La Rose Bleue

『ベルばら』でフランス語、ハリポタで英語をお勉強

地位・身分のフランス語表記・表現①

2006-04-08 10:36:27 | ベルばら@フランス語

◆JSBさまからのご指摘を受け、修正しました。4月17日(月)

 JSBさま、教えていただいて、ありがとうございました。m(v_v)m

 

軍隊に関する語のフランス語表記

※記述順は、だいたいストーリーの展開順。あとは、思いつきです。

※大文字と小文字の表記については、Kana版は全て大文字で表記されているので、正確なところは分かりません。ここでは、冠詞・助詞を小文字で表記してみました。

 

1.la Garde Royale (ラ・ガルド・ロワイヤル) 「近衛隊」

  言わずとしれた、オスカルの、そしてジェローデルの職場です。

 

2.les Gardes Françaises (レ・ガルド・フランセーズ) 「フランス衛兵隊」

  オスカルの最初で最後のわがままによる転属先ですね。

 

3.Soldat (ソルダ) 「軍人」 「兵士」

   「軍人」、「兵士」、「武官」 と日本語で言うと、だいぶ語感が違いますが、kana版では、すべて “soldat” と訳されています。

  オスカルの出生時の父・ジャルジェ将軍の言葉。

  Je ferai d'elle le meilleur soldat de toute la France !

  「わたしは、彼女をフランス一の軍人にする。」

 

  黒い騎士事件の時のアンドレの言葉。

  “ Un soldat ne doit jamais se laisser guider par ses sentiments personnels !

  「武官はどんな時でも感情で行動するべきじゃない!」

 

  そういえば、筆者の知人のフランス人 (フランスの大学で日本文学専攻・日本オタク・漫画家を志したけど、それではご飯が食べられそうもないので大学で日本語を勉強し、日本で公務員をしてた) が、こんなことを言ってその場にいた全員を “どん引き” 状態に陥れたことがありました。

  「“ soldat ” とは、英語で言うと、“ soldier ”、日本語で言うと、“兵士”、または “つわもの” ですね。」

  …夏草や 兵(つはもの)どもが 夢のあと   … 松尾芭蕉 …

  …………………

  彼は、「彼が思い描いた舞妓さん」 (実際の舞妓さんとは明らかに違ってました) みたいな女の子が日本に(地球上に?)存在しないことにやっと気付き、昨年フランスに帰りました。(^^;)

 

  なお、和仏辞典によると、「武官」 は、“gens d'épée “ または “militaire” 、「軍人」 は“soldat”、“militaire” または “gens de guerre”、「兵士」 “soldat” となっていました。   

◆JSBさまからのご指摘を受け、guerre の綴りを修正しました。

gens d'épée、 militaire、gens de guerre の意味も、この説明とは異なるとのご指摘をいただきました。詳しくは、JSBさまのコメントをご参照下さい。

 

4.le Supérieur (ル・スューペリュール) 「上官」

  オスカルは、ニコラ・ド・ラモット、ジェローデル、アランらの上官でした。

 

5.le Capitaine (ル・カピテーヌ) 「大尉」

  オスカルが、はじめについた位です。

 

le Capitaine Nicolas de la Motte(ル・カピテーヌ・ニコラ・ド・ラ・モット) 「ニコラ・ド・ラ・モット大尉」

  ローアン大司教に頼まれて、オスカルがしぶしぶ近衛隊に入隊させたニコラ・ド・ラ・モットの階級も大尉でした。

 

6.le Colonel (ル・コロネル) 「大佐」

  マリー・アントワネットが即位した時、国王にお願いしてオスカルを昇進させてあげた階級。

 

Monsieur le beau Colonel de la Garde Royale (ムッシュー・ル・ボー・コロネル・ド・ラ・ガルド・ロワイヤル) 「近衛隊の美しい大佐殿」

  なかなかアメリカから帰ってこないフェルゼンのことでいらいらしていたオスカルが、酒場で飲んだくれて暴れていた時、ロベスピエールが言った言葉。

  「美しき近衛隊士君。」

 

Colonel Étranger du Régiment Royal Suédois (コロネル・エトランジェ・デュ・レジマン・ロワイヤル・スエドワ) 「スウェーデン近衛連隊の外部(外国人の?)大佐」

  マリー・アントワネットがフェルゼンに与えた地位。「 ロワイヤル・ドゥー・ポン連隊付き員数外大佐 」

 

7.le Lieutenant (ル・リュートナン) 「中尉」

  ジェローデル初登場時の階級。

 

Lieutenant de Girodelle (リュートナン・ド・ジローデル) 「ジェローデル中尉」

  …でも、オリジナル・テキストでは、「ジェローデル大尉」でしたよね。

  大尉は、前述のように “Capitaine“。

  なお、陸・空軍大尉は “Capitaine”、海軍大尉は “Lieutenant” だそうです。

  18世紀と現代では階級が違うの? でも、オスカルと同じ「大尉」だったら、“Capitaine”としても良いでしょうに。Kana版の謎の一つです。

  “Lieutenant”には、「代官」みたいな意味もあるようです。

 

8.le Sous-Lieutenant (ル・スー・リュートナン) 「少尉」

  士官学校を出た時、アランがもらった階級。その後上官を殴って兵卒 “soldat” に降格。

 

 

9.le Commandant (ル・コマンダン) 「指揮官」 「司令官」 「少佐」

  オスカルのフランス衛兵隊での地位。 「隊長」

 

le Commandant des Gardes Françaises à Versailles (ル・コマンダン・デ・ガルド・フランセーズ・ア・ヴェルサイユ) 「フランス衛兵隊のベルサイユ常駐部隊長」

 

