あけるの菓子箱

スピッツ・りんとロシアンブルー・ミトン…異種多頭飼いの我が家の徒然☆

桃の手紙【猫の事】

2008-03-22 | 犬と猫の事



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桃の手紙
~作画・落合崇秀~
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   『ママ、ママ、大好きだよ』
   『ママもミー君のこと大好きよ』
 
   『ママ、私もママ大好き』
   『ママもマリちゃんのこと大好きよ』
 
   『私だって大好きだもん』
   『ママもミニちゃんのこと大好きよ、さあみんな、ねんねですよ』

ママ猫と、ミー君、マリちゃん、ミニちゃんは、仲良くねんね。
いつもとかわらない、四人の安らかで幸せな時間。
いつものように、幸せな「おはよう」があるはずでした。



・・・でも、目覚めた子猫たちの目に映ったのは、見たことのない景色。

   『ココはどこ?どこなの?』

それ以上に、驚いて、悲しかったのは、ママがいなかったこと。
冷たい固い段ボールの中に、たった三匹…。

   『ママーっ!!ママーっ!!』

何度も何度も、三匹の子猫は呼び続けました。



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何も食べてなくて、お腹がペコペコで、フラフラしてきた。
でも、僕たちは声が枯れるまでママを呼んだんだよ。何度も何度も…
力を振り絞って『ママーっ!!ママーっ!!』って。


でも、やってきたのはママじゃなかった。


たくさんの、人間たちがやって来た。
僕たちのことを『かわいい』『かわいい』と言って
乱暴に持ち上げたり触ったりしたんだよ。


怖くて怖くて…
痛くて、苦しかった。


僕たちは『かわいい』ってことの意味は分からなかった。
けど、凄く怖い言葉だと思ったの。


そんな人間がたくさん来て、去っていった一日…。
僕たちは、ヘトヘトになって眠ったよ。
ママのことを考えながら…



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朝がきたのに、一番おちびのミニちゃんは
いつまでたっても起きなかったの。


   『どうしたの?ミニちゃん!』


僕ととマリちゃんは何度も何度もミニちゃんを呼んだけど
ミニちゃんは眠ったまんま
今度は触って起こそうとしてみたら
いつもポカポカで暖かいミニちゃんのお腹が、冷たかったんだよ。


   『なんでミニちゃん冷たいの?』
   『なんでミニちゃん起きないの?』
   『なんでミニちゃん動かないの?』


僕たちはミニちゃんに話しかけたけど、ミニちゃんは返事をしなかった。


   『マリちゃん、きっとミニちゃんは疲れて寝てるんだよ』
   『そうだね、もう少し寝かせといてあげようか…』


そんな話をしていたら、また人間たちがいっぱいやってきたんだよ。
昨日と同じように僕たちを乱暴に持ち上げて
『かわいい』『かわいい』と言ったよ。
そしてミニちゃんを見て『死んでるね』『かわいそう』と言って
ミニちゃんを土の中に埋めてしまったの。


   『やめて』って何度も言ったのに
   『やめて』って何度も叫んだのに


僕たちは自分の力で箱の中からも出ることも出来ず
ミニちゃんを守ってあげることが出来なかった。

怖くて・・・悔しくて・・・涙がでた。

疲れきった僕たちは
二人身を寄せあって、眠ったんだ。


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次の朝、また人間がやってきた。
僕たちは怖くて怖くて、もうヘトヘトだったけど、声を振り絞って言ったんだよ。


   『あっちへ行って!何もしないで!ママ助けて!怖いよ!』


でも、今度の人間は
何も言わずに、僕たちをそっと抱き上げた。
そして何処かへ…。









着いた場所は、なぜかママの香りがしたんだ。
僕たちは、その「ママの香り」に近付き…飲んだ。


   『ママの味がするね』


『ミルクだよ、いっぱい飲んでね』 そう人間が言ったよ。


いっぱい飲んだら、お腹の中が熱くなって、ポカポカしてきた。
そして、久ぶりの暖かさに包まれて眠ったよ。
人間は、僕たちを二人だけにして、そっとしておいてくれたんだよ。


目が覚めるとあれだけ弱っていた身体が、少しだけ元気になっていたの。
横を見ると、マリちゃんも少し、元気そうだった。


そしてその人間がまた温かいミルクを持ってきてくれた。
『いっぱい飲んでね。ゆっくり仲良くなろうね』
そう言って、ちょっと離れたところから、僕たちを笑って見ていたよ。


次の日も次の日も、そのまた次の日も…



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ママへ




ママは元気ですか?ミー君だよ。



僕たちに、新しいママが出来たんだよ。



そのママは人間だけど、凄く優しいんだ!!



僕たちのしたいこと、嬉しいこと、なんでもわかってくれるママなの。



そうそう新しい名前が付いたんだよ『桃』って名前なんだ!



