アジア映画巡礼

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<インディアンムービーウィーク2024パート1>開催のお知らせ

2024-06-06 | インド映画

インド映画の映画祭上映が怒濤のように押し寄せている2024年上半期ですが、さらにもう一つ、老舗?の<インディアンムービーウィーク(IMW)>も<2024パート1>が開催されます。以下にその上映作品等をご紹介しておきます。

<IMW2024パート1>
上映作品(全14作品)
 日本語字幕上映作品~『タライヴァー』、『ラームとリーラー』、『無職の大卒』、『永遠の絆』、『兄貴の嫁取物語』、『ウスタード・ホテル』、『シャンカラーバラナム 不滅のメロディ』、『ジガルタンダ』、『ジガルタンダ・ダブルX』、『後継者』、『マジック』
 英語字幕上映作品~『シーダカーディ』、『魂は忘れない』、『千の象を倒す者』
開催劇場・日程
 東京:キネカ大森 アクセス
 2024年6月7日(金)〜7月4日(木)
 上映スケジュール等詳細はこちら

『タライヴァー』
 監督:A・L・ヴィジャイ
 出演:ヴィジャイ、アマラ・ポール、サティヤラージ、ラーギニ・ナンドワーニ
 2013年/タミル語/175分/原題:Thalaivaa

作品紹介:指導者(タライヴァー)の継承
1988年に起きたムンバイの暴動に懲りてマドラスに戻るラトナムは、恩人ラーマドゥライからその息子ヴィシュワを預かる。25年後、成長したヴィシュワはシドニーでダンサーとして活躍していた。ムンバイに住み続ける父のラーマドゥライは人々から慕われるドンだったが、息子には身分を偽っていた。ヴィシュワは恋人と共にムンバイを訪れ、父に再会するが、そこで予期せぬ暴力が彼らを襲う。

 © Sri Mishri Productions


『ラームとリーラー』
2013年/ヒンディー語/156分/原題:Goliyon Ki Rasleela Ramleela
監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー
出演:ディーピカー・パードゥコーン、ランヴィール・シン/プリヤンカー・チョープラー(カメオ出演)

作品紹介:銃弾舞う“ロミオとジュリエット”
舞台は西インド、グジャラート州のとある村。ここでは2つの部族が抗争を繰り返していた。ホーリー祭の日に出会ったラームとリーラーはお互いに一目で恋に落ちるが、相手が対立する部族の出身であることを知る。映像の魔術師サンジャイ・リーラー・バンサーリー監督と、ディーピカー、ランヴィールが最初にタッグを組んだ作品で、多くの映画賞を受賞した。

 ©Bhansali Productions ©Eros Worldwide


『無職の大卒』
 2014年/タミル語/133分/原題:Velaiilla Pattadhari 
 監督:ヴェールラージ
 出演:ダヌシュ、サムドラカニ、アマラ・ポール

作品紹介:ダヌシュ主演の爽やかで痛快な1作
大学で土木工学を学んだラグヴァランは、時代の花形のIT専攻でなかったばかりに、職が見つからない。理解ある母と、隣に越してきたシャーリニの二人から励まされ、大きなチャンスを掴むが、大手建設会社の御曹司と対決することになる。「職のない若者」というインド映画の定番テーマを、ダヌシュならではのキレのあるアクションとダンス、恋愛、ファミリー・センティメントで彩った、爽やかで痛快な一作。

©Escape Artists Motion Pictures ©Wunderbar Films

 
『永遠の絆』
 2019年/タミル語/146分/原題:Viswasam
 監督:シヴァ
 出演:アジット・クマール、ナヤンターラ、ジャガパティ・バーブ、アニカ、ヴィヴェーク、ヨーギ・バーブ

作品紹介:アクション俳優、アジットのヒット作
テーニ地方に住むドゥライは有力者だったが、その腕力頼みの生き方に嫌気がさした妻に去られている。村人の懇請もあり、彼はムンバイに出かけて行き、妻と縒りを戻そうと試み、娘を襲撃者から守る。カラフルな田舎の祝祭、お約束の乱闘、コテコテのお笑いなど、伝統的娯楽映画を踏襲しながらメッセージを含む。

 ©Sathya Jyothi Films


『兄貴の嫁取物語』
 2014年/タミル語/160分/原題:Veeram
 監督:シヴァ
 出演:アジット・クマール、タマンナー、サンダーナム、ナーサル

作品紹介カタブツ兄貴の婚活大作戦
5人兄弟の長兄のビナーヤガは腕っぷしが強く、村人たちからも尊敬されていたが、異性関係では超硬派で、女性との付き合いは全くなかった。それぞれの恋人とゴールインしたいのに長兄に言い出せない4人の弟たちは、策略を巡らし、村にやってきた美術修復家の女性コーペルンデヴィとビナーヤガとの間に恋を芽ばえさせようとする。しかし彼女の一家は全員が徹底した非暴力主義者だった。