Commandant Oscar François de Jarjayes (コマンダン・オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ) 「オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ 司令官」

  平民議員を排除しようとする近衛隊を止めに颯爽と馬に乗ってジェローデル率いる近衛隊やラ・ファイエット侯の前に現れた時、オリジナル・テキストで

  「オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ准将……!!」

  と形容されている部分が、Kana版では、上記のように表現されています。

 

le Commandant de la Cavalerie de la Garde Royale (ル・コマンダン・ド・ラ・カバルリー・ド・ラ・ガルド・ロワイヤル) 「近衛騎兵隊先頭指揮官」

  ジェローデルの影の薄い初登場。姿をくらませたド・ラ・モットの代わりに、オスカルがジェローデルに任命した地位。

 

Commandant de Girodelle (コマンダン・ド・ジローデル) 「ジェローデル少佐」

  オスカルにプロポーズしに来た時のジェローデルの階級。

同じ “Commandant” でも、ジェローデルの方は、軍隊の階級名なのですね。

 

10.le Général de Brigade (ル・ジェネラル・ド・ブリガード) 「准将」

 

Général de Brigade de Jarjayes (ジェネラル・ド・ブリガード・ド・ジャルジェ)   「ジャルジェ准将」

  Kana版では、オスカルが「准将」であることが明確に分かるのはTome2でブイエ将軍の閲兵式でアラン達が反抗し、ブイエ将軍がオスカルを責めた時です。

 

  首飾り事件でオスカルが昇進した時、ジャルジェ将軍は、

  “ Vous allez être promu Général.

  「Général (将軍)に昇進するだろう」

  と言っているだけで、詳しい階級には触れていません。

  昇進後も、単に “Général de Jarjayes” 「ジャルジェ将軍」 と呼ばれています。

 

  オスカルが黒い騎士を捕らえたのを知って、父・ジャルジェ将軍が喜んで、

  “Votre promotion au grade de Général de Division se précise !”

  「少将への昇進は間違いない!」

  というところで、「少将の下の Général =准将」 と類推はできるのですが。

 

  ブイエ将軍は、自分との階級差を明確にするために、 Général de Brigade de Jarjayes「ジャルジェ准将」 と呼んだのでしょうか。「すまじきものは、宮仕え」…ですね。

 

11.le Sous-Officier (ル・スーゾフィシエ) 「下士官」

 

Sous-Officier Hulin (スーゾフィシエ・ユラン) ※適訳不明

  テュイルリーでの戦闘で、オスカルが指揮を続けられなくなった時、後を託した相手=実在のバスチーユの英雄、「 ピエール・ユラン伍長 」。オスカルのモデルとなった人物だそうです。

  和仏辞典によると、「伍長」は、“ Sergent ” (セルジャン) もしくは “ Caporal ” (カポラル) です。実際にどのような階級だったかは、フランスで出版されているフランス革命史を詳しくひもとくとわかるでしょうね。(誰が?)

 

12.le Caporal  ( ル・カポラル ) 「伍長」

 

Caporal Pierre Durand (カポラル・ピエール・デュラン) 「ピエール・デュラン伍長」

  訓練中にフランソワ・アルマン François Armand が栄養失調で倒れた時、オリジナル・テキストでは 「ピエール・ユラン伍長」 がオスカルに命じられて対応しています。Kana版では、これが何故か、「ピエール・デュラン伍長」になっています。

  何故?

  ちなみに、“ le petit Caporal ” 「ちびの伍長」…というのは、ナポレオン・ボナパルトのあだ名だったそうです。

 


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4 Comments

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Unknown (まる)
2006-04-09 23:17:53
わわ!

ちょっと留守にしたら!!!

しかも、萌え燃えなお題☆まってました!



☆Commandant de Girodelle☆



ん~イイカンジ!

なんか読んでいたら盛上がってしまい、フランス語版アニばらのDVD注文してしまいました^^;



まずは、この章を見ながら、階級だけでも聞き取ろうかな!
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週末にまとめ書きです~ (club_3)
2006-04-09 23:37:50
まるさま(まるかさま?)こんばんは!



まるかさまのブログの階級分析に刺激されて、書いてみました~!



フランス語を綴っていると、「オスカル様やジェロ様はこのようにお話しされていたのね…」と、想像が膨らみ、妙に萌えてしまいます♪(←…変態…?)



>フランス語版アニばらのDVD



!!!!!!

なんと、そんなすごいものが入手できるとは

!!!!!!

アニばらには絶対手を出すまいと心に誓っていた私ですが、「おフランス語の学習」という名目で、購入してしまいそうです!!

(実は、『ハウルの動く城』も、見ないつもりだったのにフランス語版で見てしまった私;;)



貴重な情報、ありがとうございました!!
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おじゃましま~す (JSB)
2006-04-17 20:54:27
club_3さんは自分の読み取りがたくさん間違っていると思うと言ったのに私は今までは正確な読み取りしかないと思います。club_3さんはLiaisonsもよく読めるそうです。

“gens d'épée “ (剣客たち)または“homme d'épée“(剣客、英語で“swordsman“)って“militaire”とちょっと違います。“gens d'épée “ と“homme d'épée“って剣を使う武官だけに使って、“militaire”って武官などを指す一般的な名称です。

また、“guerre“には二つの“R“があります。

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いらっしゃいませ♪ (club_3)
2006-04-17 21:35:25
JSBさん、こんにちは!



Merci à votre correction!!

間違いを直して下さって、ありがとうございます。

私のフランス語は、全然良くありません。(^^;)

もっと勉強して、自分の考えを、フランス語できちんと説明できるようになりたいと思っています。

これからも、私の知らないことをたくさん教えて下さいね。

よろしくお願いします!!









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