La Rose Bleue

『ベルばら』でフランス語、ハリポタで英語をお勉強

フランス語の動詞 ②

2006-07-06 06:07:14 | フランス語の基礎

er 型動詞 aimer  その2

 

 今回は直説法現在2人称単数の tu と vous の活用を見ていきます。

  

 まずは、2人称単数の tu の活用 : tu aimes を、Kana 版テクストから。

Tome 2

 命をかけて、父・ジャルジェ将軍の刃から自分を守ってくれたアンドレ。

 そのアンドレに、ついに、愛を告白したオスカル・フランソワ。

 しかし、自分の無力さに打ちのめされている彼女は、まっすぐアンドレの胸に飛び込むことが出来ません。しかし、アンドレはそんな彼女の自責の言葉を、言葉を失いながらも、強く否定します。そんなアンドレに、オスカル・フランソワは問います。

M'aimes-tu malgré cela !?

(   メーム   テュ マルグレ   スラ!?)

「それでもおまえは私を愛しているか!?」

OT「それでも愛しているか!?」 (集英社文庫第4巻)

 

 ◇ m  =me (ム):私 ; 1人称単数の人称代名詞

             Je t'aime. 同様、aimer には目的語が不可欠。ここでの目的語は me

  ◇ aimes-tu ?: tu aimes を倒置した疑問文。

      M'aimes-tu ? =Tu m'aimes の倒置疑問文 

  ◇ malgré :(prep)~にもかかわらず、~を無視して

 ◇ cela : (pronom démonstratif ) そのこと、それ、

 ◇ malgré cela : いずれにせよ、とにかく

 

 フランス語の疑問文の作り方は3通りあります。

 Tu m'aimes. (テュ メーム)を例にしてみますと、

  ①主語と述語を倒置する。          M'aimes-tu ?

                                                 (メーム テュ?)  

  ②文頭に est-ce que をつける。   Est-ce que tu m'aimes ?

                       ( エ  ス   ク  テュ  メーム?)

  ③文末をあげる。                         Tu m'aimes

                          ( テュ  メーム?) 

 ①の倒置疑問文は、最も格調高い一方、現代では、会話にはほとんど使いません。しかし、18世紀のフランスを描いた La Rose de Versailles では、高頻度でこの疑問文が使われています。

 オスカル・フランソワの激白、熱情的ですが、格調高いお言葉です。

 

 

 次に、2人称の vous の活用 : vous aimez を、Kana 版テクストから。

Tome 2

 アンドレの大犯罪・毒殺未遂事件、パリの暴徒による襲撃事件などを経て、アンドレに対する自分の気持ちの変化に気づき、そして優しいお母さまから父・ジャルジェ将軍の気持ちを知らされて、揺れていた気持ちの整理がついたオスカル・フランソワは、求婚者・ジェローデル少佐を呼び出します。

Est-ce que vous m'aimez vraiment

( エ    ス    ク    ヴー      マヴェ       ヴレマン     

comme vous me l'avez dit ? 

     コム    ヴー     ム    ラヴェ  ディ?)  

「あなたが(以前)私にそうおっしゃっられたように、本当にあなたは私を愛していますか?」

OT「いつぞやのことばどおり……

  …ほんとうにわたしを愛してくれているか……?」(集英社文庫第3巻)

                                   

 ◇ vraiment :(adv)本当に

 ◇ comme : ( conj )~のように 〔 な 〕 、~と同じように 〔 な 〕

  ◇ l' =le : 中性代名詞 pronom neutre  ここでは、vous m'aimez を受けている。

  ◇ avez > avoir (aux) 2人称複数 

  ◇ dit > dire 言う の過去分詞 participe passé

 ◇ avoir dit で複合過去を作る。複合過去については、別の機会に。

        ともかく、過去のことを表現しているものです。

 

 オリジナル・テキスト(日本語)と比べ、甚だ他人行儀なオスカル・フランソワのお言葉。

 ここでは、倒置疑問文ではなく、文頭に est-ce que を付けた疑問文です。

 あくまでも筆者の印象ですが、me =自分=オスカル・フランソワ が目的語になっているこの問いの場合、M'aimez-vous といきなり自分を文頭に出して問うよりも、est-ce que から始まる疑問文で、me =自分を文の途中に置く方が控えめで上品のような気がします。

 アンドレには、M'aimes-tu … とme =自分を文頭に置いて問うていて、倒置疑問文ではあるのですが、ストレートに気持ちをぶつけているような気がします。

 筆者の思い込みかもしれませんが、ここにも、ジェローデル少佐とアンドレ・グランディエに対するオスカル・フランソワの気持ちの温度差が現れているのかもしれません。

 このとらえは、フランス語の理解として正しいかどうかは、わかりませんが…

 

 ただし、激しい愛の方が 「 強い愛 」 であるかどうか…

  それはまた、別問題であると筆者は思うのですが。


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1 Comments

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Unknown (ぶろぐひろば)
2006-07-08 01:56:47
突然申し訳ありません。

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