 ©Vijaya Productions


『ウスタード・ホテル』
 2012年/マラヤーラム語/151分/原題:Ustad Hotel 
 監督:アンワル・ラシード
 出演:ドゥルカル・サルマーン、ニティヤ・メーノーン、ティラカン、シッディク、マームッコーヤ

作品紹介:食堂で修行する青年の成長ドラマ
裕福な家庭に生まれドバイで育ったファイジはシェフになるのが夢だったが、それに反対する父から勘当される。カリカットの祖父の元に身を寄せ、祖父の経営する大衆食堂を手伝いながら成長していく。カリカットのムスリム社会を背景に、マラバール・ビリヤニ、パロタなど、ケーララ州の名物料理の垂涎ものイメージを交えながら、青年の成長をのびやかに描く。

©Magic Frames


『シャンカラーバラナム 不滅のメロディ』
 1979年(2015年リマスター版)/タミル語/136分/原題:Sankarabharanam 
 監督:K・ヴィシュワナート
 出演:J・V・ソーマヤージュル、マンジュ・バールガヴィ、トゥラシ・シヴァマニ、アッル・ラーマリンガイヤ

©Poornodaya Movie Creations

作品紹介:デジタル・リマスターで蘇る名作
南インド古典声楽の巨匠シャンカラ・シャーストリと、彼を崇めるトゥラシ。娼家に生まれたトゥラシは神前の巫女のようにシャンカラに仕えたいと望んでいたが、残酷な運命はそれを許さない。二つの純粋な魂の彷徨の道筋を彩る古典音楽と古典舞踊の饗宴。ひたすらに芸を磨く求道と神への無私の信仰が一つになる圧巻のクライマックス。インド映画の「芸道もの」の系譜の中で一時代を画し、南インド全域でヒットした、金字塔と言われる名作。
※2015年にデジタルリマスターされたタミル語吹替版。


『ジガルタンダ』
 2014年/タミル語/171分/原題:Jigarthanda
 監督:カールティク・スッバラージ
 出演:シッダールト、ボビー・シンハー、カルナーカラン、ナーサル

作品紹介:緊張感漂う前半、予測不能な結末
映画監督を目指すカールティクは、映画監督コンテスト番組に出場する。セミ・ファイナルで選外になりかけたが、審査員を務めたプロデューサーから長編映画の製作を持ちかけられる。提示された条件は、壮絶なギャングの抗争をテーマにした映画をつくることだった。カールティクはおっかなびっくり、南インドのマドゥライで悪名を轟かせる凶悪なギャングのボス、セードゥに関してリサーチを始める。

 ©Group Company


『ジガルタンダ・ダブルX』
 2023年/タミル語/172分/原題:Jigarthana Double X 
 監督:カールティク・スッバラージ
 出演:ラーガヴァー・ローレンス、S・J・スーリヤー、ニミシャ・サジャヤン

作品紹介:激烈な社会批評が盛り込まれた衝撃作
新米警察官のキルバイは不可解な事件に巻き込まれ、自身が牢に繋がれる。彼は、政界に強いコネクションを持つ悪徳警視ラトナクマールに脅されて、マドゥライ地方のギャングの親分シーザーの暗殺を命じられる。シーザーに近づくために、彼はサタジット・レイ門下の映像作家と身分を偽り、彼を主演にした映画を撮るふりをする。カールティク・スッバラージ監督が激烈な社会批評を盛り込んだ衝撃作。

©Stone Bench Films ©Five Star Creations©Invenio Origin


『後継者』
 2023年/タミル語/169分/原題:Varisu 
 監督:ヴァムシー・パイディパッリ
 出演:ヴィジャイ、ラシュミカー・マンダンナ、サラトクマール

作品紹介:天才肌の末息子、家族の危機に登場
大企業オーナー一族が住む屋敷に、当主と衝突して家を出ていた三男ヴィジャイが戻ってくる。彼は事業を引き継ぎバラバラの家族を結びつけようとする。ヴィジャイ(『マスター 先生が来る!』)主演、2023年1月公開のヒット作。

