マラみて

アロエ「お姉さま、『ゲド戦記』の中で一番面白かったとか良かったという場面はありましたか？」
マラリヤ「随分とくだらない質問ね」
アロエ「そ、そうですよね…ばかげた質問ですよね……すみませんでした」
マラリヤ「そんな聴き方されたら答えは１つしかないじゃないの」
アロエ「え？」
マラリヤ「最後の所に決まってるじゃない」
アロエ「最後と言いますと？」
マラリヤ「話が終わった後のエンディングロールで流れる『手嶌葵（新人）』の『（新人）』って書かれた文字の所しかないでしょう？」
アロエ「ええっ！？？お姉さまもそこでしたか！」
マラリヤ「ということはアロエ、あなたもそこなのね」
アロエ「はいっ、同じです！テルー役の『手嶌葵（新人）』っていう所で思わず泣いちゃいました。だって彼女の名前の後にだけ『（新人）』なんて付いてるんですよ、あまりのジブリの潔さに私感動しちゃって」
マラリヤ「そう、『ゲド戦記』の本質はすべてこの『（新人）』という一文字に集約されるのよね。むしろこの一文字の為だけにこの映画は存在するといっても過言ではないわね。」
アロエ「思い出すだけでも涙が出ちゃいそうです」
マラリヤ「私も思い切り泣いてしまったわ。笑い泣きだけどね」

～～完～～