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りゅういちの心象風景現像所

これでもきままな日記のつもり

「シェイクスピアの鳥類学」

2010-06-02 08:15:29 |   本  
シェイクスピアの鳥類学」という本を引っ張りだしてきました。高円寺の古書店で見つけて、そのまま本棚に放り込んでおいていますが、なにかの折りにごそごそ掘り出しては読んでいる本。こんかいの動機はもちろんヒバリです。
何気ない一言に、博物学的知識の背景を感じさせるシェイクスピアですが、鳥については殊にそうなのです。とはいってもヒバリを台本に織り込むのはシェイクスピアの趣味?と思えるくらい、その記述は実に多くの作品にまたがっています。全集をひっくり返す用意が必要な雰囲気なので、手元の本を勝手にパラパラ読んでそれで終わりってことにしました。
ジェイムズ・エドムンド・ハーティング著、1864年出版。
Amazonでは古本で安く出てきているようなので、博物学的視点でシェイクスピアを読み直すのも一興と思われた方にはおすすめです。



         
                         from Wikipedia

この本のまえがきを読んだときに、シャイクスピアの肖像画について某かの論争があったことを知りました。
一番最初の写真は、本書の表紙を飾っているものです。左腕に頭被をかぶせたハヤブサをのせたシェイクスピアの肖像はジェイムズ・ハーティングが作り出したもの。伝えられている中でもっともシェクスピアに近いとされるシャンドス肖像画をベースに、自分のイメージに応えるシェイクスピア像をつくりだしたといいます。写真を撮って、それをもとに版画家に木版を発注したんだそうです。できあがった肖像画はきれいな反転画像であることも写真ならでは。それにしても、猛禽類を飼いならし、おそらくは鷹狩りなどもしたであろうことを想像すると、シェイクスピア像はかなり生き生きしたものになってくるから、面白い。
僕の記憶にある肖像は真正の肖像画として知られるフォリオ版(下)の顔。この顔をシェイクスピアとして刷り込まれたわけですが、シャンドス肖像画やそのアレンジに劇作家の精悍な表情を見てる方がリアルに思えてきます。リチャードやマクベスなどを書いてしまう男が変に着飾っているわけないよなぁ、って思っちゃうのです。なんでもフォリオ版のは舞台衣装を身に着けているシェイクスピアだそうで。劇作家とは違う顔なのも頷けます。

         


本当はヒバリのことを書こうと思ったのですが、顔の話ばかりになってしまいました。
ロミオとジュリエットから一節だけ抜いておきます。本当は夜明け前に投稿できたら気がきいているんでしょうけど。
ロミオと会えるあいだはナイチンゲールがさえずっていて。夜が明け始めるとヒバリの声が。
ヒバリはジュリエットには嫌われているというより、心から恨まれているような。三幕五場。

 It is, it is! Hie hence, be gone, away!
 It is the lark that sings so out of tune,
 Straining harsh discords and unpleasing sharps.
 Some say the lark makes sweet division;
 This doth not so, for she divideth us.
 Some say the lark and loathed toad chang'd eyes;
 O, now I would they had chang'd voices too,
 Since arm from arm that voice doth us affray,
 Hunting thee hence with hunt's-up to the day!
 O, now be gone! More light and light it grows.



たまご(ふえてました)
たまご
カモフラージュ
なぞのビニール片


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