© Sri Venkateswara Creations © PVP Cinema


『マジック』
 2017年/タミル語/169分/原題:Mersal 
 監督:アトリ
 出演:ヴィジャイ、サマンタ、カージャル・アグルワール、ニティヤ・メーノーン、S・J・スーリヤー、サティヤラージ

作品紹介:医療をめぐる社会派スリラー
チェンナイの低所得者層地域で開業するマーラン医師は、低額で患者を診る人徳者で、国際会議でも表彰される。しかしその周りで医療関係者の不審死が起こり、警察は彼を拘束して尋問する。そこで浮かび上がったのは、ヴェトリという名の彼と瓜二つの奇術師だった。V・ヴィジャエーンドラ・プラサード(『バジュランギおじさんと、小さな迷子』)が脚本に加わった、娯楽性がある社会派スリラー。

©Sony Music India ©Sri Thenandal Films

『シーダカーディ Seethakaathi』
 2018年/タミル語/173分/英語字幕/原題:Seethakaathi
 監督:バーラージ・ダラニダラン
 出演:ラージクマール、マウリ、アルチャナ、バガヴァティ・ペルマール、ヴィジャイ・セードゥパティ

作品紹介:新感覚のスリラードラマ
ベテラン舞台俳優のアイヤは舞台上で急死する。死後に行われた公演で、ある劇団員の演技が劇的に変化し、関係者はアイヤの魂が彼に乗り移っていると確信する。公演を見た映画監督がその俳優を自作の主演に抜擢し、映画は大ヒット。俳優の中にいるアイヤが人気スターとなる怪現象が起こる。『途中のページが抜けている』の監督、キャストが再集結した新感覚のスリラードラマ。

 © Passion Studios


『魂は忘れない Nenjam Marappathillai』
 2021年/タミル語/150分/英語字幕/原題:Nenjam Marappathillai
 監督:K・セルヴァラーガヴァン
 出演:S・J・スーリヤー、レジーナ・カサーンドラ、ナンディター・シュウェータ

作品紹介:S・J・スーリヤー怪演のホラー
キリスト教の養護施設で育った孤児マリヤムは、施設への恩返しとして献金するために、紡績会社経営者の裕福な家庭のベビーシッターの職を得る。屋敷の主人ラームゼーは、妻の不在時にマリヤムをレイプして殺し、使用人に死体を処分させる。彼女の魂は屋敷に戻り、犯人たちを追い詰めていく。S・J・スーリヤーの演技が話題になった怪作ホラー。
※性暴力を想起させるシーンがあります。

© Leo Vision


『千の象を倒す者 Vaaranam Aayiram』
 2008年/169分/タミル語/英語字幕/原題:Vaaranam Aayiram 
 監督・脚本:ガウタム・メーナン
 出演:スーリヤ、サミーラ・レッディ、ラムヤー、シムラン、ディーパ・ナレーンドラン、アジャイ

作品紹介:親子二代の人生ドラマ
対テロ作戦のためカシミールに赴くスーリヤ少佐のもとに、父クリシュナンの死の知らせが届く。1970年代にチェンナイの大学生だったクリシュナンとマーリニの恋物語、結婚して生まれたスーリヤとクリシュナンとの友達のような交歓、成長したスーリヤが出会った女性メーガナとの恋愛などが回想によって綴られ、現在の彼ができるまでを物語る。親子二代をスーリヤが熱演した人間ドラマ。

©Aascar Film Pvt. Ltd ©Cloud Nine Movies

 

            

Cinetamaから一言。<IMW2024パート1>にはオススメ作品がいろいろあるのですが、1本だけ「Must watch!」をあげるとすると、シッダールト主演の『ジガルタンダ』。公開当時確かシンガポールで見て、あまりの出来の良さにすっかり夢中になりました。さらに今回は、ちょっと間抜けな映画好きのギャングのボスに扮するボビー・シンハーにもご注目下さい。この人、間もなく公開のカンナダ語映画『チャーリー』(2022)に、とってもいい役で登場するんですね~。メインキャストではないのですが、いろんな意味で重要な役です。さらに、7月公開のプラバース主演作『サラール』(2023)にも出演しています。ぜひ、『ジガルタンダ』と見比べてみて下さい。(撮影時30歳だったとは、とても信じられない...)

<追伸>シンガポールで2014年8月に『ジガルタンダ』を見た時のブログ記事はこちらです。何と、続けて『無職の大卒』も見ていたようで、そんな組み合わせで見たことはすっかり忘れていました。このシンガポールのレックス劇場もすでに取り壊され、昨夏行った時はまだ再建もされていず...という悲しい情景のままでした。(レックス劇場 2014.8.15)

 

 


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