goo blog サービス終了のお知らせ 

アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

異彩を放つ『ランガスタラム』!! ③難聴のヒーロー

2023-07-12 | インド映画

公開日が迫ってきました、『ランガスタラム』。本日夕方には、村のお祭りの場でラーム・チャランが踊る本編映像が公開されました。この映画のテーマと言えるような歌詞の曲で、この時は前途に待ち構える運命など知らず、ラーム・チャラン扮するチッティ・バーブは村人たちを率いてダイナミックな踊りを繰り広げます。まずは、そのシーンをどうぞ。

『ランガスタラム』ラーム・チャランがエネルギッシュに踊る!本編映像

 

宣伝担当者さんが下さった文章に貴重な情報が載っているので、そのままコピペさせていただきました。

💃  💃  💃  💃  💃  💃  💃

  『RRR』『マガディーラ 勇者転生』の主演で人気沸騰中のラーム・チャランが自ら最高傑作のひとつと述べ、大スクリーンでの鑑賞をファンが待望・渇求する名作『ランガスタラム』。7月14日(金)の公開を控え、本編映像が解禁されました。
  解禁されたのは、村の祭事の山車巡行にあわせ、ラーム・チャラン演じる青年チッティが大勢の村人たちと踊るエネルギッシュなダンスシーン。「人生は芝居、この世は舞台」という作品全体に流れるコンセプトを陽気なリズムに乗せた楽曲は、本作のタイトルトラック「Ranga Ranga Rangasthalaana(ランガ・ランガ・ランガスタラーナ)」。
  「ラーム・チャランと並んで本作の主役」とまで賞賛された本作の音楽を手掛けたのは、テルグ語映画音楽界を牽引するナンバーワンの売れっ子音楽監督デーヴィ・シュリー・プラサード。「この世は芝居の舞台 俺たちゃ みんな人形さ」という歌詞は、大ヒット作『RRR』の代名詞ともなった「ナートゥ・ナートゥ」の作詞家としてアカデミー賞を受賞したチャンドラボースによるもので、歌唱は「ナートゥ・ナートゥ」を歌っていた二人のうちの一人、ラーフル・シプリガンジが担当しています。このタイトルトラックは全編を通じて変奏され、明るい曲調とは裏腹の、世界の残酷さへの嘆きが胸を打ちます。


 

©Mythri Movie Makers

『ランガスタラム』 公式サイト
2018年/インド/テルグ語/174分/英題:Rangasthalam
 監督・脚本:スクマール 
 撮影:R.ラトナヴェール 
 音楽:デーヴィ・シュリー・プラサード 
 編集:ナヴィーン・ヌーリ
 製作:マイトリ・ムーヴィー・メイカース
  キャスト:ラーム・チャラン、サマンタ、プラカーシュ・ラージほか
  配給:SPACEBOX

●STORY
1980年代のアーンドラ・プラデーシュ州中部、ゴーダーヴァリ川沿岸の田園地帯、ランガスタラム村。チッティ・バーブ(ラーム・チャラン)は、モーターを使って田畑に水を送り込むことを生業にする労働者。難聴で、他人の声がよく聞き取れない障碍を持っているが、さほど気にせずに毎日を楽しく暮らしている。彼は近所に住むラーマラクシュミ(サマンタ)に惚れて、調子はずれな求愛をする。一方、村は「プレジデント」を自称する金貸しブーパティによって牛耳られている。チッティ・バーブの兄で中東ドバイで働いているクマール・バーブは、帰省した際にプレジデントが好き放題にする故郷の村の有様に心を痛め、州会議員ダクシナ・ムールティの力添えで、村長選挙に立候補して政治家として村の生活を改善していこうと思い立つが…。

©Mythri Movie Makers

💃  💃  💃  💃  💃  💃  💃

以前こちらでも書きましたが、ラーム・チャランが演じるチッティ・バーブは「難聴のヒーロー」です。この歌の最初でも、楽器を演奏する男たちに「聞こえるだけじゃなく、見えるようにやれ」と言って、太鼓の叩き手などを自分の方に向かせています。そのように難聴であることを公言する一方で、難聴と思われたくない気持ちもあって、その場では聞こえたふりをしていながら、あとで仲間のマヘーシュから内容を聞かせてもらう、というシーンも出てきます。また、「補聴器を付けたくない、難聴だとわかってしまうから」というシーンも出てきますが、補聴器を付けた時点で難聴ではなくなるわけで、うーん、一体彼の聴覚に対する美意識というか矜持は、どこに基準があるのだろう、と見ている方は混乱してしまいます。どうもこれは、スクマール監督が「主人公は難聴、だからこういうことが起こってしまい、ストーリーがツイストする」とこれまでにないストーリーを考え出したものの、具体的に描写する段になって、あれこれ矛盾が生じたのでは、と推察します。でも、その矛盾も力業で踏み越えて、見応えのある作品に仕上げているのは立派。しかも、ラストが衝撃的で、見た人はこの映画を一生、印象深く憶えていることでしょう。

©Mythri Movie Makers

前半は少々おちゃらけすぎと思えなくもないですが、それはラーム・チャランとサマンタの主人公2人のキャラを思う存分展開するため、ということで、観客へのサービスも満点です。あまり前知識を入れず、この特異な作品『ランガスタラム』を楽しんで、そして衝撃度100%でエンドロールを呆然と眺めて下さい。貴重な映画体験になると思います。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『Jawan』の正式予告編アップ... | トップ | 怪物映画『K.G.F』襲来に備え... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

インド映画」カテゴリの最新記事