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予想外れ

2020-07-23 08:53:25 | 環境汚染

「夏に収束」予想外れ 記録的な猛暑の米国で感染が増え続けているのはなぜか?

夏の暑さが新型コロナウイルスの感染拡大を収束させると考えてた科学者がいて、そしてトランプ米大統領は断言していた。しかし、現在米テキサス州、アリゾナ州、フロリダ州では気温が記録的に上昇し、40度を越える猛暑となっているにもかかわらず、新型コロナウイルスの感染も拡大している。それは、なぜなのか? 写真:米ニューヨーク、1000床備えた仮設病院の内部が公開 夏になれば収束すると思われていたーー。 2020年2月、トランプ米大統領は「4月には気温の上昇と共にウイルスが消え去る、と多くの人が考えている」と主張。さらに数ヶ月後には、「体内に日光を取り込む」ことで太陽の驚異の力によってウイルスが死滅する、などという常識はずれの持論を展開した。 ところが、新型コロナウイルスもインフルエンザと同じく高温、日光、多湿によって消え去るだろうと推測したのは、トランプだけではない。多くの科学者もまた、第二波が予想される秋の終わり頃までの数ヶ月間は、感染が一段落するだろうと考えていたのだ。トランプの娘婿で大統領顧問も務めるジャレッド・クシュナーも2020年4月、「6月までに、全米のほとんどの地域は以前の状態に戻るだろう。そして7月までに米国が完全に復活することを願う」と発言している。 そして7月も中旬に差し掛かった今、どうなっているだろう。猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大は手に負えない状態で、米国内では330万人以上が感染し、死亡者数は13万5000人を超えた。感染拡大のホットスポットとなっているテキサス州、アリゾナ州、フロリダ州などは記録的な酷暑に襲われているが、ウイルスが夏の暑さで収束するというには程遠い状況だ。7月12日、フェニックス(アリゾナ州)では今年最高の46.7℃を記録した。またマイアミ(フロリダ州)でも7月7~10日は記録的な暑さに見舞われ、数週間前には1週間の気温が過去最高を記録した。筆者のいるテキサスでは、7月13日にアマリロとラボックで43.3℃、サンアントニオで41.7℃と今月最高の気温を記録したが、病院の遺体安置所が不足したために公衆衛生当局が冷蔵トラックを導入している状態だ。 ・トランプ氏がマスク工場視察、騒音の中で流れていた曲は「死ぬのは奴らだ」

日光や気温、湿度が感染にと言われてきたが

何がどうなっているのだろうか? 「良い質問だ。答えがあるかどうかも私にはわからない」と、ベイラー大学国立熱帯医学校(ヒューストン)のピーター・ホッテズ学長は言う。ホッテズは、米国内で屈指の感染症専門家でもある。 研究室での実験では、一般的な呼吸器系ウイルスは日光や気温、特に湿度が感染に影響することがわかっている。そこで例えば病院では、ウイルスを死滅させる目的で日常的に紫外線を使用している。また湿度によって、ウイルスを含む飛沫が空気中にどれだけ長く浮遊するかが決まってくる。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)そのものは脂肪膜で包まれていて、ある程度温度が上昇するとステーキのように焼けてしまう。 ではなぜ、研究室と実世界とでまったく異なる結果になっているのだろうか。「日光、気温、湿度によるウイルス減退の明確な関係性が解明された訳ではない」とホッテズはメールで回答してくれた。理由のひとつは、病院でウイルス除去に使用されている紫外線(UVC)は、日光として大気を通り抜けてくる紫外線(UVCよりも波長が長く地球上のほとんどの生命にとって不可欠なUVAとUVB)とは異なる点にある。また、新型コロナウイルスは新しいタイプのウイルスのため、誰も免疫を持っていない。だから気温、日光、湿度がウイルスに対して多少の影響を与えていたとしても、現時点で効果を測定することは不可能だ。「新しいタイプのウイルス病原体は免疫のない人々に感染して広まるため、季節と関係ないというのが一般的な説だ」とホッテズは説明する。 気温が上がるとエアコンの効いた部屋に人々が密集するから感染が拡大するのだ、と主張する科学者もいる。しかしホッテズは根拠が薄いと反論する。「結局のところ、このウイルスに関してわからないことがまだまだ多い。米国南部地方全体では引き続き感染が拡大し、入院患者や死亡者の数も増え続けるだろう。さらに、国内の他の地域へも拡大すると考えるべきだ」 ジョージタウン大学グローバル健康科学&安全保障センターで准研究教授を務めるコリン・カールソンは、酷暑とウイルスとの関係性について、やや異なる見解を持っている。カールソンは、科学者たちが答えを見出せないのは新型コロナウイルスに関して研究途上にあるという理由だけではない、と主張する。トランプを始めとする日和見主義の政治家らに都合よく利用されてしまうような欠点だらけの理論を急場しのぎで発表するような過ちを、科学者たちが犯してきたからだという。 「そもそもの方向性が間違っていた。科学者らは、夏になれば収束すると主張していたが、予想は外れた」 カールソンが指摘するように、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めて数ヶ月の間に、ウイルスの季節性を主張する科学論文が次々と発表された。論文のほとんどは査読されておらず、感染症の専門家以外が書いたものも多かった。「何とかしたいと思う人たちが、どんどん議論に参加する状況だった」とカールソンは説明する。

