アジア映画巡礼

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『サーホー』ワールドを攻略せよ!<その1>

2020-03-08 | インド映画

新型コロナウィルス肺炎の影響で、雑事に追われています。が、そろそろ『サーホー』攻略に本気で取り組まねば。この映画、以前「天守閣のある大きな城」に例えましたが、まだ天守の一層目にとりついたばかり、という感じの物語理解なので、予告編や公開済みの映像を参照しながら、公開前にせめて三層目まで、できれば四層目ぐらいまで物語をつかんでおきたいと思っています。その成果をネタバレにならない程度に皆様にもお伝えしていきたいと思い、とりあえず攻略した一層目を記事にしてみました。もし、まっさらなままで見たい方がいらしたら、この「『サーホー』ワールドを攻略せよ!」は全部スルーして下さいね。

一層目は人間関係。しかしこの映画、まあ主要登場人物の多いこと多いこと。以前こちらでチラシの人物相関図+αをご紹介したのですが、これと重複するものの、もう一度陣営を紹介しておきましょう。なお、今回冒頭部分を見直してみて気づいたのですが、時代設定は今より少し前、2014年か15年になっています。それで、20年前のロイの出国が、まだ地名がボンベイだった頃、1995年11月以前だったこととうまく呼応したのでした。

『サーホー』登場人物

【ロイ組の面々】


ロイ(ジャッキー・シュロフ)
ムンバイ(旧名ボンベイ)の暗黒街の顔役だったが、抗争に敗れ、インドを離れてワージーに逃亡。それが20年前のこと。ロイ組を建て直してワージーでものし上がり、ついにはワージーを仕切っていたドン、プルドヴィラージ(ティーヌー・アーナンド)から、その息子デーヴラージ(チャンキー・パーンデー)を差し置いて後継者に指名され、ワージー暗黒街のトップに。ロイ組のしのぎは、主として金や石油の裏取引、そしてカラナ村の開発事業だったが、後者を巡って内部抗争が激化。ロイは事業を合法化することに。ロイはムンバイに拠点を移してインド政府の認可を受け、再生可能エネルギー事業等を隠れ蓑にムンバイでの組織拡大を目指し、20年ぶりにインドへと渡る。だが、彼を待ち受けていたのは卑劣な暗殺計画で、ロイは自動車内で電話をしていたところを襲われ、命を奪われる。この時の、電話の相手が実は...。

 

イブラヒム(ラール)
ロイの忠実な部下ナンバーワン。組織の番頭格で、ヤクザ世界で言えば若頭か舎弟頭といったところ。ロイ亡き後は、その後継者である息子を立てて、自分は変わらず番頭役に徹する忠義の男。

 

カルキ(マンディラ・ベーディー)
ロイ組幹部の紅一点。ロイの秘書的存在で、ロイ亡き後はロイの息子に仕え、ロイ組の金庫を開ける鍵となるブラック・ボックスを隠すなど、経理面で着実に仕事を果たす。喘息気味なのか、吸入ステロイド剤を常に携帯している。

 

プルドヴィラージ(ティーヌー・アーナンド)
ロイに跡目を譲った、ワージー暗黒街の前のドン。現在はロイ組の幹部会議には出ているものの、体が衰え、息子デーヴラージに食事を食べさせてもらうなど、介護が必要となっている状態。自分に跡目がまわってこなかったことを恨みに思っているデーヴラージから、虐待に近い扱いを受けている。

 

デーヴラージ(チャンキー・パーンデー)
プルドヴィラージの息子。なぜ彼ではなく、ロイが後継者に選ばれたのかは不明だが、それを根に持って、ロイを排除しようとしている不満分子。プリンス(マヘーシュ・マーンジュレーカル)らを味方に付け、ロイが暗殺されてのちは自分がトップに立てると思っていたフシがあるが、ロイの息子が登場したことによって、また夢はついえ去った。その怒りのはけ口が、父親プルドヴィラージをいたぶることへと繋がっていく。

