アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

やっと我が家へ『タレンタイム 優しい歌』DVD

2021-03-03 | 東南アジア映画

長らく待ち望んでいたヤスミン・アフマド監督作品『タレンタイム 優しい歌』(2009)のDVDが発売となりました。昨日我が家に届いたのですが、忙しい(&面倒な)校正の合間にちょっとだけ、とタレンタイム(中学校で行う生徒のパフォーマンス・コンテスト)のシーンだけ見始めたら、ハフィズのお母さんが亡くなるシーンが出てきて、そこからもう涙、涙、涙....。ハフィズがモスクで祈るシーンで泣き、舞台で歌うハフィズの所にカーホウが二胡とイスを持って出てきて伴奏し始め、終わって二人が抱き合うシーンでまた泣き、と、花粉症よりひどいことになってしまいました。アジア映画ファンの皆さんのお宅で、昨日はこういうシーンがいっぱい出現したのでは、と思います。

まだお手元にない方のために、DVDのデータとジャケットを付けておきます。

『タレンタイム 優しい歌』 公式サイト 
 2009/マレーシア/マレー語、中国語、タミル語、英語、広東語/120分/原題:Talentime
    監督:ヤスミン・アフマド
 主演:マヘシ・ジュガル・キショール、パメラ・チョン
    配給・発売元:ムヴィオラ
 販売元:オデッサ・エンタテインメント(おっ、オデッサさんだ!)

裏面の最後に、「本作にはオリジナル素材起因の音ノイズ、音割れ、画面揺れ、画質不良がありますことをご了承下さい」と断り書きが書いてありますが、推察するに、配給会社はもっといい素材を手に入れてソフトを作ろうと、ずっと交渉していらしたのでは、と思います。でも、それが実を結ばず、現在ある素材でのソフト発売となった模様です。でもでも、確かに画像があまりクリアではなかったりしますが、この素晴らしい映画の前には、そんなこと全然気になりません。私のように、すでに6、7回は見ているのにまた見ると泣かされてしまう力が、この映画にはあるのです。騙されたと思って、ご覧になってみて下さい。

人物紹介は、上にリンクを張った公式サイトに全員の顔写真がでていますが、主要な3人だけ、公開時にいただいた顔写真を貼り付けておきます。

© Primeworks Studios Sdn Bhd

ムルー(パメラ・チョン)~マレー系ムスリム(イスラーム教徒)だが、お父さんはイギリス人との混血なので、4分の1イギリス人の血が入っている。妹が2人いて、両親、そしてメイドではあるものの母の友人的存在のメイリンとの6人暮らし。ムルー(Merul)はジャスミンの花で、中国語で言うと茉莉花、と劇中で説明されているが、手元のマレー語の辞書によると、「ムラティの花。ジャスミンの一種。巨木に咲く白い香りのよい小さな花、日本のさくらに例えられる」とのこと。

© Primeworks Studios Sdn Bhd

マヘシュ(マヘシュ・ジュガル・キショール)~インドのタミル系ヒンドゥー教徒。耳が不自由なため話せない。母と姉との3人暮らしで、叔父(母の弟)がよく訪ねてきて可愛がってくれる。叔父は間もなく結婚する予定だが、何か屈託がある様子。

© Primeworks Studios Sdn Bhd

ハフィズ(モハマド・シャフィー・ナスウィップ)~マレー系ムスリムの転校生。母1人子1人だが、母親は病気のため入院中で、どうやら末期がんらしい。勉強がよくできるので、それまでずっとトップだった華人優等生カーホウの座を奪った形になり、うらまれる。

このほかに、カーホウの友人で、ちょっとヘンな華人男子生徒メルキンも登場、笑わせてくれます。笑わせると言えば、一番面白いのが校長先生役のアディバ・ノールで、予告編でもその楽しさがわかると思います。本作には、主題歌2曲をそれぞれ使った2パターンの予告編があって、それもDVDに収録されています。

映画『タレンタイム~優しい歌』予告編(「I Go」&「Angel」2バージョン連続版)

 

あと、インド映画ファン必見なのは、このシーンがあるから。

© Primeworks Studios Sdn Bhd

マードゥリー・ディークシトが主演した『Aaja Nachle(いらっしゃい、踊りましょう)』(2007)の曲「O Re Piya(おお、愛しい人)」で、インド系の女生徒が踊ります。ぜひ、『タレンタイム』のDVDで見てみて下さいね。

こんな素晴らしい映画を作ってくれて、本当にありがとう、ヤスミン。上は2006年の東京国際映画祭で、『ムクシン』(2006)を上映した時来日したヤスミン・アフマド監督です。この時は、ホー・ユーハン監督(ヤスミンの右側)の『Rain Dogs(太陽雨)』(2006)も上映されたのですが、この映画にヤスミン・アフマド監督、そして作曲家のピート・テオ(ホー・ユーハンの後ろ)も出演していたため、3人で舞台挨拶しているところです。ユーハンもピートも、ヤスミンの弟分という感じで、とてもいいアンサンブルでした。ピートの曲は『タレンタイム』でたっぷりと聞けますので、それもお楽しみに! ご覧になってのご感想など、ぜひお寄せ下さい。

 

 


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