それがボディーやネックに伝わります。

最終的にピックアップで振動を拾ってアンプから音が出ます。
つまり”鳴り”がしっかりしているからこそ交換したハードウェアの特徴が前面に出て参ります。

ボディーやネックが何で出来ているか?
これも同じです。
ボディーやネックが振動する為に作っている材料の持つ音質が前に出てきます。
振動しないのであれば何で作られていても同じですからね。

このようにハードウェアの構造や材質の変化によって出音が変化するのはボディーやネックがしっかり鳴ってこそとなります。

つまり鳴らない楽器ではハードウェアの特性等をフルに発揮する事が出来ないと言う事ですね。

では、どうすれば生鳴りが良くなるのか?
それは弦の振動をいかに殺さず、ボディーやネックに伝達するかを工夫しなければなりません。

それには2つの大きなテーマがあるんです。

まずひとつは”空間は振動が伝わらない”と言う事です。
振動は触れている部分からしか伝わりません。

そして2つ目は”振動の妨げになる物を削除する”です。

ハッキリ言って当たり前の事ですね(汗)ただ奥が深いんですよ(笑)
次回以降は具体的にどんな事があるのか?この2大テーマについて考えていきたいと思います♪