「え?」
予想外の単語にカレンは目を見開いて固まる。
「にん、しん?」
目の前の華奢な少女は何を言ったのだろう。
その身体にもう一つ命がある?
「病院は?」
「行ってない。行けない。」
弱弱しく首を振るルルーシュの手首を捕まえて、告げる。
「とりあえず、医者にみせよう。表が嫌なら、あっちの。」
「え、カレン・・・。」
カレンは混乱した頭で、ルルーシュの手を引いて、歩き出す。
とにかく確かめよう。はっきりさせなきゃ。
全てはそれからだ。
パニックになる頭で浮かんだのは、それ。
「御懐妊です。今8週目ですね。」
黒の騎士団やキョウトの面々がかかる医者にそう告げられた。
ルルーシュとカレンは揃って、ぽかーんとした顔をしていた。
女性である医師は少し、困った顔をしながら、そっとルルーシュの手をとって告げる。
「・・・どうなされます。産まれますか?それとも堕胎されますか?」
「堕胎?」
「もし・・・、その望まれないのなら、早いうちにそうなさることを勧めます。母体への負担も大きいことですから。」
ブリタニアに支配されてから、イレブンの女性が暴行されるという事件は少なからず起こっている。そういう背景もあり、医師はおめでとうと告げる前より、そう告げるようになっていた。
「堕胎・・・、この命を殺す?」
呆然と呟き、医師に取られていないほうの手で下腹部を押さえる。
脳裏をよぎったのは、スザクの顔。
「・・や。」
「え?」
「いやだ。この子、殺したくない。」
零れたのは、その言葉。先がどうとか、そんなことは頭になかった。
ただ、嫌だった。この命の存在を知って、それを失うのが。
さっきまで認めたくなかったくせに。
ぎゅっと手に力が篭る。
顔を上げると、医師が優しく微笑んでいた。
「あなたがそう願ってくれるなら、きっとこの子は幸福になれるわ。」
「先生・・・。」
「あなたが産みたいと願うなら、私は全力であなたに力を貸します。・・・おめでとうございます。」
下腹部に当てた手に手を重ね、ほんとうに優しくいわれた。
泣きそうになった。
ルルーシュの隣でその様子を見守っていた。カレンが大きなため息を吐いた。
「・・・カレン・・・。」
「ああ、もう。色々言いたいことも、聞きたいこともありすぎるから、とりあえず、これだけ言っとくわ。」
「?」
「おめでと。ルルーシュ。」
ちょっと呆れたような顔をしながら、でも笑顔を作って、カレンが告げる。
「・・・・ありがと・・・。」
堪え切れずに零れたのは一筋の涙。
予想外の単語にカレンは目を見開いて固まる。
「にん、しん?」
目の前の華奢な少女は何を言ったのだろう。
その身体にもう一つ命がある?
「病院は?」
「行ってない。行けない。」
弱弱しく首を振るルルーシュの手首を捕まえて、告げる。
「とりあえず、医者にみせよう。表が嫌なら、あっちの。」
「え、カレン・・・。」
カレンは混乱した頭で、ルルーシュの手を引いて、歩き出す。
とにかく確かめよう。はっきりさせなきゃ。
全てはそれからだ。
パニックになる頭で浮かんだのは、それ。
「御懐妊です。今8週目ですね。」
黒の騎士団やキョウトの面々がかかる医者にそう告げられた。
ルルーシュとカレンは揃って、ぽかーんとした顔をしていた。
女性である医師は少し、困った顔をしながら、そっとルルーシュの手をとって告げる。
「・・・どうなされます。産まれますか?それとも堕胎されますか?」
「堕胎?」
「もし・・・、その望まれないのなら、早いうちにそうなさることを勧めます。母体への負担も大きいことですから。」
ブリタニアに支配されてから、イレブンの女性が暴行されるという事件は少なからず起こっている。そういう背景もあり、医師はおめでとうと告げる前より、そう告げるようになっていた。
「堕胎・・・、この命を殺す?」
呆然と呟き、医師に取られていないほうの手で下腹部を押さえる。
脳裏をよぎったのは、スザクの顔。
「・・や。」
「え?」
「いやだ。この子、殺したくない。」
零れたのは、その言葉。先がどうとか、そんなことは頭になかった。
ただ、嫌だった。この命の存在を知って、それを失うのが。
さっきまで認めたくなかったくせに。
ぎゅっと手に力が篭る。
顔を上げると、医師が優しく微笑んでいた。
「あなたがそう願ってくれるなら、きっとこの子は幸福になれるわ。」
「先生・・・。」
「あなたが産みたいと願うなら、私は全力であなたに力を貸します。・・・おめでとうございます。」
下腹部に当てた手に手を重ね、ほんとうに優しくいわれた。
泣きそうになった。
ルルーシュの隣でその様子を見守っていた。カレンが大きなため息を吐いた。
「・・・カレン・・・。」
「ああ、もう。色々言いたいことも、聞きたいこともありすぎるから、とりあえず、これだけ言っとくわ。」
「?」
「おめでと。ルルーシュ。」
ちょっと呆れたような顔をしながら、でも笑顔を作って、カレンが告げる。
「・・・・ありがと・・・。」
堪え切れずに零れたのは一筋の涙。