goo blog サービス終了のお知らせ 

りゅういちの心象風景現像所

これでもきままな日記のつもり

ヨーロッパ古層の異人たち

2018-08-18 02:31:23 |   本  
文章はいたって簡潔、平明なため、書かれていることに不思議はない。 丹念な取材を想像させるには十分すぎるほどの豊富な写真に驚かされるのだが、 驚くべきことはその先にありそう。 おそらく著者が書かずに隠していること(?)があまりにも厖大なのではないか? そう思わせる質がある。 写真家なのだから「すべて出している」と言うことは、とりあえずできる。 でも「うまく言えないから」ではなくて「言った . . . 本文を読む

澁澤龍彦の記憶

2018-08-03 04:08:04 |   本  
  「澁澤龍彦」という名前に畏敬の念にも似た感情がわき上がってくるのを抑えきれないのには、 高校生のころに氏の著作を濫読した体験が、拭いがたいいろいろを僕に植え付けているからに 違いない、かと。   というわけで、ちょっとした解毒作用を期待(?)して、手に取ってみました。       澁澤龍彦の記憶 :巖谷 國士,養老 孟司,池内 . . . 本文を読む

聖なる幻獣

2018-08-03 03:57:00 |   本  
  例えば、古い「うつわ」の絵柄、図案などを眺めていると、 神話的、説話的なイメージが簡潔に図案化されているなぁと思うのだが、 一方で、あまりにもリアルな描写というのは「うつわ」の図案には向いていないようで。 精緻に過ぎるデッサンは「祈り」や「願い」には向いていない、と言うべきか? ちょっとおおらかなくらいがちょうど良いのかもしれない。   人の営みの歴史の中で、 . . . 本文を読む

神代文字の思想 ホツマ文献を読み解く

2018-08-03 03:34:32 |   本  
深く掘り下げるには難しいジャンルだけど、よく1冊の本として成立したなぁと。 著者の力業に驚かされるが、それにもどこか冷めた態度を感じるのには、 やはりこのテーマは深入りするとちょっと危険な匂いがするからか?   近世における神話的切実さっていうのは、 現代の僕らにはちょっと測れないところがあるような気がしているのだけど、 いわゆる歴史のメインストリームとは違う流れにもその切実 . . . 本文を読む

最初の1冊

2018-06-12 20:58:07 |   本  
  須田悦弘作品をヴァンジ美術館が展示する!という報せを聞いて、 すぐにでも見にいくつもりでいた。 会期は4/22〜10/30。 須田悦弘 ミテクレマチス | ヴァンジ彫刻庭園美術館   だが、図版の出来上がりが6月になるという話も同時に聞いた。 そもそも、展示の仕方が肝心な要素である須田作品。 展示ができ上がってからでないと、図版作成ができ . . . 本文を読む

色の飽和の果て

2018-03-29 05:05:55 |   本  
  何の気なしに手に取った一冊だが、 忘れがたい触感を残してくれる言葉であふれていて、 とっても気に入っている。 例えば、    白は色の不在ではなく、色の飽和の果てである。   なんて言葉が日本人の美意識の考察にふっと差し込まれていると 我が意を得たり!とさえ思う。 短いエッセイが百の断章で編まれているのだが、 こういう言葉へ至るまでのエッセイ . . . 本文を読む