 

プリンス(マヘーシュ・マーンジュレーカル)
ロイ組の幹部の一人だが、デーヴラージといつもつるんでおり、悪巧みの知恵を巡らせている。

 

(本作のスチールではありません)

ロイの息子ヴィシュワク(アルン・ヴィジャイ)
ロイが暗殺されるまでまったくその存在を知られていなかった、ロイの養子。いきなりの登場に幹部たちは驚くが、イブラヒムの後押しで誰も直接には文句を言えない状況下、ロイ組を継承する。常に暗殺の危険がつきまとい、気が抜けない中でも、徐々に手腕を発揮していく肝の据わった青年である。

 

【ムンバイ警察関係者】


アショーク(プラバース)
凄腕の覆面捜査官。ムンバイ警察署のシンデー署長(プラカーシュ・ベーラワディー)が上司の警視総監から一方的に告げられ、配置されてきた人物で、頭が切れる上に態度が大きく、廻りの者はつい彼の命令に従ってしまう。女性刑事アムリタ(シュラッダー・カプール)に気があるらしい。

 

アムリタ(シュラッダー・カプール)
女性であるからと、何かにつけ署長から無視されるのが大いに不満で、並の男性刑事よりはよほど頭が切れ、拳銃の腕も確かなのに、と常々思っている。しかし捜査上必要とあれば、クラブに溶け込める大胆なドレス姿も辞さない、根性のある刑事である。

 

デヴィッド(ムルリー・シャルマー)
アショークを迎えた捜査チームのシニア・メンバー。

 

ゴースワーミ(ヴェンネラ・キショール)
アショークを迎えた捜査チームの若手メンバー。一番下っ端で、常にアショークに圧力をかけられ、右往左往する。

 

(本作のスチールではありません)

シンデー署長(プラカーシュ・ベーラワディー)
立て続けに起きた謎の強盗事件や殺人事件の捜査を指揮する中で、アショークの介入を許し、陰が薄くなる。ビンテージもののライターを持っているのが自慢だが、徐々にその正体が明らかになっていく。

 

【謎の男】

(本作のスチールではありません)
ジャイ(ニール・ニティン・ムケーシュ)
捜査の中で浮上してきた、謎の行動をする男。監視カメラに写っていたことから、アショークら捜査チームが追いかけるが、後日その正体に全員驚くことになる。

以上なんですが、顔と名前と役柄を憶えられたでしょうか? 憶えたらもう一度、予告編冒頭部分の映像を見てみて下さい。それでだいぶ、物語へのとっかかりができたことと思います。これらの人物が最後までどう動くか、全員を見ていないと物語の全貌がわからないんですよ~。なんちゅームズい映画じゃあぁぁぁ! 次回は二層目まで行ってみましょう。公式サイトはこちらです。

 


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2 コメント

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わかりません!! (あちゃ丸)
2020-05-29 11:31:16
昨日、観て来たんですが人物関係がぐちゃぐちゃで
誰が誰で誰が敵で味方なのか
ここまで聞いてもまだわかりません!!
返信する
あちゃ丸様 (cinetama)
2020-05-29 15:00:19
コメントをありがとうございました。

まったく、おっしゃる通りです。
私も、3回目でやっと人物関係とストーリーがわかりました。
でも、わかってみると非常によく組み立てられている物語で、よくぞこんな複雑な構成を考えたなあ、と感心してしまいました。
というわけで、チラシや公式サイトにある人物関係図をよーくご覧になって、それからYouTubeにアップされている導入部(日本語字幕付き)等をご覧になり、そしてもう一度映画を見て頂ければ、「そうだったのか!」になると思います。
それでもダメなら....3回目にトライして下さい。
私も、まだ全部のシーンがきれいに繋がったわけではないので、もう一度劇場で見るか、ソフトが出たら買ってシーン分析をしようと思っています。
お互いに、完全攻略するまでがんばりましょう!
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