アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

スペース・アーナンディ/インド映画特別講座「インド映画の字幕翻訳を手がける人のために」参加者募集中!

2019-10-13 | インド映画

昨日、Amazonプライムで『ロボット』を見ていて発見。字幕に惜しい間違いがありました。「T.ナガールの道路をすべて封鎖し検問を」は、T. Nagarはチェンナイの商業地区の地名なのですが、正確には「T.ナガル」なんですね。なぜか皆さん、インドの地名や人名は最後から一つ前の音に音引きを付ける、という間違った思い込みがあるらしく、この手の間違いが後を絶ちません。

©2018 Lyca Productions. All rights reserved.

実は『ロボット』公開時、監督の名前も、「シャンカール」と誤表記されてしまったのです。配給会社さんは、「ネット検索したら”シャンカル”より”シャンカール”の方が多かったからそうした」と当時おっしゃっていて、私が指摘した時はもう宣伝が始まっていたため、結局そのままになりました。今回、『ロボット2.0』(上写真)公開にあたって、もう一度この問題を蒸し返して訂正をお願いしたところ、かなり苦悩しておられたのですが(ネット検索で違った人物と認識されたりする恐れがあり、以前パブを出してくれた映画サイトなどが非常に嫌がるらしい)、大英断で今回は監督名を正しく「シャンカル」にして下さいました。こういう訂正をして下さることは珍しく、一度間違いが出たらずーっとそのまま、という方が圧倒的に多いのが日本社会なのです。

というわけで、字幕翻訳者も含めた翻訳者の皆さん、並びに配給会社の皆さんは責任重大です。今回の『ロボット2.0』はタミル語の専門家深尾淳一さんが監修をしているため、安心して見ていられますが、そんなインド映画の落とし穴に落ちないために、字幕翻訳者の皆様向けに行う講座がいよいよ今週土曜日に迫りました。まだお席に余裕がありますので、将来字幕翻訳者になりたい方などもぜひどうぞ。

*  *  *  *  *  *  *  *  *

スペース・アーナンディ/インド映画特別講座

 「インド映画の字幕翻訳を手がける人のために」

スペース・アーナンディでは、毎年1つのテーマで行う「インド映画連続講座」を開催中ですが、今回はそれとは別に、字幕翻訳者の方に向けての特別講座を企画してみました。インド映画の字幕翻訳は、現在、ヒンディー語から直接字幕を作成できる藤井美佳さんが活躍中で、他にも松岡環や何人かの人がヒンディー語やベンガル語から直接字幕翻訳を行っています。ですが残念ながら、ちゃんと字幕制作講座等でスキルを学び、経験を積んだプロの字幕翻訳者と言えるのは、藤井美佳さんだけです。

そのため、ヒンディー語などインドの言葉はわからないけれど、プロの字幕翻訳者として活躍中の方が、英語字幕台本をもとにインド映画の字幕を担当なさることもよくあります。その場合、使われている言語がわかる人が監修(字幕をチェックして、表記や内容の間違いを指摘する)を担当すれば問題はないのですが、英語字幕台本を訳しておしまい、というケースも非常に多く見られます。ですので、Netflixには「アチャー!」の字幕がいっぱいです(『ハッピーニューイヤー』で「マノハ窃盗事件」とあるので「?」と思っていると、「マノーハル(Manohar)窃盗事件」でした)。これをどうにかして、「アッチャ-(よい)!」の字幕に変えたい、というのが私の願いです。

インドにはどんな言葉があるのか、それが英語字幕になるとどうなるのか、日本語字幕を作る時、どんなことに気をつければいいのか、固有名詞表記は何を参考にすればいいのか....。今回の講座は、インドの言語とインド映画について知っていただいて、英語から字幕を作る字幕翻訳者の方に参考にしていただこう、というのが目的です。日頃疑問に思っていらっしゃることなどにもお答えしながら、お話を進めていきます。 

 日時:2019年10月19日(土) 15:00~17:30
 場所:スペース・アーナンディ
    (東急田園都市線高津駅<渋谷から各停で18分>下車1分)
 定員:20名
 参加資格:字幕翻訳の経験者、または字幕制作講座等修了者(と以前書いたのですが、これから字幕翻訳者を目指す方、あるいは翻訳一般に従事しておられる方などもOKです)
 講座料:¥3,000(含む資料&テキスト代)
 講師:松岡 環(まつおか たまき)

ご予約は、スペース・アーナンディのHP「受講申し込み」からどうぞ。ご予約下さった方には、ご予約確認と共に、スペース・アーナンディの地図(Google Mapより正確!)をメール送付致します。床におザブトンをひいて座っていただく形になりますので、楽な服装でお越し下さい(申し訳ないのですが、スペースの関係上イス席はご用意できません。悪しからずご了承下さい)。皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。

*  *  *  *  *  *  *  *  *

今回は特別に、お申し込みいただく時の申込書フォームに私へのご質問があれば書き添えていただいています。すでに、「英語だと区別が付かない、兄か弟か、姉か妹か、伯父か叔父か、などがわかるような親族名称が知りたい」「インド特有の事物を調べる時に何に依拠すればいいか知りたい」等々、ご質問が寄せられています。早めにお申し込みいただき、ご質問をお送りいただければ助かります。

アルターフ 復讐の名のもとに [DVD]

当日は、私の誤訳についても白状する予定です。『アルターフ 復讐の名のもとに』は勘違いによる(あるいは無知による、と言った方がいいかも)誤訳、『きっと、うまくいく』は確信犯的誤訳です。おわかりになった方は、上記講座終了後の20日以降に、コメントでご指摘下さいね。当てた方には賞品が出せるといいんですが、ブログじゃちょっと無理かなあ...。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ロボット2.0』が来るぞっ!... | トップ | 『燃えよスーリヤ!!』が燃え... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

インド映画」カテゴリの最新記事