登場人物名
* 集英社 『ベルサイユのばら大事典』の登場順に準じています。
* ( )がついているのは、『ベルサイユのばら大事典』 と Kana版 で表記が違っているもの。
( )内が、『ベルサイユのばら大事典』 での表記。
* リサーチには、Google フランス を使用しました。
1.Marie-Antoinette, Jeanne de Lorraine
マリー・アントワネット
2.Hans Axel de Fersen ( Hans Axel von Fersen )
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン
Kana版では、フランス人以外の登場人物も全てフランス語表記しているので、ドイツ語の von は、de となります。
ちなみに、フランスでは外国映画はほぼフランス語吹き替えで見られています。あと、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』にフランス人:フラー・デルクールが出てきてフランス語やフランス語なまりの英語を喋るので、フランス語版ではどのように表現されているのかチェックしてみましたが、かなりフランス語に適応するように意訳されていて面白かったです。日本語版もそうですけどね。
3.Oscar François de Jarjayes
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
4.André Grandier
アンドレ・グランディエ
5.Rosalie Lamorlière ( Rosalie Lamorliére )
ロザリー・ラモリエール
ラモリエールという姓は当然実在します。実用上も、発音・表記上も Kana版の Lamorlière が妥当だと思われますが、人名なので断言はできません。
6.Bernard Châtelet
ベルナール・シャトレ
7.Alain de Soisson ( Alain de Soissons )
アラン・ド・ソワソン
“ソワソン”には表記が2種類あり、Soisson も Soissons も運用されている度合いはそれほど極端には違いません。
8.Jeanne de Valois de la Motte ( Jeanne de la Motte-Valois )
ジャンヌ・バロア・ド・ラ・モット
運用が多いのは圧倒的に Jeanne de Valois de la Motte :ジャンヌ・バロア・ド・ラ・モットでした。『ベルサイユのばら大事典』で、わざわざ、Jeanne de la Motte-Valois :ジャンヌ・ド・ラ・モット-バロアとしたのは、何故でしょうか?ちなみに、映画、“L'affaire du collier ” :「首飾り事件」では、Jeanne de la Motte-Valois :ジャンヌ・ド・ラ・モット-バロアが使われています。映画を見た池田先生のチェックが入ったのでしょうか?
ちなみにもう一つ、フランス人の前で、de:「 ド 」 を発音するときはお気を付け下さい。de は日本語のド:do とは違い、「ド(ゥ)」みたいな感じで子音は軽く発音します。日本語のド:doで発音してしまうと、dos:「ド」/“背中”という言葉に聞こえてしまいます。
9.Louis ⅩⅥ
ルイ16世
10.Marie-Thérèse ( Maria Theresa )
マリア・テレジア
フェルゼンの項に同じ。
11.La Comtesse de Polignac ( Comtesse de Polignac )
ポリニャック夫人
しっかり定冠詞 la を付けないといけないのですね。 冠詞も厄介です。
12.Louis Joseph Xavier
ルイ・ジョゼフ
13.Marie-Thérèse
マリー・テレーズ
14.Louis Charles Capet
ルイ・シャルル
15.LouisⅩⅤ
ルイ15世
16.La Comtesse du Barry ( Madame du Barry )
デュ・バリー夫人
「正式には何の地位もないくせに」と切り捨てられていますが、この人、一応、「伯爵夫人」なのですよね。
17.Général de Jarjayes
ジャルジェ将軍
18.Madame de Jarjayes
ジャルジェ夫人
19.Grand-Mère ( Marrons Glacés )
ばあや
ばあやは本編では名前が出てこないのはともかくとして、Kana版では「ばあや」は、フランス語の乳母: la nourrice / la nurse ではなく、Grand-Mère :「おばあちゃん」と呼ばれています。 孫のアンドレはもちろん、オスカルも Grand-Mère :「おばあちゃん」。なんとジャルジェ将軍も Grand-Mère :「おばあちゃん」。貴族のお家で実際にこのように呼ぶことがあったのかどうかは知りませんが、ばあやがジャルジェ家で大変愛され大事にされていたことが感じられます。
20.Girodelle ( Comte de Girodel )
ジェローデル
ジェローデルは、フランス語表記ではどう頑張っても“ ジローデル ” です。日本語の響きでは、イマイチ感があると思うのは、筆者だけでしょうか。
Gerodelle、Jerodelleでは、フランス語の音か意味で、不都合なのでしょうね。
Girodelleは実在する姓ですが、そんなに多くは使われていないようです。Girodelle も Girodel も実際に運用されています。
オリジナル・テキストではジェローデルのファースト・ネームは出てきませんが、 調べてみますと
Victor Clément de Girodelle
François de Girodelle
の2種類がありました。
後者はフランスの漫画ファンサイトにありましたが、オスカルと名前がかぶるのはあり得ないと思うので、前者が正しい名前でしょう。
Victor > victoire : 勝利
Clément > clémence : 寛大、寛容、穏やかさ
良い名です。
21. Maximilien de Robespierre ( Maximilien-Marie-Isidore de Robespierre )
マクシミリアン・ド・ロベスピエール
長いですね。オリジナル・テキストには、名前の一部しか出てきませんでした。
22. Louis Antoine Léon Florelle de Saint-Just ( Antoine-Louis-Léon de Saint-Just )
ルイ・アントワーヌ・レオン・フロレル・ド・サン・ジュスト
オリジナル・テキスト(日本語)では、サン・ジュストの名はルイ・アントワーヌ・レオン・フロレル・ド・サン・ジュストと書かれ、これはKana版: Louis Antoine Léon Florelle de Saint-Just と一致しているのに、『ベルサイユのばら大事典』では、Antoine-Louis-Léon de Saint-Just を採用。
運用度は、Antoine-Louis-Léon de Saint-Just がLouis Antoine Léon Florelle de Saint-Just の 約2倍ですが、両方とも使われていることには変わりません。
ちなみに、ロンドンにあるナショナル・ポートレート・ギャラリーにあるサン・ジュストの肖像画では、Antoine-Louis-Léon de Saint-Just になっているようです。常設展示されているかどうかは分かりませんが、ロンドンに行かれる際にはチェックしてみられてはいかがでしょうか。
このリサーチで驚いたのは、歴史上の実在の人物の人名などぶれがあるはずがないと思っていたのに、たったこれだけのデータの中で、表記が一致していない人物名がいくつも出てきたことです。
………この記事、「ちなみに」 も、異常に多くなりました。
ステキで知的なブログに感激です!
私、ジェローデルさま大好きなので
彼の名前の意味がわかって感動しました。
フランス語版ベルばらをここまでよみこなしているとは、フランス語専攻したりとかしていたのでしょうか?あこがれます☆
ちょこちょこよらせていただきますのでどうぞよろしくmm
突然、怪しい書き込みをしたので、びっくりされたかと思います。失礼いたしました。^^;
mixiでお見かけし、まるかさまのブログを拝見して、うるうるしてしまいました。
これからも、拝見させていただきます。
「はじめに」に書きましたが、私のフランス語はまだまだです。勉強を兼ねて、このブログを始めました。
後ほど、mixiで、メッセージ送らせていただきますね。どうか、よろしくお願いいたします。