アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

シンガポール映画三昧(下)

2023-09-07 | インド映画

インド映画を見まくっているのですが、映画館の中は本当に寒いんです。初日以降は、「寒くないのはどの席ですか?」と聞いて座席指定をするようにしています。が、セーター着てショールをヒザと肩に掛けていてもまだ寒い。こちらの人はそれをノースリーブとかで平気なのですから、若いせいかなあ、とかうらやましく思っています。さて、席数50ぐらいのミニシアター(下写真)も含めて、見た作品の残りを簡単にご紹介します。ネットのつながり具合が極端に悪いので、メモ程度にしてあとで書き足すことにします。(※9月9日、菊の節句に香港で加筆しました)

『Gadar 2(騒乱2)』

2023年/ヒンディー語/170分
監督:アニル・シャルマー
主演:サニー・デーオール、アミーシャー・パテール、ウトカルシュ・シャルマー

2001年の大ヒット作『ガダル ある愛の物語』の続編です。印パ分離独立の時になりゆきからムスリムの娘を助け、ついには彼女と結婚したターラー・シン(サニー・デーオール)が今回も主人公で、妻にしたサキーナー(アミーシャー・パテール)、そして一粒種の息子ジーテーと3人で4仲良く暮らしています。1971年になり、ジーテーももう立派な青年になりました。ところが再び印パ間で戦争が起こり、軍の要請で物資運搬のため戦場に赴いたターラー・シンが行方不明になってしまいます。ある情報筋から、ターラー・シンはパキスタン軍に捕らえられた、と聞いたジーテーは、名を変えてパキスタンに赴き、父が囚われていると思われる刑務所で何とか確認しようとしますが....。主人公ターラー・シンの無敵ぶりは相変わらずですが、線の細い息子ジーテーも父が行方不明になるとしゃんとし始め、たくましくなっていきます。息子役のウトカルシュ・シャルマーはアニル・シャルマー監督の息子だそうで、最初は全然光っていなかったのが、後半は顔つきも変わり、アクションも結構見せてくれて、これは、と思わせてくれます。サキーナーのつけまつげがすごいとか(笑)、ツッコミどころはいっぱいありますが、インドでヒットしたのもわかるうまい脚本で、夫シク教徒、妻ムスリムという主人公たちのせいか、アンチ・ムスリムの描写がほとんどなく、アンチ・パキスタンには徹していてもまあそれはそれ、で安心して見ていられます。日本での公開はないと思うので書きますが、息子ジーテーもパキスタン女性に惚れられて、二人でインドに戻ってくることになるなど、親子二代のラブストーリーになっていました。予告編はまたのちほど。⇒9月9日予告編追加。サニー・デーオールはいかにも、パンジャーブの田舎の朴訥な親父、という感じが加齢と共に出てきて、前作の血気盛んな青年よりもいい感じです。その親父がまた、無双無敵なので見ているこちらはさらに力が入る、というわけでした。

#Gadar2 Official Trailer | 11th August | Sunny Deol | Ameesha Patel | Anil Sharma | Zee Studios

 

『Mastaney(燃える男たち)』

2023年/パンジャービー語/145分
監督:シャラン・アルト
主演:タルセム・ジャッサル、グルプリート・グッギー

1739年に起きた実際の事件を元にしていて、当時無敵と言われたナーディル・シャーの軍隊がシク教徒の兵士集団の襲撃に遭い、完膚なきまでに叩かれます。これに怒ったナーディル・シャーは、シク教徒たちを捕らえるようマハラジャに命じたものの、すべて失敗に終わります。一計を案じたマハラジャの大臣は、ごく普通のシク教徒5人を雇って軍隊に仕立て上げ、その彼らが全滅するのをナーディル・シャーに見せて納得させようとします。ところがシク教徒5人は、だんだんとシク教徒魂を燃えあがらせ、お芝居のはずだった「シク教徒全滅」は容易に実現しそうにない状況になってきます....。シク教徒にとって誇りに思う事件だったようで、かなりリアルに描いてあります。シク教徒の人たちにとっては「名作」と言われるようになるであろう作品、という感じです。⇒9月9日予告編追加。ナーディル・シャーは日本版Wikiもあるので、そちらでどんな人物かチェックしていただくとして、映画は英語版Wikiに出ている似顔絵そっくりの俳優を選び、パンジャービー語の映画ながらナーディル・シャーらにはペルシア語?をしゃべらせ、彼らに捕まえられる土地の女性たちにはヒンディー語をしゃべらせるなど、凝った作りになっています。というわけで、IMDbの評価は10点満点の9.2点という超高評価!

MASTANEY (Official Trailer) In Cinemas 25th August | Watch in Hindi, Telugu, Tamil and Marathi

 

『OMG 2(おお神様! 2)』

2023年/ヒンディー語/155分
監督:アミト・ライ
主演:アクシャイ・クマール、パンカジ・トリパーティー、ヤーミー・ゴウタム

これもシリーズですが、アクシャイ・クマールが演じる神様だけが同じ、という形で、内容は前作とまったく繋がっていません。今回は、寺院の仕事などもしている信心深い男カンティ(パンカジ・トリパーティー)が、ハイティーンの息子の性教育のことで裁判に訴える、という内容です。2012年の前作では、パレーシュ・ラーワル演じる店主が、自分の損害について裁判に訴える内容で、意表を突いたその主張が面白かったのですが、今回は性教育やいじめの問題が裁判で取り上げられ、論理はわかるもののいまひとつスッキリしない主張が続いて、それほど面白い作品とは言えない内容でした。それでも20億ルピーを稼ぐヒットとなっています。インドの人は理屈好きが多いのかしらん?⇒9月9日予告編追加。ヤーミー・ゴウタムが女性検事、『ミルカ』のパワン・マルホートラーが判事、そして学校の責任者役はアルン・ゴーヴィル(1987年の大人気テレビドラマ「ラーマーヤナ」のラーマ様)という渋いキャストにパンカジ・トリパーティーが加わるとさらに渋くなって、アクシャイ・クマール演じる脳天気な神様が出ているシーン以外はいまいち...という感じでした。

OMG2 - Official Trailer | Akshay Kumar, Pankaj Tripathi, Yami Gautam | Amit Rai | In Theatres Aug 11

 

ネットの状況が絶望的に遅いので、すみませんが今日はここまで。ホテルのWiFi、調子よかったのにどうしたんでしょう?⇒ということで、本日9月9日、香港で補填しました。


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