人から人への感染拡大が始まった時点で、ウイルスの生息に適さない環境などない

最もよく引用された論文のひとつに、スペイン国立自然科学博物館(マドリード)のスペイン研究評議会で研究教授を務めるミゲル・アラウジョと、フィンランドの地理学者ババク・ナイミによる『新型コロナウイルスの感染拡大と気候との関係に関する推論(The Spread of CoV-2 Likely Constrained by Climate)』がある。彼らは生態的ニッチや居住地の適合性に着目したモデルを使用して、ウイルスが感染拡大する地域に関する仮説を立てた。「感染拡大のパターンはランダムではなく、冬季に温暖で乾燥した地域の気象条件と密接な関係があった」と論文では書いている。「我々の研究の結果、新型コロナウイルスの発生は季節による気候パターンに左右される。概して同ウイルスは寒冷で乾燥した天候で感染拡大しやすく、極端に寒いか暑い気温や多湿な条件の下では、感染の勢いが衰える」と同論文は主張した。 カールソンは連名で、同論文の内容を批判する記事をネイチャー・エコロジー&エボリューション誌に投稿した。カールソンらは、同論文が採用した種の分布モデリングとして知られる科学的方法論は動植物が生息可能な生態的ニッチを対象としたものであり、人から人へと感染する新型コロナウイルスへ厳密に適用できるものではない、と主張した。 「論文で採用したモデルは例えば、この土は酸度が高すぎて炭疽菌の芽胞に向かないとか、気温が低いとヤブ蚊が媒介するデングウイルスやジカウイルスのようなフラビウイルスが抑制される、といった場合に適用できる」とカールトンは言う。しかし炭疽菌と土壌に関するモデルがそのまま、人から人へと感染するウイルスの経路や地域の予想に適用できる訳ではない。また別の言い方をすれば、氷点下でエイズの原因となるウイルスは死滅するから南極大陸で性行為をしても感染しない、という理屈は通らないということだ。「人から人への感染拡大が始まった時点で、ウイルスの生息に適さない環境など存在しなくなるのだ」とカールソンは指摘する。 しかしアラウジョによる分析に欠点があったからといって、必ずしも悪い科学だとは言えない(アラウジョにコメントを求めたが返事がない)。フロリダ大学の医学地理学者セイディ・ライアンは、科学が機能している証拠だと考える。「感染拡大が始まってから数ヶ月は、各科学者が自分の専門知識を活かそうと争っている状態だった。誰かがひとつの理論を出せば他の誰かが補足したり、或いは批判したりする。つまりひとつの理論を出して終わりではなく、そこから何かが始まるのだと思う」と彼女は言う。 明らかな疑問がある。米国ではトランプと彼の取り巻きが、あらゆる場面で新型コロナウイルスの感染拡大を政治利用してきた。良い科学であれば状況は違っただろうか? 或いは世界屈指のウイルス学者たちが昨年3月に大統領執務室へ押しかけて「夏になっても感染拡大は止まらない」と主張したところで、何かが変わっただろうか? もちろん変わることはない。

ホワイトハウスのやり口はよくわかっている」とホッテズは言う。「彼らは自分に都合の良いデータや理論だけを選び、新型コロナウイルスの惨状に対する一般市民の認識を最低限に抑え、自分たちのウイルス対策と成果を美化しようとしている」 状況が絶望的になるほど、攻撃もエスカレートする。ホワイトハウスの経済顧問を務めるピーター・ナヴァロは最近、USAトゥデイ紙に寄せた論説でアンソニー・ファウチ博士を激しく批判した。ホッテズは「ホワイトハウスによる科学を無視したあからさまなフェイクニュース・キャンペーンだ」と非難している。 科学の問題点は、政治だけでなく人間性とも相容れないことが多いことだ。トランプのような筋金入りの否定論者は別にしても、多くの人々が夏には感染拡大が収束するだろうと信じていたようだ。そうなって欲しいと皆が強く願っていたし、長い夏をじっと過ごすことなど誰も想像したくなかった。「誰でも希望に満ちた考えに執着するものだ」とライアンは言う。「そうなると、どのようなデータが出ていようが、理想的な考え方から離れられなくなってしまう」。 夏の雰囲気を楽しみたければ、外出時にマスクを着用すること。ただし、夏の暑さや日光が自分を守ってくれるなどという考えは捨てるべきだ。


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