マリちゃんは『ラナ』になったよ♪



僕たちは元気だよ♪



幸せです。



でも僕たちは、本当のママの顔を良く思い出せなくなってきちゃったんだ。










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作者&挿絵:落合崇秀陶房・落合崇秀

協力:ブログ友達♪


●ブログ絵本を書いての後書きです。
http://blogs.yahoo.co.jp/ochiai_takahide_toubou/11608677.html


●落合崇秀へのコメントはこちらにどうぞ。
http://blogs.yahoo.co.jp/ochiai_takahide_toubou/11608579.html


●転載元
http://blogs.yahoo.co.jp/ochiai_takahide_toubou/20909600.html



最後まで読んで頂きありがとうございました。
共感してくださった方、是非、転載お願いします。
そしてお子様が居る方、子供さんに読んで聞かせてあげてください。
この絵本でこの世から捨猫、捨犬が少しでも減ることを信じて。

そして共感して転載して下さった方
1年後2年後にもう一度転載してください。
新しい人に見て貰えます。
その時赤ちゃんだったお子が理解できる歳に成っています。

是非、宜しくお願い致します



初掲載2008年2月10日
第2版~2008年2月14日
第3版~2008年2月18日




落合崇秀陶房からのお願い
1.Yahoo!ブログ開設者以外で転載される方は転載報告してください。
  http://blogs.yahoo.co.jp/ochiai_takahide_toubou/21033598.html

2.著作権は放棄していません。
  転載&プリントアウトする場合は『落合崇秀』の名前および『注意書き』まで
  載せてください。



落合崇秀陶房
落合崇秀


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natsuさんそして何より、作者・挿絵の落合崇秀陶房・落合崇秀さん
ありがとうございました
一匹でも多く、可愛そうな動物たちが減りますように…
小さなお子さんがいらっしゃる方、どうぞこの思いを広めていってくださいね


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5 コメント

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素敵ですね (クンチ)
2008-03-22 15:01:08
私の体の病である花粉症やその他の病に関しましては
本当によい医師に診てもらっていると感謝しています(^^)

昔、私のおばあさんが飼っていた猫は捨て猫でした。
おばあさんはその捨て猫であった猫を
大変かわいがっていました。
そんな事を思い出してしまいました(^^)

人間はかわいいと言っては
なんにでも気安く近づく傾向がありますよね。
私にもなんとなくですけれど経験はあります。
でも私の場合、私自身は全然かわいくないのですよ。
あの時は戸惑いましたが
なんとか立ち直りつつある今日この頃です(y^^y)

『桃の手紙』
素敵な物語ですね(^^)
ありがとうございましたm(_ _)m
返信する
コメント (YORIKO)
2008-03-24 09:17:38
ありがとうございます。
この「桃の手紙」ほかのブロガーさんのところでも拝見しました。
いろんな出会いと別れがあると思いますが、ひとつでも小さな命が幸せになってくれると嬉しいですよね。
あけるさんのところは、犬と猫がいるんですね!
種族が違っていてもこんなに仲のいい写真を見ると癒されますね~。
また遊びにきますね。
返信する
いい (machan)
2008-03-24 11:45:00
お話ですね。イラストもステキ
小さい頃に動物を飼うって事はいい事だと思うのです。
だからといって世話をおろそかにしちゃあいけないし
命の大切さというものを教えてあげないといけないけど
それにはこの本はとてもいいマニュアルになりそう
返信する
Unknown (natsu)
2008-03-24 22:55:07
切なく心痛くなります。。。

あけるさん、転載ありがとうございました!
多くの方に読んでもらえるといいですよね(^^)
返信する
■返信です (あける)
2008-03-26 13:03:21
 クンチさん
この物語は、自分の小さい時に可愛がってくれた祖父母
兄弟が飼っていた小さなものたち、そんな優しいものを
思い出させてくれますね
同じ気持ちの人は多いはずです
殺伐とした時代ではありますが、こういう優しい気持ちを
忘れたくないものですね

 YORIKOさん
二匹が最近、あまり登場しないのですが(笑)
でも相変わらずくっついたり離れたり、彼女らなりに
楽しい毎日を送っていますよ
桃の手紙は、私はnatsuさんのところで初めて見ました
そうか~、皆さん結構転載してくれているのですね

 machanさん
子供の頃って、つい小さな動物の扱いがわからないばかりに
誤って傷を負わせてしまったりし易いですよね
こんな物語に親しんでいれば、自分と同じ様にペットも
傷つけば痛いのだと、当たり前の事ではあるけれど気付いて
もらえるはずです
小さな変化ですが、とても大事なんですよね…

 natsuさん
natsuさんのところで告知してから、少し時間が経っての転載でした
でも記事に出来てよかったわ
一人でも多く、心の優しい子供が育ってくれたらと思うのです
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